【日赤医療センター】広尾日赤の大銀杏

広尾日赤医療センターの再開発に伴うマンション群の建設のため、樹齢500年といわれる大銀杏の古木が、枝や根を払われて移植された。
この古木の衰退は著しく、移植から5年近く経っても、支えの足場を外すことができない。この古木が、枝を張り、葉を繁らす日が、また来るのであろうか。


日赤銀杏 006
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【日赤環境訴訟】広尾日赤の環境行政訴訟の影響

5月15日(火)、広尾日赤の再開発の違法性を追及する行政訴訟の口頭弁論が東京地裁で開かれた。

原告側は、準備書面(51)を提出して、補助7号線との関係から、当該開発行為は明らかに「区画の変更」を伴うので開発許可が必要であり、それがなされなかったことは違法・脱法行為であると主張した。

裁判所は、原告側に対して、現在の原告の居住地を明らかにして、改めて原告適格を主張するように促した。

本件行政訴訟の影響は大きく、各自治体では、開発許可を怠ると訴訟を起こされる可能性があるので、開発業者に対しての指導が厳しくなっているようである。

【告知・日赤環境訴訟】広尾日赤医療センター環境行政訴訟の口頭弁論

明日(26日)15:30より、東京地裁522号法廷において、渋谷区広尾の日赤医療センター環境行政訴訟の口頭弁論が開かれる。
本件訴訟は平成17年5月に提訴されてから、丸6年になろうとしている。東京地裁は多岐にわたる争点を慎重に審議しているため、未だ結審に至らない。
本件訴訟は大型環境行政訴訟の第1号で、この後、三井浜田山グランド環境訴訟、下北沢開発阻止訴訟、鶯谷環境訴訟、羽澤ガーデン環境訴訟、桜上水団地環境訴訟等の大型環境行政訴訟が次々と東京地裁に提訴され係争中である。

【告知・広尾日赤環境訴訟】日赤環境訴訟の口頭弁論のお知らせ

明日(10月1日)15:30より、東京地裁522号法廷で広尾日赤医療センターの開発工事中止と現状回復を求める環境訴訟の口頭弁論が開かれる。原告側は、大銀杏移植の違法性について、以下の準備書面を提出した。

第1 大銀杏の違法な移植許可

1 大銀杏について
 日赤医療センターの庭にあった大きな銀杏は大銀杏と呼ばれ(甲20の33頁の写真参照)、樹齢約500年と言われており、渋谷区文化財保護条例(以下、本件条例という)により、渋谷区指定天然記念物に指定されていた。

2 本件条例の概要は、以下のとおりである。
 本件条例は、文化財保護法及び東京都文化財保護条例による指定を受けた文化財以外の文化財で区内に存するもののうち、区にとって文化的に重要であり、かつ、価値の高いものの保存と活用に必要な措置を講じ、区民の文化的向上に貢献することを目的としている(1条)。
 2条は、文化財の定義規定であるが、7号は、「天然記念物」として、「動物、植物(自生地を含む)、地質鉱物で学術上価値の高いもの」を挙げている。
 3条は「区の責務」を定めた規定で、「区は、文化財が歴史及び文化の正しい理解のために欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎を成すものであることを認識し、その保存及び活用が適切に行われるよう務めなければならない。」と規定している。
 4条は「区民等の責務」を定めた規定で、その2項は、「文化財の所有者などは、文化財を大切に保存し、できる限りこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。」と規定している。
教育委員会は、区内に存する文化財のうち特に保存する必要があると認めるものを、所有者などの同意を得て、渋谷区登録文化財に登録することができ(5条)、さらに、渋谷区登録文化財のうち、特に重要なものを所有者等の同意を得て、渋谷区指定文化財に指定できることになっており、7号は、渋谷区指定天然記念物を挙げている(7条)。
 上記5条、7条から明らかなように、保存する必要があると認めるものを、渋谷区登録文化財に登録し、渋谷区登録文化財のうち、特に重要なものを、渋谷区指定文化財に指定するという構造になっており、渋谷区指定文化財は、特に重要なものとされている。
 大銀杏は、本件条例7条により、渋谷区指定天然記念物に指定されていた。

 3 日赤による移植許可申請と渋谷区教育委員会の許可
 本件条例19条2項は、「区指定文化財の管理者等または管理責任者は、当該区指定文化財の現状を変更しようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。」と規定している。
 病院建替工事、及び、マンション建設工事にあたって、大銀杏の存在が邪魔になった日赤は、大銀杏の移植を計画し、平成18年5月、渋谷区教育委員会に対し、本件条例19条2項に基づき、現状変更についての許可申請を行い、同年6月、渋谷区教育委員会はこれを許可した。
 日赤は、これに基づき、大銀杏を日赤医療センター敷地内の別な場所に移植した。
 日赤は、移植が現状の変更に該当するとして、許可申請を行い、渋谷区教育委員会も同様の見解でこれを許可したのである。
 しかし、以下に述べるように、かかる見解は誤っており、大銀杏の移植許可は本件条例19条2項に違反しており、違法である。

