スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【速報】渋谷区議・小柳政也の当選無効が確定

東京都選挙管理委員会は、昨年実施された渋谷区議会選挙で最下位当選した小柳政也(みんなの党)に投票された1票が無効であるとして、同議員を当選無効としていた。
小柳議員は、都選管の当選無効の取消を求めて提訴していたが、昨日(30日)、最高裁が同議員の訴えを退け、同議員の当選無効が確定した。
概ね1週間後に、次点の松岡定俊候補者(自民党)と抽選によって、改めて当選を決めることになる。
スポンサーサイト

【情報公開】原宿団地に関する公文書の一部非公開決定処分取消訴訟

渋谷オンブズマンの本間久雄弁護士は、渋谷区神宮前3丁目の原宿団地再開発に関する公文書を情報公開請求したところ、一部非公開決定処分となったので、東京都に対して異議申立を提出して、処分の取消を求めていたが棄却となった。
それを受けて、3月28日に、東京地裁に処分の取消を求めて提訴した。
異議申立の結果を待ってからの訴訟は時間がかかるが、異議申立によって実施機関(行政庁)の主張内容が明確になり、予め訴訟における論点を絞れるメリットがある。
以下、訴状である。請求原因が詳述されている準備書面は、後日、紹介する。


第1 請求の趣旨
1 東京都知事が、原告に対して平成22年10月18日付けでした東京都情報公開条例に基づく処分(22都市住マ第249号)のうち、訴状別紙文書マーカー部分に係る公文書非開示決定処分を取り消す。
2 訴訟費用は、被告の負担とする。
との判決を求める。

第2 請求の原因
1 原告の地位
原告は、東京都渋谷区神宮前に居住している者であり、東京都情報公開条例(以下、「本件条例」という。)5条1号の「都の区域内に住所を有する者」として本件条例による公文書の開示を請求することができる。
2 本件開示請求
原告は、平成22年8月19日、東京都知事に対して、「原宿住宅マンション建替組合認可において、東京都に、申請者から提出された書類一切」について、本件条例による開示の請求をした(以下、「本件開示請求」と言う。)。
3 本件処分等
東京都知事は、平成22年10月18日、原告の本件開示請求に対して、公文書一部開示決定を行った。前記一部開示決定のうち、東京都知事は、訴状別紙文書(以下、「本件文書」という。)のマーカー部分について、本件条例7条2号(個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)で特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。)に該当するとして、非開示とした(以下、この非開示決定について、「本件決定」という。)。
原告は、東京都知事が、本件文書のマーカー部分を非開示としたことに納得がいかず、平成22年12月9日、東京都知事に対し異議申立てを行ったものの、平成24年3月27日、東京都情報公開審査会より東京都知事の本件決定は妥当である旨の答申が出された。そのため、原告は、本件提訴に及んだ次第である。
4 むすび
本件決定は、本件文書が本件条例7条2号に該当するとした点において違法であるから、原告は本件条例による情報公開請求権に基づき、その取消しを求める。

以 上

証 拠 方 法
必要に応じて、追って提出する。

附 属 書 類
1 訴状副本  1通

【監査請求】放課後クラブ補助金返還請求は棄却

渋谷オンブズマンは、東京都が渋谷区教育委員会に対して支出した、放課後クラブの補助金に違法があったとして住民監査請求を提出していた。
その請求の趣旨は、「東京は、小野ヒサ子、大高満範喜彦、山本正旺、福田博多及び池山世津子に対し、連帯して、平成22年度東京都放課後子供教室推進事業費等補助金、3425万3000円を返還させるための必要な措置を講ぜよ。」というものである。
渋谷区教育委員会が都に提出した本件補助金に関する報告書に、計算ミス等、合計8ケ所の間違いがあった。
又、補助金の一部を、目的外の違法支出をしている疑いもあった。
しかし東京都は、計算ミス等の数字の間違えは、その後訂正され、実際の支出は正確である。目的外支出は、適正に予算の組み替えがなされた後の支出であって問題はないとして、請求を棄却した。

住民監査請求は棄却されたものの、東京都放課後子供教室推進事業費等補助金の仕組みが明らかになり、何よりもダンボール数箱分の資料を押収された渋谷区教委に「カツ」が入ったことが収穫であった。

【おやじ日本】おやじ日本理事長・竹花豊を証人尋問か?!

おやじ日本事件は、いよいよ本案審理も進み、被告・渋谷区が「NPO法人おやじ日本には、勤労福祉会館に主たる事務所を開設させていながら、部屋を占有させていなかった」などと主張しているため、裁判所が証人尋問を採用する可能性が高くなってきた。
NPO法人おやじ日本の竹花豊理事長(元・警察官僚、元・東京都副知事)の証人尋問が採用される可能性も出てきた。
尋問事項は、以下のようなことが予想される。

1 証人と被告,及びおやじ日本との関係
2 証人と渋谷区との関係
3 証人とおやじ日本との関係
4 渋谷区の青少年関連事業とおやじ日本との関係
5 証人及びおやじ日本が渋谷区の施設を利用するに至ったきっかけ,経緯について
6 おやじ日本の活動内容とそれを渋谷区の施設内で行うに至った経緯
7 おやじ日本の活動はいつからどのように行われてきたか,その活動が拡大した時期,拡大の実情,その拡大状況とおやじ日本の法人化の経緯との関係,渋谷区の施設の使用態様,使用形式の変化との関係について
8 おやじ日本が,平成18年7月23日,平成21年11月1日,平成23年4月1日のそれぞれの時点以降,渋谷区内の施設で行っていた活動内容と活動場所,且つ同方法,施設管理の方法について
6 おやじ日本の他の事業所の活動場所について 各場所の使用方法,使用料はどのようになっているか おやじ日本の財政の中で,その費用はどのように捻出されているか 渋谷区の場合はどうか
7 証人が,おやじ日本が,渋谷区から,平成21年11月1日に企画部長,区民部長らが公的使用許可をおやじ日本に発して勤労福祉会館の一室を使用させるに付いて,どのような報告を渋谷区に行い,それに対して,渋谷区の誰から,どのような指示,監督を受けたか,それはなぜか
9 証人は,おやじ日本が,平成23年4月1日付行政財産使用許可を受けた際,誰に対し,どのような報告をなし,どのような指示,監督を受けたか
10 その他上記に関連する一切の事項

【区政全般】市民の味方か行政の手先か??

各地域には、町ボスと呼ばれる人達がいる。区や警察関係の諸団体の代表、世話役等を喜々として務め、○○町会長、☆☆商店会理事長、◇◇防犯協会会長の肩書きを、とても誇らしげに名刺に印刷している。
行政は、この町ボスたちを実に上手に利用している。
地域の意見集約が必要な場合、●●協議会等を設置して、そこへの参加者は、町会長、商店会長に限るという手法がよく取られる。
町会長の連名で、要望書が行政へ提出され、それをもって地域の意見であるとする乱暴な手法もある。
情報を町会長及び町会幹部で止めてしまい、一般区民への周知は後回しにする場合もある。
地域の合意が必要な町づくりでは、特にこの手法によることが多い。

行政は、町ボス達の御機嫌をあの手この手で取り、町ボスたちは行政から特別扱いされることによって、自分達を特別な人間であると錯覚してしまうのである。
一般区民も地域の出来事や区政に無関心であってはならない。

【国賠訴訟】渋谷区が控訴審で時間稼ぎか?

