【謹賀新年】年頭に当たって 渋谷オンブズマン代表・久保田正尚

 渋谷オンブズマンも、平成21年という新しい年を迎えることができました。渋谷区民の皆様、渋谷区議会議員の皆様、渋谷区職員の皆様、旧年中にも増して、本年も宜しくお願い申し上げます。
 尊敬する弁護士の言葉を借りれば、「真っ暗闇の中の灯火は、それが消えれば本当に真っ暗闇になってしまう。私達は、灯火を灯し続けようではないか・・・」そんな気持で、昨年は、準備期間も含めて約半年間、7人のメンバーで突っ走ってまいりました。
 多少の成果を上げることができたかもしれませんが、今年も一つ一つ問題に取り組んで、行政や議員の違法行為、不当行為、税金の無駄遣いを追及してまいります。皆様からの情報提供をお待ちしております。皆様と共に、渋谷区を開かれた自治体に再生させたい、成熟した市民社会を築いていきたいと願っております。

渋谷オンブズマン代表 久保田正尚

theme : 政治・地方自治・選挙
genre : 政治・経済

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【主張】開かれた自治体を願って

sendagaya(写真:日陰になる渋谷区立千駄ヶ谷小)

 渋谷区では12月1日に高度地区変更による「建築物の絶対高さ制限」が施行されたことを御存でしょうか。これに対して、不十分だとの批判もありますが、渋谷区内では渋谷駅周辺を除いて、建築物に高さ制限が設けられ、その結果として、神宮前2丁目の住宅地に隣接して建設された超高層建築物の類は、今後、建築することは不可能になりました。
 小泉純一郎内閣の規制緩和で、超高層建築が容易になり、平成15年頃から、渋谷区内でも例外なく建築紛争の嵐が吹き荒れました。しかしながら、住民運動は各地で個別撃破され、百戦錬磨の業者は、不作為の行政に後押しされて、ほとんど思い通りに開発・建築を進めてきたのでした。
 そんな、渋谷区に大きな転機が訪れたのは、平成16年、神宮前2丁目に住友不動産が進めた高さ140mの超高層分譲マンションの建築計画でした。これは、渋谷区立千駄谷小学校に、冬場の10時から2時にわたり、大きな日陰を落とす建築計画であったため、ある時期から千駄谷小学校PTAが反対運動の先頭に立ったのです。それどころか、渋谷区内の27校の小中学校PTAが応援し、渋谷区PTA連合会が運動の主体となっていったのでした。
 運動の目標は、千駄谷小学校を救うことはできないかもしれないが、今後、二度とこのようなことが起こらないように、渋谷区議会で「教育施設の日照を守るための条例」を制定して、教育施設に日陰を落とす高層建築物を渋谷区内では二度と建築できないようにしてしまおうというものでした。渋谷区全体の問題としたため、大運動となり、各校のPTA会長は学校内外で署名を集め、町会、商店会、労働組合等でも共感をよび、二ヶ月で11500の署名を集めて区議会に請願を提出いたしました。区議会では、与党会派である自民党、公明党が反対にまわりましたが、賛成18、反対14で可決採択されました。与党会派が反対にまわったにもかかわらず請願が採択されたのは、区議会史上極めて珍しいことだそうです。
 間もなく住友不動産は工事を10ケ月中断して、高さ140mの分譲マンションを高さ91mのオフィスビルに計画変更いたしました。計画変更は不十分なものではありましたが、渋谷区PTA連合会が区議会を動かし、大手不動産会社の建築計画を大変更させた事実は、渋谷区内外から驚きの声が上がりました。
 この運動が発端となり、渋谷区内外の環境破壊、景観破壊と戦う市民運動とのネットワークができ、まちづくりに関しては、24番目の区と言われていた渋谷区が〃粉儼弉茘土地利用調整条例絶対高さ制限の三本立てで、ゆっくりではありますが動きはじめたのでした。当時、議員も役人も、建築物の高さを制限することは財産権の侵害に当たるなどとして、全く後ろ向きでした。それ故、この度の渋谷区の「建築物の絶対高さ制限」の施行には、隔世の感があります。そしてここに至るにあたっては、PTA連合会が組織を挙げて取り組んだ、あの運動抜きには考えられません。これから渋谷区が開かれた自治体として生まれ変わるためには、市民運動が定着することが重要であることは言うまでもありません。

渋谷オンブズマン代表 久保田正尚

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【主張】提訴に至った理由について(渋谷オンブズマン・堀切ねんじん)