4 違法な移植許可
(1)本件条例の上位法として、文化財保護法、東京都文化財保護条例が存在する。
 本件条例の解釈にあたっては、当然のことながら上位法である文化財保護法、東京都文化財保護条例の解釈が尊重されなければならない。
 本件では、大銀杏(本件条例では「植物」に該当する)が問題となっているので、植物の現状変更についての文化財保護法、東京都文化財保護条例を以下に指摘する
 文化財保護法では、我が国にとって学術上価値の高い植物は、2条1項4号で文化財とされ、「記念物」の1つとされている。文部科学大臣は、記念物のうち重要なものを天然記念物と指定することができ(109条)、天然記念物の現状を変更し(維持の措置、非常災害のために必要な応急措置を執る場合は除く)、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするとき(影響が軽微である場合は除く)は、文化庁長官の許可が必要とされている(125条)。
 東京都文化保護条例も、文化財保護法と同様の構造になっており、教育委員会は、都の区域内に存する記念物のうち、都にとって重要なものを都指定天然記念物と指定することができ(33条1項)、都指定天然記念物の現状を変更し(維持の措置、非常災害のために必要な応急措置を執る場合は除く)、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするとき(影響が軽微である場合は除く)は、教育委員会の許可が必要とされている(36条による14条の準用)。
 天然記念物の所管は文化庁文化財部記念物課であり、都指定天然記念物の所管は東京都教育庁地域教育支援部管理課であるが、いずれも、天然記念物(植物)の現状の変更とは、剪定、整枝、苅込、根切等を対象としており、移植は許可の対象とはならないという見解であり、天然記念物に指定された樹木、樹林の移植の先例はないとのことである。
(2)天然記念物の指定基準は、「国宝及び重要文化財指定基準並びに特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準」(昭和26年文化財保護委員会告示第2号)により定められており、天然記念物は「学術上貴重で、我が国の自然を記念するもの」で、植物としては、① 名木、巨樹、老樹、畸形木、栽培植物の原木、並木、社叢、② 代表的原始林、希有の森林植物相、などが挙げられている。
 名木、巨樹、老樹は単体としての樹木であり、当然のことながら、その根付いている土地と一体として考えるべきものであり、移植することは本来想定されていない。
 本件大銀杏は、名木、巨樹ないし老樹に該当するものであり、500年もの間、広尾の地に根を張ってきたものである。
 なお、本件移植が、維持の措置、非常災害のために必要な応急措置に該当しないことは明らかである。また、移植が「その保存に影響を及ぼす行為」に該当することは明らかであり、移植した場合に、当該樹木が移植地にうまく根付くかどうかは極めて微妙な問題であって、影響が軽微であるとは言えない。実際問題としても、移植後の大銀杏は、移植前より生命力が減少しているという印象を与える。
移植は現状変更許可の対象とならないという文化庁や東京都の見解は極めて正当である。
 (3)本件移植許可は、本件条例19条2項の解釈を誤った違法なものであり、区の責務を定めた本件条例3条にも違反している。

日赤銀杏 001
広尾日赤の痛ましい姿の大銀杏

【日赤・大銀杏】大銀杏の移植に抗議する陳情

広尾日赤医療センターで、瀕死の状態に追いやられた渋谷区の天然記念物である大銀杏に関して、9月16日付けで、柏木驍氏(環境アセスメント研究室 代表取締役)と中邦彦氏(区民)の連名で、渋谷区長及び渋谷区議会に「文化財の衰亡に関する抗議と復旧治癒を求める陳情」が提出された。区議会では、文教委員の諸君の見識が問われるところである。
以下、全文を掲載する。区長宛、区議会宛は同文である。

渋谷区が天然記念物に指定した右欄の大銀杏は、区文化保護条例に基づく現状変更の許可(平成18年6月13日)により移植され、それから4年後の今日大銀杏は気息えんえん往事の面影はなく、このまま放置されれば樹齢500年の命運尽きる運命かと憂慮するところです。
そもそも文化財保護制度における天然記念物の“現状変更”の解釈、運用について因みに国(文化庁)や東京都(教育庁)の見解では、「樹木の“現状変更”とは、剪定、枝落とし、根切り等を対象とし、移植は許可の対象にもならない。従って、国、都における天然記念物に指定された樹木、樹林の移植は一例もない」と言うことでした。
しかるに渋谷区は、必死に生き続けてきた物言わぬ銀杏を、目先の経済的利益のために法律の規則を超えてまで移植を認めてしまいました。その結果、衰亡に瀕した銀杏の悲しむべき姿を見るにつけ、大きな憤りを感じるとともに、誤った許可処分を即時取り消して、病める老木の救済に全力を傾けて頂きたいのです。
区内に二本とないこの大銀杏は、言うまでもなく歴史的、文化的、景観的にも長く後の世まで絶えず何らかの影響を与え続け、新しい文化の芽生えに慈雨を注いだに違いありません。なればこそ渋谷区はこれを天然記念物に指定し、公共財としてしかも町作りの指標として愛情を込め、区民とともに畏敬の念を持ってこれを守ってきたに他なりません。このような渋谷区の文化政策を自ら踏みにじる暴挙は到底許されるものでなく、孤高の老木を枯死させる恥を天下に晒すことは見るに忍びません。
変わり果てた老木の容体は、素人目にも衰弱著しく、一刻も早く専門的な診断の上、復旧治癒計画を公表、実施して頂きたく此処に陳情致します。
以上

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日赤銀杏 001
開発の犠牲者・大銀杏

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