「しぶや区ニュース」の区長コラムの記述に関して、有限会社ほっとタイムズ社は渋谷区に対して名誉毀損であるとして、国賠訴訟を提訴していたが、東京地裁において平成24年12月9日判決言い渡しがあり、請求が一部認容されて、渋谷区に謝罪広告の掲載が命じられた。

裁判所が命じた謝罪広告の内容は以下の通りである。
平成23年3月1日付しぶや区ニュース1196号の「お元気ですか、区長です」というコラムにおいて、有限会社ほっとタイムズ社発行の「ジャストタイムズ渋谷」があたかも特定の区長候補と結託しているかのような不適切な記述がなされていました。ここに上記コラムを取り消すとともに、有限会社ほっとタイムズ社発行に対し、多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします。

渋谷区は、この判決を不服として控訴したが、5月15日に第二回口頭弁論(一回で終わるはずだったのが、渋谷区が一回引き延ばした)が結審、6月21日13時15分から判決言い渡しの予定である。


img461.jpg
                 問題の区長コラム



【情報公開】情報公開請求を考える

渋谷区議会では、議会内の申し合わせ等によって、議員の情報公開請求を規制しようとする動きがある。
「議員には調査権があるから、情報公開請求は控えるべきだ」「情報公開請求する場合は、議長への届け出制にしよう」等、笑止千万な議論が漏れ伝わってくる。
しかし、渋谷オンブズマンは、「役人は都合の悪い情報は隠す」「役人の出す情報は本当であるとは限らない」「裁判までやって、やっと出てくる情報もある」ということを経験則で知っている。
それ故、法律、条例で制定された情報公開請求こそが重要な情報収集手段であり、そこで疑義が生じた場合は、異議申立、取消訴訟の訴えることができるのである。
更に情報公開請求権が、公務員の故意又は重大なる過失によって侵害された場合は、国賠訴訟に訴えることもできる。
渋谷区のような特異な自治体は、それくらいのことをしなければ、きちんと情報公開をしないのである。

【投書】二人の副区長よ、しっかりしろ!

渋谷区には、古川満久と水村信行の二人の副区長がいて、ご老体の桑原敏武区長を補佐している。
昨今、桑原区長は老化が著しく、記憶力の減退著しく、耳も遠く、下からの報告は十分に理解できない。更に、思ったことを頭の中で整理して話す能力が減退しているので、先日、本ブログで紹介した「スカイツリーから見た景色がみすぼらしい」といった類の発言が頻発するのである。
そして副区長二人は、桑原区長がその場その場で、ただつぶやいただけの事まで、100%実現しようとするから、恐ろしくゆがんだ指示が次々と出されるのである。副区長二人は、いったい何の為にいるのだろう。
渋谷区の組織の疲弊と行政意思決定の劣化は極まったと言えるだろう。

以上は、内部からの投書である。


kuwat1.jpg
                桑原区長

fuku1.jpg
              古川副区長

fuku2.jpg
                水村副区長

【区政全般】職員の非違行為

前年度、渋谷オンブズマンには、幹部職員のパワハラに関する告発が複数件あったため、職員の非違行為に関する文書を情報公開請求して調査をした。
部分公開された文書によれば(個人情報等は被覆されている)、平成22年9月15日に渋谷区長から訓告を受けた部長級職員がいる。
「参事●●、不適切な言動は、公務員としての自覚に欠けるものであり、区及び職員の品位を傷つけ、職全体の不名誉を招くものであり、誠に遺憾である。よって、これを厳に、訓告する。」
とあるが、職務熱心のあまりに及んだものであり、また、二度にわたって相手方に謝罪し、十分に反省の態度を示し、相手方も謝罪を受け入れているとして、訓告に止めている。

渋谷オンブズマンには、退職して関連会社へ再就職した元部長と現職の幹部職員の2人に対する告発が多かった。

【区政全般】区長が遅れたら始まらないよ

5月20日(日)は、区内各地で式典・催し物等が開催されたので、区長、区議会議員はそれらに出席、挨拶をするためのに大忙しの一日であった。
午前10:30から、西原の認定こども園「リトルパンプキン」の開園式があったが、桑原区長及び文教委員の丸山区議、下嶋区議は約20分遅刻したので、待たされた会場の参加者を顰蹙させていた。
同時刻、少年野球大会の開会式があったとの情報もあるが、そうだとすれば、どちらが優先順位が高いのであろうか。
尚、前田区議会議長は定刻に「リトルパンプキン」に居たそうである。

【区長交際費】区長交際費の情報公開

定例区議会の本会議で、区長交際費に関して質問をした議員がいた。「他区では、区長交際費をインターネット等で積極的に公開しているところもある。渋谷区もそうするつもりはないのか?」という趣旨であった。
これに対する桑原区長の答弁は、我が耳を疑うもので、「あなただけではなく、区民からに要望なら考える」と、区民の代表である議員に対して言い放った。
その議員が、区長交際費及びその他の区長に直接かかわる支出の詳細を情報公開請求したとすれば、その原因は区長にある。自ら積極的に情報公開をしないから、情報公開請求をされることになるのである。
渋谷区には、これに類似した事情が多々あるにもかかわらず、桑原区長は議員の情報公開請求を自粛するように区議会議長に申し入れている。
桑原区長の精神構造はどうなっているのだろう。老化が進んで、正常な思考ができなくなっているのであろうか。

【原宿団地】近隣の擁壁工事に法外な価格を提示?

渋谷区神宮前3丁目の原宿団地の再開発工事に関して、以下のような情報が渋谷オンブズマンに寄せられた。

再開発地と隣接地との間にある擁壁の工事において、再開発業者側が、狭隘地における擁壁工事は、重機が利用できず人力によらざるを得ないので、工事費が割高になると説明して工事を行った。
ところが実際には、重機を利用しての工事であったにもかかわらず、割高の工事費をそのまま請求して、隣接地住民はそれを支払ってしまった。住民は他社に照会したところ、半分以下の工事費でできると言われた。

住民は法的措置を視野に入れて、工事費の一部を返還請求するようである。

【区議会】予測不能の1年間だった

渋谷区議会の中堅議員が、「この1年間は何が起きるかわからない、予測不能の1年間だった。前の4年間とは全く違う区議会になってしまった。」と語っていたことがわかった。
これは、純粋無所属の会の2人の新人(堀切、笹本)によるものであると推測されるが、特に堀切議員に対しては、桑原区長の与党会派が、事ある毎によってたかって、押さえ込もうとしているが、彼は決して屈しなかった。

区議会内の事前調和に応じない2人の新人議員こそ、渋谷区行政に対して、本当の意味での監視ができるのである。
すぐに「行政との信頼関係」を持ち出す渋谷区議会内の大多数の議員には、行政の監視は期待できない。

頑張れ、純粋無所属の会!!

【区議会】またもや情報公開と個人視察を規制する動きか?

渋谷区議会では、またもや区議会議員の情報公開と区施設の個人視察を議長への届出制にして、規制しようとする動きがあるようだ。
本ブログで度々紹介しているように、これまで桑原区長は情報公開で苦汁を飲まされ続け、本町学園では隠し続けていた工事の遅れを暴露された。
そこで桑原区長は与党会派に対して区議会議員による情報公開と区施設の個人視察の自粛を申し入れ、桑原区長の下僕の如き与党会派は、行政のチェック機関であるという議会の使命を忘却し、区長に迎合しようとしているのである。
仮に幹事長会で多数決で申し合わせができたとしても、従う必要はない。情報公開請求権は、憲法で保障された基本的人権を根拠とする、全ての区民に保障された権利で、議会の多数決による規制は馴染まない。
議員の個人視察を議長への届出制にするなどバカバカしい。

渋谷区議会議長・前田和茂よ、しっかりしろ!

mae1.jpg
               渋谷区議会議長・前田和茂

kuwat1.jpg
           渋谷区長・桑原敏武

【日赤環境訴訟】広尾日赤の環境行政訴訟の影響

5月15日(火)、広尾日赤の再開発の違法性を追及する行政訴訟の口頭弁論が東京地裁で開かれた。

原告側は、準備書面(51)を提出して、補助7号線との関係から、当該開発行為は明らかに「区画の変更」を伴うので開発許可が必要であり、それがなされなかったことは違法・脱法行為であると主張した。

裁判所は、原告側に対して、現在の原告の居住地を明らかにして、改めて原告適格を主張するように促した。

本件行政訴訟の影響は大きく、各自治体では、開発許可を怠ると訴訟を起こされる可能性があるので、開発業者に対しての指導が厳しくなっているようである。

【ホライゾン学園】渋谷区長・桑原敏武らを証人尋問申請

神宮前国際交流学級(ホライゾン学園)事件住民訴訟において、原告側は、渋谷区長・桑原敏武、渋谷区教育委員会教育長・池山世津子、同前教育委員長・大高満範、神宮前国際交流学級校長・ウル・ケナン氏の証人尋問を申請している。
尋問事項は以下の通りである。