 私たちは今年7月、区長車、議長車に関する経費について情報開示請求を渋谷区に対し求めてきました。請求内容に納得のいく結果が出ず、昨日東京地裁に対し、情報公開非開示決定取り消しの訴訟を起こすに至りました。
 情報公開請求によれば、渋谷区では月額平均40〜50万円のガソリン代の請求がある旨の開示結果が出て来ました。当初、区長車と議長車の請求額だと思いました。
 ところが、区長車と議長車に関して情報公開請求をしたにもかかわらず、渋谷区が開示したものは総務部が所有する公用車に関するものだけを出してきました。区長車と議長車に関する具体的なものは開示されませんでした。
 給油をしている店舗から、月ごとに総務部が所有している公用車全体の車両の請求が来て、総務部で支払うため一台ごとのガソリン代の詳細までは出さないというのです。公務の為に公用車を使用しながら、いつ、何リッター、どの車に入れたのかを区民に公表できないということは理解できるでしょうか。
 今回の提訴について、東京地裁がどのような判断をするのか、結論を待ちたいと思います(渋谷オンブズマン・堀切ねんじん)

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【主張】補助金の執行状況に明確な回答をせよ

渋谷区から補助金を受け取っている補助金受給団体が数多くある。しかし、昨年の渋谷区長選・同区議選で、同団体の幹部らは特定候補の選挙運動に特化して注力している様子が見受けられた。一連の行為が何らかの見返りを期待したものとは思いたくないが、少なくとも補助金の受給額に跳ね返ってきているのも否定できない。

 桑原敏武渋谷区長並びに、補助金受給団体は補助金の適正な使用方法に関して明確な説明するべきではないだろうか。

 そこで、渋谷オンブズマンでは、補助金団体の一つである町会連合会の会計帳簿と領収書に関して渋谷区に情報公開請求をしたが、9月12日、文書不存在であるとして非公開決定が出された。そのため、10月23日、異議申立てをするに至った。

▼異議申立ての理由

(神19年度、渋谷区町会連合会では渋谷区より150万円の補助金を受け取っている。

⊂綉の補助金の使用目的を調査する一環として本件情報公開請求をした。

これに対し、渋谷区は該当文書不存在の理由として「町会連合会の会計帳簿と添付領収書は町会連合会の管理する文書であり、渋谷区が管理する公文書ではない」としている。

い靴し、町会連合会の事務局は、区民部地域振興課内にあり、該当文書を実質的に管理している。

ゲ召法区民部地域振興課が該当文書を管理していないとしても、渋谷区は年間150万円もの補助金を出していることは間違いない。そのため、渋谷区自体が内容を把握するため、該当文書の写しの提出を求め、管理するのは当然のことだ。今からでも、渋谷区は町会連合会に対し、該当文書の写しの提出を求めたうえ公開するべきだ。

Ω文書は、渋谷区情報公開条例第2条の2において、以下の通りに定義されている。「実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が管理しているものをいう。本件の該当文書は、区民部地域振興課の職員が職務上作成し、又は取得した文書であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が管理しているものでなければならない。

Ь綉に述べたとおり、同文書を「公文書ではない」との理由で、非公開決定処分とするならば、もはや情報公開制度の趣旨は没却されるだろう。

 すなわち、本件処分は渋谷区情報公開条例第1条「この条例は、公文書の公開を請求する区民の権利を明らかにするとともに、公文書の公開等に関し必要な事項を定めることにより、区民の知る権利を保障するとともに、区が区政に関し区民に説明する責務を全うするようにし、もって公正で開かれた区政の進展を図ることを目的とする。」に違反する違法な決定処分である。(渋谷オンブズマン代表 久保田正尚)

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【主張】渋谷区よ!情報公開制度を理解して運用せよ

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現在、国や地方自治体に法律や条令に基づいた情報公開制度がある。行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)には、その第1条で「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。」と謳い、渋谷区情報公開条例の第1条でも「この条例は、公文書の公開を請求する区民の権利を明らかにするとともに、公文書の公開等に関し必要な事項を定めることにより、区民の知る権利を保障するとともに、区が区政に関し区民に説明する責務を全うするようにし、もって公正で開かれた区政の進展を図ることを目的とする。」と謳っている。

すなわち情報公開制度の目的は、行政の保有する公文書を公開することにより、国民や区民に対する説明責任を全うし、公正で開かれた民主的な行政の進展を図ることである。
しかし渋谷区では、情報公開制度の信頼性を揺るがす事件がおきている。文書不存在を理由とする非公開決定処分が、異議申立てをすると覆るという不可解な対応が続いていることである。
渋谷オンブズマンのメンバーが、神宮前小・ホライゾン学園の問題に関して、教育委員会に対して情報公開請求を行ったが、以下の2件の非公開決定処分が覆った。

1.平成18年9月29日付で、トルコ共和国大使から渋谷区長に宛てた、「ホライゾン学園」を紹介した手紙

2.平成18年12月11日付で、渋谷区長とトルコ共和国大使との間で、「国際交流のための神宮前書学校の施設提供について」とりかわした文書


以上2件の文書は、ホライゾン学園事件を解明するための重要な文書(写真参照)であり、公開するのは当然のことであるが、最初は文書不存在としたものが、詰め寄られると一転して公開するようでは、渋谷区教育委員会の対応はお粗末だと言わざるを得ない。そして、このようなことが続けば、渋谷区の情報公開制度に対する信頼性は、ますます損なわれることになるであろう。
(渋谷オンブズマン 代表 久保田正尚)


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