証拠申出書(1)により原告申請の人証に対する尋問事項は以下のとおりである。

1 証人 桑原敏武氏
(1)渋谷区が「在日トルコ人を中心とする子供たちの学習の場として渋谷区の公共施設を提供」することになったのは、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館からの依頼によるものか。   
(2)渋谷区が公共施設を提供する「在日トルコ人を中心とする子供たちの学習の場」とはいかなる意味か。
(3)神宮前小学校の施設を提供することを決めた時期とその理由
(4)教育委員会に対し、神宮前小学校の施設を提供することが可能かどうかを検討するよう指示した時期とその経緯
(5)神宮前国際交流学級が設立されることになった経緯
(6)神宮前国際交流学級にて行われる教育内容について、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館から具体的な依頼を受けたことはあるか。
(7)神宮前国際交流学級の設立にあたり、その詳細を学校法人ホライゾン学園との間で取決めたのは誰か。
(8)神宮前小学校の工事内容決定の経緯
(9)神宮前国際交流学級の運営を学校法人ホライゾン学園に委託したのは誰か。
(10)神宮前国際交流学級の設立および運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と学校法人ホライゾン学園はいかなる関係にあったか。
(11)学校法人ホライゾン学園に対する神宮前小学校施設の提供を無償とした理由
(12)神宮前国際交流学級の運営を国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級に委託したのは誰か。
(13)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級の設立に関与をしていたか。
(14)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級による神宮前国際交流学級の運営に関与していたか。
(15)神宮前国際交流学級の運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級はいかなる関係にあったか。
(16)国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級に対する神宮前小学校施設の提供を無償とした理由
(17)その他関連事項

2 証人 池山世津子氏
(1)神宮前国際交流学級の設立及び運営に教育委員会教育長としていかなる関与をしたか。
(2)渋谷区長から教育委員会に対し、神宮前小学校の施設を提供することが可能かどうかを検討するよう指示された時期とその経緯
(3)神宮前国際交流学級が設立された経緯
(4)神宮前国際交流学級を学校法人ホライゾン学園が運営することになった経緯
(5)神宮前国際交流学級にて行われる教育内容を取決めた経緯
(6)神宮前国際交流学級の運営を学校法人ホライゾン学園に委託したのは誰か。
(7)神宮前国際交流学級の設立および運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と学校法人ホライゾン学園はいかなる関係にあったか。
(8)学校法人ホライゾン学園に対する神宮前小学校施設の提供を無償とした理由
(9)学校法人ホライゾン学園が神宮前国際交流学級の運営から手を引いた経緯
(10)神宮前国際交流学級の運営を国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級に委託したのは誰か。
(11)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級の設立に関与をしていたか。
(12)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級による神宮前国際交流学級の運営に関与をしていたか。
(13)神宮前国際交流学級の運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級はいかなる関係にあったか。
(14)国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級に対する神宮前小学校施設の提供を無償とした理由
(15)その他関連事項

3 証人 大高満範氏
(1)神宮前国際交流学級の設立及び運営に教育委員会委員長としていかなる関与をしたか。
(2)神宮前国際交流学級が設立された経緯
(3)神宮前国際交流学級を学校法人ホライゾン学園が運営することになった経緯
(4)神宮前国際交流学級にて行われる教育内容を取決めた経緯
(5)神宮前国際交流学級の運営を学校法人ホライゾン学園に委託したのは誰か。
(6)神宮前国際交流学級の設立および運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と学校法人ホライゾン学園はいかなる関係にあったか。
(7)学校法人ホライゾン学園に対する神宮前小学校施設の提供を無償とした理由
(8)学校法人ホライゾン学園が神宮前国際交流学級の運営から手を引いた経緯
(9)神宮前国際交流学級の運営を国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級に委託したのは誰か。
(10)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級の設立に関与をしていたか。
(11)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級による神宮前国際交流学級の運営に何らかの関与をしていたか。
(12)神宮前国際交流学級の運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級はいかなる関係にあったか。
(13)国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級に対する神宮前小学校施設の提供を無償とした理由
(14)その他関連事項

4 証人 ウル・ケナン氏       
(1)学校法人ホライゾン学園は、神宮前国際交流学級の設立に何らかの関与をしていたか。
(2)神宮前国際交流学級の設立にあたり、その詳細を学校法人ホライゾン学園との間で取決めたのは誰か。
(3)学校法人ホライゾン学園が神宮前国際交流学級を運営することになった理由と経緯
(4)トルコ共和国の公教育の内容とケマリズムに基づく教育方針
(5)神宮前国際交流学級の教育内容
(6)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、神宮前国際交流学級の設立及び運営に関与をしていたか。
(7)渋谷区あるいは渋谷区長は、神宮前国際交流学級の設立及び運営に関与をしていたか。
(8)神宮前国際交流学級の設立および運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と学校法人ホライゾン学園はいかなる関係にあったか。
(9)学校法人ホライゾン学園が神宮前国際交流学級の運営から手を引いた理由と経緯
(10)神宮前国際交流学級の運営を国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級に委託したのは誰か。
(11)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級の設立に関与をしていたか。
(12)トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館は、国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級による神宮前国際交流学級の運営に関与をしていたか。
(13)神宮前国際交流学級の運営にあたり、トルコ共和国あるいはトルコ共和国大使館と国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級はいかなる関係にあったか。
(14)神宮前国際交流学級の運営にあたり、学校法人ホライゾン学園と国際交流学級設立準備会あるいは特定非営利活動法人国際交流学級はいかなる関係にあったか。
(15)その他関連事項

5 原告 久保田正尚氏
(1)渋谷区が学校法人ホライゾン学園に対し、神宮前小学校施設の一部を無償使用させている事実を原告らが知った時期とその経緯
(2)渋谷区が神宮前小学校施設を学校法人ホライゾン学園に使用させるために必要な整備工事を神宮前小学校の施設工事整備費を支出して行った事実を原告らが知った時期とその経緯
(3)神宮前国際交流学級は学校法人ホライゾン学園が経営するインターナショナルスクールであるとの実態
(4)神宮前国際交流学級が神宮前小学校の児童、保護者及び地域住民に与える影響
(5)その他関連事項
          

【おやじ日本】原告団長の陳述書

5月11日(金)11時より、東京地裁民事2部に継続中の「おやじ日本事件」の弁論準備手続きが行われた。被告・渋谷区は、相変わらず、住民訴訟の要件を満たしていない不適法な訴訟であるから却下すべきだと本案前の主張をしてきた。
一方、原告側は以下の陳述書を提出して、渋谷区の欺瞞性を追及した。

陳 述 書

久 保 田  正 尚 

1(渋谷区との関係)
私は,渋谷区内に生れて,家族と共にずっと居住している者です。私は,従前から住民として渋谷区政には重大な関心を抱いており,住民主体の行政,住民の福祉を図る行政が実現されるよう,永年,住民の立場から行政のあり方について言うべき事は積極的に発言してきましたし,行政運営について,平成20年3月頃から渋谷区で行政監視活動を行ういわゆる市民オンブズマンとしての立場で,これを監視,チェックしていくために,渋谷区オンブズマンを組織して,継続的に活動を続けている者です。

2(渋谷区の違法な行政財産の管理の実態)
渋谷区は,私のこれまでの活動から判っただけで,以下の通り,複数の行政財産が特定非営利活動法人(NPO法人)に無償で便宜供与されていることが問題となって来ており,いずれも御庁民事2部に住民訴訟で係争中となっています。
時系列に沿って挙げると以下の通りとなります。
①渋谷区立神宮前小学校の空き教室を,NPO法人国際交流学級に無償使用させ,インターナショナルスクールを経営させている事件(以下「神宮前国際交流学級事件」といいます。)(平成20年(行ウ)第561号他)。
②渋谷区立勤労福祉会館の二階の一部を,NPO法人おやじ日本に無償使用させ,主たる事務所を開設させていた事件(以下「おやじ日本事件」という)(平成22年(行ウ)第278号)。これが正に本件です。
③渋谷区役所神南分庁舎の三階の一部を,(株)渋谷サービス公社がNPO法人シブヤ大学に無断転貸して,主たる事務所を開設させていたことを,渋谷区が黙過していた事件(以下「シブヤ大学事件」といいます。)(平成23年(行ウ)第706号)。
 
3 本件住民監査請求提出にいたるまでの経緯
⑴ 本件発覚のきっかけ
上記の「神宮前国際交流学級事件」は,平成19年5月1日から開始されましたが,平成18年秋頃より,神宮前小学校保護者の中から反対の声が上がり,渋谷区議会内でも議論され,渋谷区内では有名な事件でした。しかし,この件についての反対の声は,当初,主に神宮前小学校の教育環境の変化を心配するもので,行政財産の違法管理という財務会計上の行為に着目したものではありませんでした。私達が,神宮前国際交流学級事件の財務会計上の違法性に着目して,住民監査請求を提出したのは,平成20年6月30日のことです。
その後,平成21年の夏前だと記憶していますが,神宮前国際交流学級事件の原告の一人であるO氏から「勤労福祉会館の中に入っている『おやじ日本』も区の職員でもないのに区の施設を使っていて何だかおかしい」という情報を得て,私自身やオンブズマンの仲間が,おやじ日本の渋谷区内での動向について注目するようになり,同年秋頃より,情報公開請求,現場視察,原告の募集等の活動を始めたのです。
⑵「おやじ日本の使用実態」
正確な日時は記憶していませんが,平成22年1月~2月頃,私どもは,おやじ日本事務所の電話番号を調べて,そこに電話をした上で,同事務所を訪れました。同事務所は,勤労福祉会館内に,それまで全くなかった閉鎖スペースが会議室の真ん中に出来ていて,丸々一式が区切られて部屋のようになっているところに常設の形で存在していました。そこに,「おやじ日本」という団体が専用して使用している事務室があり,しかもその事務所は見た目にも真新しい感じがしたことから,初めて,その会議室の改装工事や引いてはおやじ日本そのものの存在について不審に思ったのです。
その日は平日の午後でしたが,事務所には女性事務員1人が常駐して居て,ドアを開けてくれ,おやじ日本のニュースレター等の資料を貰うことができました。そのときは,事務所の中央には,楕円形の大きなテーブルがあり,資料や書籍を整理する棚があったことを記憶しています。
しかも,部屋内にはおやじ日本専用の電話・FAXが引かれ,理事会・役員会がそこで定期的に開催され,パソコン・書類・図書等の備品が置かれ,常設の女性職員がそこに在中して,そのおやじ日本の職員が普通に部屋の開閉を管理していたのです。そのとき,私は事務所の内部の写真撮影は出来ませんでしたが,入り口の「おやじ日本」と大きく書かれた表札は写真撮影しておきました。
⑶(違法行為発覚の経緯)
その後,私が直ぐに渋谷区商工観光課の松本氏に電話で,一体どうしてこのような形になったのか,そこを誰がどうして使っているのか,どうしてそのために改修工事などをしたのかなどについて尋ねたところ,平成20年度決算事項別明細書(乙3)を見れば判りますよ,と言われたので,それを探して見たところ,意味がよく分からなかったので,直ぐに平成22年2月5日に情報公開請求をして,それに基づいて初めて本件改修工事の存在と改修費用の額などの具体的内容と問題点を知るに至ったのです。言われるままに乙3の書類だけを見ただけではその意味は全然判りませんでしたし,また,おやじ日本が使用している実際の現場を見ていなければ,乙3も,その後の情報開示請求した書類を見てもよくその意味は判らなかったと思います。
そして,私たちは,そのおやじ日本が使用しているスペースについての区の支出行為の有無とその工事金額を知ってからわずか18日でもって住民監査請求を行ったのです。
⑷(その後の調査の経緯)
渋谷区らは,本件改修工事費用の支出行為が行われたのが平成20年10月14日であるから,すでに行為のあった日から1年を経過した平成22年2月23日になされた住民監査請求は不適法で本件訴訟も不適法だとか,遅くとも平成20年度決算事項別明細書(乙3号証)が一般の閲覧に供された平成21年10月30日には本件改修工事について知ることができたから,そこから4ヶ月を経過してなされた住民監査請求は,正当な理由がないなどと言っているようです。しかし,乙3号証の決算事項別明細書には勤労福祉会館にかかる経費として「(3)各所改修工事」と記載されているだけであり,これでは一体なんのためのどのような改修工事が行われるのかを疑問に思うことすら出来ません。ましてや,本件のような部外者であるおやじ日本が使用する事務室とするための改修工事が行われるものか,などは全く知り得ないのですから,そもそも,このような記載では,一般住民にとって一体何が問題となるのか自体知ることも出来ないのです。
渋谷区らは,平成20年度決算別明細書(乙3号証)のほかに,平成20年度会計予算説明書(乙2号証)や予算委員会議事録(乙4号証)や予算特別委員会議事録(乙5号証)などをみれば,住民が本件改修工事について知ることが出来たことの根拠として挙げてもいます。しかし,それらの資料での記載においても,やはり,「勤労福祉会館2階会議室の改修」と書かれているだけであり,やはりそこから本件改修工事の存在やその問題点を知ることなど到底出来ません。特に乙5号証の予算特別委員会議事録では,大向地区の区民会館等の改築予定に伴い,その間の代替的な「会議スペースコーナー」を設けることが目的である旨記載されており,「事務室」が作られることなどは全く説明されていません。このような記載からは,本件使用部分のような,「事務室」を作るための改修工事であることが認識できないのはもちろんであり,ましてや,それがおやじ日本などいう私的団体の用に供するものとして改修されることなど全く示されていないのですから,そのことについて当時認識出来るはずはありません。
それどころか,予算特別委員会議事録(乙5)においては,本件改修工事を行って事務室を作り,それをおやじ日本に対して使用させるという目的などはみじんも説明されていないのですから,却って,当該改修は公的施設である他地区の区民会館改築に伴う代替会議スペースを作るための改修であるとの虚偽の説明がなされていたことになります。ですから,当時この議事録を仮に住民が見ても,この工事が私的団体であるおやじ日本に使用させるためのものであるとの認識は全く得られないものであったことを渋谷区が自認するようなものだと思います。
   
そもそも,住民が区の当該行為の存在を知ることが出来たとしても,当該行為が違法不当であることを知り得なければ,監査請求をなすことを住民に期待することは出来ないのですから,監査請求などすることは不可能なのです。
ですから,住民は,この支出行為が私的団体に過ぎない訴外おやじ日本に対して,行政財産である勤労福祉会館の一部を違法に使用させるため,被告が従来の会議室を「事務所」に改修工事を行って多額の費用を支出するものであるという,事実を知ることが出来なければ,それは,「客観的に見て監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在または内容を知る」ことが出来たとは言えないはずです。
なお,一般に「相当な期間」がどの程度であるかは,事案によって異なり得ることであり一概には言えないとされているようですが,一般的には一ヶ月ないし二ヶ月程度が目安といわれているようですから,十二分に相当な期間内の請求であったと言えると思います。
また,被告は,元々このスペースが大向地区の区民会館等の改築予定に伴い,その間の代替的な「会議スペースコーナー」を設けることのための工事であったから,それを転用しただけで,改修工事自体はおやじ日本のためになされたものではない,というようです。しかし,大向地区の区民会館の代替施設として平成20年10月14日に工事して,その直後である平成20年11月1日にはもうおやじ日本に「会議スペースコーナー」でなく,「事務室」となった本件場所の使用を開始しているのですから,あまりに話が出来すぎていると思います。被告は「急速、取得した渋谷区松溝の国有地に大向区民会館を移設することとなったため、上記改修工事によって作られた多目的室が、当初の目的を当面失い、空いた状態になっていました。」などと都合のいい説明をしていますが,丁度工事を終えた時期に,「たまたま」そのスペースを利用したいと「平成20年10月ごろ」「おやじ日本と連携・協力して事業展開することとし、委託協定を結び、区の施設において、おやじ日本に事業遂行してもらおうと思っている。ついては、勤労福祉会館の一部を企画部に公用使用許可で使用させてほしい」という話しが出てきた,というのであるから,出来すぎた話しとしか思えません。それならば,大向区区民会館設置のために二重に区の予算を使ったということですし,空いたスペースが出来たのであればそれは区自身の活動のために有効に活用するなり,ちゃんと費用を徴収して,区民の財産を浪費することのないようしっかりと活用する,というのが筋なのではないでしょうか。
⑸(登記・定款の内容)
その後,私はおやじ日本の法人の登記,定款なども調べましたが,おやじ日本の定款の第2条には,「この法人は,主たる事務所を東京都渋谷区神南1丁目19番8号 渋谷区立勤労福祉会館2階に置く。」とあり,法人登記簿にも同様に記載されていましたので,社会的実態としては,勤労福祉会館という区の施設内に全くの第三者団体・会社のようなものが普通に事務所を借りて運営しているものと全く区別がつかない状況だったことは明らかです。もちろん,そのように登記されたのは平成21年2月だというのですから,被告らが,おやじ日本には勤労福祉会館の一室に占有がないと言っているときからそのようになっていたわけですし,占有があると言い出した段階でも,登記などの上でも全く変更はなかったのですから,いかに被告らの弁明が実態に反しているか判るとおもいます。

4(おやじ日本の使用実態等の推移)
さらに,その調査によれば,渋谷区は,おやじ日本に対して,平成18年7月23日から平成20年10月31日までの間は,渋谷区役所の地下駐車場内の一室を無償使用させており,そのときには「行政財産使用許可」を取っていたという事実が明らかになりました。ところが平成20年11月1日からは,おやじ日本は,所在場所を勤労福祉会館に移動することになり,そのときは「行政財産使用許可」を取らず,「公用使用許可」という手続で使用するようになっていた事実が明らかになったのです。なぜ,区がこのような不自然な変更をしたのかの理由は不明という他ありませんが,丁度,その移転に先立つ平成20年6月30日に,神宮前国際交流学級事件について住民から住民監査請求がなされ,引き続いて住民訴訟を提訴していていますので,おやじ日本に行政財産を無償使用させるに際しては,行政財産使用許可処分の取消を争われないようにと考えたとしか合理的に説明がつきません。
それだけでなく,渋谷区は,全く状況は変わっていないのに,今度は平成22年2月23日に至って,おやじ日本の区施設の使用について住民監査請求をしたところ,その後間もなく,公的使用許可による使用を止め,新たに再び,平成22年4月1日からの「行政財産使用許可」によって同じ場所をそのまま利用するようになったのです。おやじ日本の勤労福祉会館での使用実態はその前後を通じて全く変わっていません。おやじ日本の活動の内容も,その前後を通じて大きく変わることは全くないはずです。
被告は,おやじ日本が勤労福祉会館を使用する根拠が公的使用許可から行政財産使用許可に変わった理由について,「おやじ日本が、特定非営利活動法人として認証を受け、安定した運営を行うようになってきたことからおやじ日本の活動領域が広がったから」などとして,「全国での活動会員数が急激に増加し、理事会や法人運営に係る会議が定期的に行われ、全国各地でのおやじ日本の活動に賛同する団体の設立、設立準備への助言、協力をする筈、平成22年度を通し、おやじ日本の活動は、拡大しておりました。」と称しています。しかし,おやじ日本の活動はその前後で大きく変わったという事実はありませんし(会員数が急激に増加したというのであれば会員数の推移のデータぐらいは出して欲しいものです。),活動領域が広がったとしたそれよりもっと前の段階で既に広がっていたのですから,そもそも平成21年11月の段階で行政財産使用許可処分を取らなかった理由が不明です。
被告は,あたかも,おやじ日本が特定非営利法人となったから活動領域が拡大したかのようにも読める説明をしていますが,実際には,まだ,公的使用許可に基づいて勤労福祉会館の使用を始めた平成21年11月1日の直後である平成22年2月には既におやじ日本は特定非営利法人化しているのであり,活動領域の拡大と法人化はまったく無関係であることは明らかです。その後も長らくおやじ日本は同所を「占有」していないことになったまま平成22年3月に至っており,ただ平成22年4月に至って,本件訴訟に先立つ行政不服審査申立があった平成22年2月23日以後に至って,なぜか突如慌てて行政財産使用許可(平成22年4月1日)を行い,被告の言に拠れば,突如としておやじ日本が同所の占有をすることになった,というのであり,正にご都合主義の極みといわざるを得ません。
被告はさらに,平成22年4月まではおやじ日本の活動領域は広くなかった,としながら,それよりはるか以前の段階である平成20年11月1日までの段階ではやはり行政財産使用許可処分を取っておやじ日本が渋谷区の施設を利用させていたのですから,二重の意味で矛盾した弁明ですし,事実の指摘について渋谷区はこれまで全く反論が出来ていないのです。
そればかりか,渋谷区は,平成20年11月1日から平成22年4月1日までのおやじ日本の勤労福祉会館での使用と,平成22年4月1日以降の同使用について,「公用使用許可の手続に従っている以上、占有していたのは渋谷区企画部企画財政課であって、おやじ日本が本件使用部分を排他的に占有していた事実はありません」「なぜなら、この間、本件使用部分の鍵は、企画財政課が区民部商工観光課から預かり、おやじ日本関係者が平日はほぼ毎日出入りすることを考慮して、区民部の許可を得て鍵の一部をおやじ日本関係者に預けていましたが、おやじ日本関係者が、当該鍵で開錠及び施錠をする際には、毎日の使用開始時及び使用終了時に、勤労福祉会館受付にその旨を申し出るように伝えており、実際におやじ日本はそのようにしていました」「おやじ日本は、原則として平日の午前10時から午後4時まで本件使用部分を使用しており、これは、渋谷区役所の執務時間内に限られています。」などともいって,おやじ日本が平成21年11月1日から22年3月31日まで本件場所を使用していたことはおやじ日本の占有支配ではない,などと強弁しています。
しかし,普通のテナントスペースなどで,賃料を払って賃貸している店舗だってテナントビルの空いている時間だけ,ビルの管理者に預けてある鍵を一々渡してもらって出入りするだけなどというのは普通にあり,そんなことが占有支配の有無に関係があるはずがありません。却って被告は,当時おやじ日本の関係者が「平日はほぼ毎日出入りすること」「鍵の一部をおやじ日本関係者に預けていた」と自認していますが,それこそは,おやじ日本がこの場所を占有支配していたことのなによりの証明ではないのでしょうか。それとも,被告は,平成22年4月1日から使用の名目が行政財産使用許可になった瞬間,今度は,区役所の執務時間外でも,24時間自分が鍵を持って自由に出入りできるようになった,とでもいうのでしょうか。仮にそのようになったとしてもそれは管理態勢が変わっただけというだけですし,テナントが自分で鍵を持って24時間出入りする形のテナントもあり,そうでないテナントもあるというだけなのですから,そんなことは何ら占有支配の有無,性質如何に関わることでないことを自白するようなものだと思います。
このように,被告は,一方ではおやじ日本には占有が無く,他方では占有があった,などとして,色々と形式的・名目的な違いをあげつらっています。しかし,社会的実態として,渋谷区,おやじ日本の勤労福祉会館の使用方法,内容は全く前後で変わっていないことはこれまで説明した通りで,これを違うなどと強弁するのは,自分に不利な事実を意地でも認めないとするだけの全く破綻した論理に過ぎないと思います。

5(他事件との類似性)
先の第三の事件であるシブヤ大学事件では,不当利得を実際に得ていたシブヤ大学が本来渋谷区に返還すべき金員を,渋谷区の第三セクターである(株)渋谷サービス公社が渋谷区に返還して,あたかも損害が無くなったかのように装っていた事実が発覚しましたが,その後住民側が住民訴訟を提訴すると,シブヤ大学は不当利得の一部83万8913円を(株)渋谷サービス公社へ返還することになったという経緯がありました。
このように,渋谷区は,他の件でも,これくらいなら構わないだろうと違法行為を重ね,いい加減な行政運営をしてきており,その都度住民からのチェックで小手先の訂正・ごまかしを重ねていることは明らかですので,本件おやじ日本の件も,同様に違法不当な公私混同を取り繕って誤魔化そうとしているものであることは容易に理解できると思います。
このような場合になかなか本来の住民代表機関であるはずの区民議会が十分なチェック機能を果たさないので,我々がやむを得ず司法の場で正そうとしてきているのです。

6(おやじ日本の使用目的)
そもそも,何故に一民間団体に過ぎないおやじ日本に,区の貴重な財産で,一般人が借りれば目の玉が飛び出るほどの賃料を支払わなければならない施設を,全くの只で使わせなければならないのか,区側の色々な説明を聞いても全く理解が出来ません。
被告は,「これまで渋谷区において、青少年育成事業を種々実施してきたが、さらに拡充し、実効性のあるものとするために実際に地域社会において青少年健全育成に関わってきた民間団体であるおやじ日本と連携・協力して事業展開することとし、委託協定を結び、区の施設において、おやじ日本に事業遂行してもらおうと思っている」などとしたり,「おやじ日本の特定非営利活動法人としての固有の業務が拡大してきたことから、新年度からは本件使用部分において受託業務以外の業務も行えるよう、」とか,「おやじ日本自体が、青少年の健全育成という公益目的で設立された団体であること、及び一貫して青少年健全育成を推進するための活動を行ってきていたこと、からおやじ日本の活動が全体として高い公益性を有するものと認められ、そのようなおやじ日本が、渋谷区を拠点として情報を発信し、活動を拡大・発展していくこと自体、渋谷区にとっても有益と認められたことから、公有財産管理規則21条の2第1号の「国又は地方公共団体その他公共団体において、公用又は公共用に供するため使用する場合」に準じるものと認められました」などと,まるで意味を判っていない題目を唱えるかのように色々言っております。
しかし,なぜ,渋谷区自身が行っている,行うべきである「青少年育成事業」を自らが行わずに,単に「公益目的の活動を行ってきた」というだけで,そのような団体は他にもいくらでもあるのに,独りおやじ日本だけに無償で施設を独占的に利用させるという便益を与えていい,与えなければならないのでしょうか。全く理解が出来ません。
また,被告は,「本件使用部分は、既に述べたように空き室となっていたので、おやじ日本が当該使用部分を使用することによって、勤労福祉会館の設置目的又は用途が妨げられるおそれがあるとは認められませんでした。現に、利用者の方から、多目的室が一般貸出されていないので使えないこと、第一洋室の部屋の大きさが改修工事前より狭くなったことなどについて問合せ等が寄せられたことはありません。」などと言っていますが,牽強付会というほかありません。現に住民の一人である私達が,なぜ開放スペースだった部分を事務室のようにしてしまってそこを変な団体に独占的に使わせているのか,と「問い合わせ」「情報公開を求め」「訴訟」まで提起しているのです。これほどの抗議はないでしょうし,勤労福祉会館の本来の使用が出来なくなっていて変だ,という一住民の疑問,苦情から本件が始まっていることを全く等閑視するもので,全く理解できません。

7(渋谷区の欺罔)
「寝る前に星空が見えたが,夜が明けて一面雪化粧であれば,雪が降るのを見ていなくても,夜中に降ったと認定できる。」
最近,社会的に注目をあつめている,ある刑事事件で検察側が裁判員に対して述べた言葉です。直接証拠がなくても,常識の範囲で強く推認できるのであれば,それで判断をして欲しいということだということです。
渋谷区は,NPO法人おやじ日本に対して行政財産使用許可の手続きも踏まず,渋谷区立勤労福祉会館の一部を無償で使用させていた。これに対して渋谷区は「おやじ日本に勤労福祉会館の一部を占有させていなかった」と抗弁している。
しかし,おやじ日本の定款の第2条には,「この法人は,主たる事務所を東京都渋谷区神南1丁目19番8号 渋谷区立勤労福祉会館2階に置く。」とあり,法人登記簿にも同様に記載されている。部屋には電話・FAXが引かれ,理事会・役員会が定期的に開催され,パソコン・書類・図書等の備品が置かれ,おやじ日本の職員が鍵を持って部屋の開閉を管理している。
 このように,「夜中に降った雪」と同様に,常識の範囲で「おやじ日本の占有」は推認できると思います。

以上のとおり,間違いありません。

平成24年5月9日

東京地方裁判所民事第2部 御中

【おやじ日本】原告側が請求を整理

おやじ日本の弁論準備手続きが、5月11日、東京地裁民事2部で開かれた。
渋谷区立勤労福祉会館の一部を、行政財産使用許可の手続きも踏まず、NPO法人おやじ日本に無償使用させて、主たる事務所を開設させていた事件で、原告弁護団は、裁判所の指導に従い、請求を以下の通り整理した。
裁判所は、渋谷区が行政財産使用許可の手続きも踏まず、NPO法人おやじ日本に主たる事務所を開設させていたという前代未聞の事件に強い関心を持っているようで、原告に訴訟要件等を整理させて本案審理に入っている。
本案に対して、被告・渋谷区はまともな反論をしていない。


5月11日

東京地方裁判所民事第2部D係 御中

原告ら訴訟代理人弁護士 野 本 雅 志       
同           高  橋   勇
同           本 間 久 雄         

一 本事件は、以下の各請求に整理できる。
1 3号請求として
① おやじ日本に対して、おやじ日本が、本件各使用部分を平成20年11月1日から平成22年3月31日まで使用にしたことによる賃料相当分474万212円の不当利得返還請求権の行使を怠っていることの違法確認。
② おやじ日本に対して本件使用部分の改修工事代金相当額1254万7500円の不法行為に基づく損害賠償請求権があるのに、その行使を怠っていることの違法確認。
2 4号請求として
① 被告に対し、おやじ日本に対して、本件使用部分を平成20年11月1日から平成22年3月31日まで使用したことによる賃料相当分474万212円の不当利得返還請求を行うことを求める請求。
② 被告に対して、桑原に対し上記賃料相当分474万212円の不法行為に基づく損害賠償請求を行うことを求める請求。
③ 被告に対して、桑原及びおやじ日本に対し本件使用部分の改修工事代金相当額1254万7500円の不法行為に基づく損害賠償請求を行うことを求める請求。
 そこで、上記各請求について整理したことから、上記各請求について従前の主張を踏まえた上であるが、以下のとおり主張を整理する。

二 おやじ日本に関わる請求について
1 おやじ日本に関わる請求は、上記1①と2①であるが、いずれも本件使用部分を平成20年11月1日から平成22年3月31日まで使用したことによる不当利得として賃料相当分474万212円の請求を問題にするものである。おやじ日本に対する不当利得返還請求権が認められるのは、以下のとおりの理由による。
2 おやじ日本は、本件使用部分を独立の立場で占有し、事務所として使用していたのが実態であり、このような実態からするならば、おやじ日本が本件使用部分を独立に占有使用するには、行政財産の使用許可を受けなければならないものであった。しかし、おやじ日本は行政財産の使用許可を受けずに本件使用部分を占有し、事務所として使用していたのであるから、おやじ日本は権限なく本件使用部分を占有していたことになり、その賃料相当分につき不当利得の支払い義務が発生している。
3 被告は、この点について業務委託契約が適法に締結されていることを強調するが、しかし、おやじ日本の本件使用部分の使用実態からすると、とても委託業務の「実施場所」として本来予定されているような使用の実態ではないことは明らかであるから、このような使用は、行政内部の公用使用許可及び業務委託という方法でもって許される使用の範囲を超えている。したがって本件の業務委託契約ではおやじ日本の本件使用部分の占有権限を基礎付けることはできない。
4 また、本来行政財産の使用許可を受けなければならないのに、それを受けずに上述の方法によれば行政財産の使用ができるということになれば、行政財産の使用許可という制度による法的コントロールを有名無実なものにしてしまうことになり、甚だ不適当であると言えるし、おやじ日本が従前は渋谷区の施設(駅前駐車場施設)を行政財産使用許可を受けて使用していたことからすれば、上述の方法による本件使用部分の占有は、単に行政財産使用許可の制約から免れるための脱法行為として行われたものに過ぎないと考えられるから、この意味でも業務委託契約による実施場所としての利用合意は無効であり、おやじ日本の占有権限は認められない。
5 以上から、渋谷区はおやじ日本に対して賃料相当分474万212円の不当利得返還請求権を有する。
6 かかる不当利得返還請求権があるのに、これを行使しないことは、財産の管理を怠るものである。また上記不当利得返還請求権は直ちに行使できるものであるから、かかる債権は速やかに行使すべきであるところ、これを理由なく請求しないことは、それ自体で違法である。
7 したがって、上記474万212円の不当利得返還請求権の請求を行わないことは、請求を怠る事実が違法であるものであり、原告らは、その違法を確認することを求める。
8 また、被告に対して、上記不当利得返還請求権をおやじ日本に対して行使し、474万212円を請求することを求める。

三 被告桑原に関わる請求について(上記1②と2②)
1 おやじ日本が本件使用部分を占有使用したことについて、渋谷区は、上述のとおり、おやじ日本に対して不当利得返還請求権を有するが、桑原に対しては不法行為に基づく損害賠償請求権を有する。これは、桑原に対しては、本件使用部分をおやじ日本に使用させたことが不法行為を構成するので、その不法行為に基づいて損害賠償請求権があるというものである。この点について述べると、以下のとおりである。
2 これまで原告らが主張してきたとおり、おやじ日本が本件使用部分を占有する権限はなく、本件使用部分の占有は違法行為である。かかるおやじ日本の違法行為について、桑原は、おやじ日本と意を通じて、公用使用許可及び業務委託契約という一連のからくりを作出して、あるいは少なくともそのような事態であることを知り又は知り得べきであったのにこれを容認・放置することにより、おやじ日本に違法な本件使用部分の使用をさせた。
3 したがって、桑原は、被告に対して賃料相当分474万212円の損害についてこれを不法行為に基づく損害賠償義務として支払いをする義務がある。
4 この点、被告は、業務委託契約を企画部長の専決で行ったものとし、桑原が関与した事実はないし、その他職員の監督を怠ったこともない旨主張する。
5 しかし、被告が専決の根拠としている乙11号証の10条10号は、「前各号に準ずる重要な事項に関すること」と定めるのみで、上記業務委託契約の締結が明確に専決事項と定められているわけではない。上記業務委託契約が専決で行われたか否かは、乙11号証の規定で明らかにできるものではない。
また、専決であったとしても、実際上の問題として、おやじ日本に本件使用部分の占有利用を許す上記一連の方法、やり方について桑原が関与し、端的にはおやじ日本と意を通じて上記の方法につき自ら具体的にこれを指示したとすればもちろん、適正な業務手順を遵守していれば当然知り得べき状況にあったのにこれを放置してこれを事実上許したり、少なくとも下位職員から専決事項に関する報告を受けてその内容を吟味する機会が与えられたにも拘らずそれを撤回させず、放置したような場合には、結局のところ桑原が関与し、職員を利用して上記一連の違法行為を行ったと評し得るのであるから、桑原に不法行為責任が生ずるものである。
なお、本来は、地方公共団体段階等の管理者が自己の権限に属する公金の支出行為等を補助職員に専決させた場合においては、管理者は、地方自治法(以下「法」という。)二四二条の二第一項四号の「当該職員」に該当し、同補助職員に違法な公金支出について故意又は過失の帰責事由があるときは、管理者は、現実に同支出行為に関与していなくとも、補助職員をいわば手足として自己の権限に属する行為を行わせる者として、補助職員の責任をそのまま自己の責任として負うと解すべきである(東京地裁昭和63年3月15日判決など)。この理は、一般の契約・債務において、「債務履行のため他人を使用する場合、債務者は、被用者の過失によって生じた結果に対して、債務の履行に関する一切の責任を回避することができない(大判昭4・3・30民集8-363)」とするいわゆる履行補助者の故意・過失の場合以上に妥当すると解すべきである。
仮に,「専決を任された補助職員が財務会計上の行為につき違法な専決処理をし、これにより当該普通地方公共団体に損害を与えたときには、管理者は、同補助職員に対する指揮監督上の帰責事由が認められない限り同補助職員が専決により行った財務会計上の違法行為につき損害賠償責任を負うべきいわれはない」との見解を取るとしても、指揮監督上の帰責事由は一般の場合のそれとは自ずから異なるのであって、迅速な行政の要請の観点から、幅広く補助職員に広範な専決処理を委ねる以上は、管理者はそれに即応する広範且つ厳格な責任をも甘受すべき立場にあり、補助者の行為について、何らかの報告を受け、これについて調査・指導可能性のあった事項については、その指揮監督上の帰責性・過失が推認され、原則としてその行為についての責任を免れないものと解すべきである。
実際に、専決事項とされる場合にあっても,多くの場合,内部の事務決裁規程などにおいて、「特命のあった事項又は特に重要若しくは異例と認める事項については上司の決裁を受けなければならず、また、専決をした者は、必要があると認めるとき、又は上司から報告を求められたときは、その専決した事項を上司に報告しなければならない」ものと内部規定においても定めているのが通例である以上、そのように解しても何ら管理者に不可能を強いるものではない。
7 以上から、渋谷区は、桑原に対し、474万212円の損害賠償請求権がある。かかる損害賠償請求権があるのに、これを行使しないのは財産の管理を怠るものである。またこの債権を理由なく請求しないことは、それ自体違法であるから、かかる怠る事実の違法確認を求める。
8 また、被告に対して、上記損害賠償請求権を桑原に対して行使し、472万212円を請求するように求める。

四 桑原に関する請求について(上記1③と2③)
1 桑原に関する請求の2つめは、本件使用部分にかかる工事代金分(1254万7500円)についての損害賠償請求である。この請求権は、以下のとおりの理由による。
2 本件使用部分の改修工事については、本来不必要であった改修工事を、大向地区の施設の代替施設を作るという名目をたてながら、真実はおやじ日本に使用させるために行ったものであり、かかる行為は本来行う必要のない工事を行って工事代金分の損害を生じさせたものであるから、桑原について不法行為に基づく損害賠償責任が生じている。
3 この点についても、被告は工事契約の締結等が職員の専決であると主張し、桑原に責任がない旨主張する。
4 しかし、これも専決と言って済む問題ではなく、事実の上において桑原の関与の在り方が問題であり、改修工事を行って本件使用部分をおやじ日本に使用させるについては、企画部長のみ、或いは企画部・区民部長らのみで決定し、実行できることではないのであるから、桑原が指示したものか、少なくともこれを知って許したものと考えられるものである。このような事実関係の下では、桑原に不法行為責任が生じる。
5 したがって、かかる損害賠償請求権があるのに、これを行使しないのは、財産の管理を怠るものであり、理由なく請求を行わないのはそれ自体違法であるから、1254万7500円の損害賠償請求権の行使を怠る事実の違法確認を求める。
6 また、被告に対して、上記損害賠償請求権を桑原に対して行使し、1254万7500円を請求するよう求める。
以  上

【投書】渋谷区長の文章能力は・・・

以下の投書があったので紹介する。

前代未聞! 区長が 『しぶや区ニュース』を私物化
意味不明・恥さらしの文章で、東急電鉄の開発計画の太鼓持ち

5月1日の『しぶや区ニュース』一面の「お元気ですか、区長です」欄で、桑原敏武区長は以下の文を発表している。「ゴールデンウィークを前にして4 月26日(木)、『渋谷ヒカリエ』が開業しました。単に商業施設ができたという次元のみならず、さらに進む周辺の再開発とともに国の内外から多くの人々が訪れたくなる文化都市として再生、観光都市としてスタートとなる、歴史的な意義を持っています」とあります。
 皆さん繰り返してもう一度読み返しみてください。赤字の部分は何度読み返してみても意味不明の部分です。
「・・・・。単に商業施設ができただけではなく、さらに周辺の再開発とともに、国の内外から多くの人々が訪れる文化都市として再生し、観光都市として発展する、歴史的な意義を持ったスタートであります」としなければ、この文の意味は理解できません。
区長の毎度の下手な作文は大学落第生並みの出来で、区民としてこれを読まされるのは恥ずかしい限りですが、これが区民の全戸に配布され、区の施設や私鉄各駅にまで配置されています、しかし問題はそこにあるのではなく、『しぶや区ニュース』は渋谷区の諸施策を区民に周知徹底させる広報紙であり、区長がこれを利用して、東急の太鼓持ちをしていることにあります。
東急資本が渋谷の街を独占的に占拠するようになって長期になり、次第に自
分の庭先を掘り返すがごとくに開発を進めていますが、「ヒカリエ」はその一環として旧文化会館の建て替えであります。
それはあくまでも同社の収益を目的とする事業であって、公益事業とは関係ないものです。同社が2千億円も投資した地下4階、地上34階の複合ビルは、ショッピング・レストラン・ホール・事務所などの入居が予定され、中途階に渋谷区の施設が設置されるといわれますが、これはこの超高層ビルの総合設計版の提供部分にすぎません。渋谷区長の発言の中身は、東急への利益誘導と幇助を自ら語ったものであります。
渋谷駅の一日の利用者が200万人、バス利用者が60万人と伝えられますが、この混雑緩和のための駅舎の合理的改造につながる、公共性を帯びた動線の完成ではありません。新都市の出現にも相当する巨大建築の完成は、駅の混雑に拍車をかけ、周辺で営業を続けている零細業者や、この地域をとりまく第2種専用住宅地域への影響は計り知れません。
開発優先思想に染まった区長は、ハチ公広場に息子の勤務する東急車輛から旧玉電車輛の譲渡を受け,渋谷のシンボルだと自慢していますが、混雑する狭隘な広場にこの展示が必要不可欠のものでしょうか? これは『しぶや区ニュース』と同様の公私混同の見本であり、東急資本への拝跪にも似た姿勢であり、公器を利用した応援は見境がつかない、住民福祉を忘れ独善であります。
さて、渋谷区が絡んだ脱税事件で世間を騒がせた、住友不動産の南平台交差点の「ベルサール渋谷ガーデンハイツ」27階が近く完成しますが、区長はどんな挨拶文を綴るだろう。
渋谷区長の恣意的専制に、渋谷区幹部が一言の助言することなく、さらに、『しぶや区ニュース』編集部がこれに気付かないまま採用したことの責任は重大である。
なお、最後に加えるならば、区長の専制で新設された行き止まりの袋地に設けられた、富ヶ谷公園については自慢屋の区長の一言もない。


【監査請求】放課後クラブ補助金の監査請求口頭意見陳述が都庁で開かれる

渋谷区教育委員会は、放課後クラブを運営するために、国と東京都から、3425万3000円の補助金を受けているが、渋谷区が都に提出した本件補助金に関する報告書に合計8ケ所の数字の間違いがあった。
又、渋谷区教育委員会生涯学習課長・山中昌彦は、渋谷区議会文教委員会において「補助金の一部を、渋谷の記憶2000部の印刷費として使った」と答弁しているため、補助金流用の疑いもあるので、渋谷オンブズマンは東京都に対して、住民監査請求を提出した。
一昨日(10日)11時より、東京都庁において、口頭意見陳述が行われた。
請求人らは、かかる杜撰な事務処理をする渋谷区教委から、一端、補助金を返還させ、手続きをやり直して、再交付するべきだと主張した。
一方、東京都教育庁は、「数字の間違いは訂正してあり、実体として補助金交付に違法や間違いはない。印刷費への転用は、予算の組み替えをしているので違法性はない。」と反論した。

最後に請求人は、「東京都には多数の市区町村があり、そこから上がってくる書類を全部精査することは大変なことであろうが、渋谷区のようなどうしようもなく事務能力の低い自治体もあるので、今後は、注意されたい。」と発言した。



都監査

【シブヤ大学】住民訴訟の口頭弁論が開かれる

5月10日(木)10:45東京地裁において、シブヤ大学事件住民訴訟の口頭弁論が開かれた。
渋谷サービス公社の前社長・肥後慶幸が、シブヤ大学に神南分庁舎を無断無償で使用させることによって同公社に与えた損害を、渋谷区が渋谷サービス公社に株主代表訴訟を提起して、同公社に具体的な損害補填措置をとるように求めた住民訴訟である。
原告側が、以下の準備書面を提出したところ、裁判所は被告・渋谷区に反論を促し、次回での結審を示唆した。


第1 原告らの渋谷区職員措置請求(住民監査請求)が再度却下されたこと
1 原告らは、本件について、渋谷区監査委員に対し、再度の渋谷区職員措置請求(住民監査請求)を行った(甲6号証)が、上記請求は、平成24年4月27日付で却下された(甲11号証)。
2 却下の理由は、①住民監査請求対象事実が、前回の住民監査請求対象事実と同一であること、②本件は財務会計上の行為ではないこと、という2点である。 しかしながら、①住民監査請求が誤って却下されてしまった場合、再度の住民監査請求が可能であることは、最高裁平成10年12月18日判決(民集52巻9号2039ページ)が明らかにしている(「監査委員が適法な住民監査請求を不適法であるとして却下した場合…当該請求の対象とされた財務会計上の行為又は怠る事実と同一の財務会計上の行為又は怠る事実を対象として再度の住民監査請求をすることも許されるものと解すべきである。」)ところであるし、②本件が財務会計上の行為であることは、本件訴訟で被告も認めているところである(それ故、原告らは、住民監査請求書において、そのことを上申事項としてわざわざ明記していた(甲6号証3ページ以下)。)。
それにも関わらず、渋谷区監査委員が、原告らの住民監査請求を上記の理由で却下したのは、本案に立ち入って原告らの請求を審査した場合、原告らの請求を排除する理由を見出せなかったからであろう。
3 したがって、本件の監査請求は本案に立ち入って監査されなかったものの、裁判所におかれては、最高裁平成10年12月18日(民集52巻9号2039ページ)の判旨にのっとり、適法な住民監査請求を経たものとして、今後の審理を進められたい。
以 上

【監査請求】放課後クラブ補助金に対する監査請求口頭意見陳述

本日(10日)、東京都監査委員事務局において、渋谷オンブズマンが放課後クラブ補助金に関して提出した住民監査請求の口頭意見陳述が開かれる。
渋谷区から東京都に提出された放課後クラブ補助金に関する書類は、合計8ケ所の間違いがあり、その中には消費税が50%で計算されているものもあり、あまりに杜撰な書類作成に驚くばかりである。又、その書類をそのまま受け取っていた東京都教育委員会にも、大いに問題がある。
本件住民監査請求を受けて、東京都教育委員会は渋谷区教育委員会より、ダンボール数箱分の書類を持ち出して精査しているという。

これら杜撰な書類を作成するにあたっての責任者は、山中昌彦(生涯学習課長)であり、4月17日の文教委員会では泣きが入っていた。

yamanakaky.jpg
          山中昌彦(生涯学習課長)

【住民訴訟】渋谷区の行政財産無償使用許可の適否を争う行政訴訟

渋谷オンブズマンは、渋谷区の行政財産無償使用許可に対して、3件の住民訴訟を提訴していて、現在、係争中である。こんなことを平然とやっている、渋谷区長・桑原敏武の精神構造は異常だ。

一つ目は、今や相当有名になった神宮前国際交流学級(ホライゾン学園)事件である。
渋谷区は渋谷区立神宮前小学校の空き教室を、学校法人ホライゾン学園に対し無償使用させて、神宮前国際交流学級と称していたが、これが私立学校法に抵触する違法行為であると指摘されると、NPO法人国際交流学級を急遽設立させて、私立学校法の適用を回避して、神宮前小学校の空き教室を無償使用させ続けている。
渋谷区は、トルコ大使館からの正式の要請に応えたなどと釈明しているが、裁判所が外務省経由でトルコ大使館に確認したところ、訴訟の当事者ではないとの理由で回答しなかった。
そもそも、国家が他国の地方自治体の首長に、その公共施設を無償で貸してくれなどと要請するはずがない。

二つ目は、元警察官僚、東京都教育委員である竹花豊が理事長を務めるNPO法人おやじ日本に対する、渋谷区公共施設の無償使用許可事件である。
渋谷区は、渋谷区立勤労福祉会館の一室を、正当な手続きを踏まずにNPO法人おやじ日本に使用させ、主たる事務所を設置させていた。それにもかかわらず渋谷区は、おやじ日本には占有させていなかったなどと主張している。

三つ目は、(株)渋谷サービス公社が渋谷区から使用許可を受けていた庁舎の一部を、NPO法人シブヤ大学に無断転貸していた事件である。
(株)渋谷サービス公社は、使用料相当損害金、約1000万円を渋谷区へ返還したが、これは(株)渋谷サービス公社の株式価値を毀損したことになるので、渋谷区は同公社の代表取締役・肥後慶幸に対して損害を補填すべきである旨の責任追及をしなければならない。

【監査請求】区長コラムの私的記事に対する住民監査請求は棄却

渋谷区長・桑原敏武は、渋谷区の広報紙である「しぶや区ニュース(平成23年3月1日号)」に、自らの選挙に関連する個人的かつ感情的な文章を掲載した。税金で発行、配布される広報紙に、かかる文章の掲載は許されず、税金の違法支出に該当するので、渋谷オンブズマンは住民監査請求を提出したが、渋谷区監査委員は、この請求を棄却した。
棄却理由の中には、以下のような一文があり、渋谷区監査委員が渋谷区を擁護している姿勢が垣間見える。

請求人らは、本件コラムは他人の名誉を毀損した程度の違法性があるということが、裁判所で認定されたのであるから、本件コラムは税金で発行、配布され、公正中立に編集されなければならない行政の広報紙に掲載できる内容ではないと主張している。
しかし、本件コラムの内容が有限会社ほっとタイムズ社の名誉を毀損したとする第一審である東京地方裁判所の判決が言い渡されているとしても、この訴訟については、渋谷区からの控訴により現在、控訴審である東京高等裁判所に係属審理中である(因みに、控訴審の第一回口頭弁論期日は平成24年4月17日午前10時30分と指定されており、控訴審の審理は未だ開始されていない段階にある)。
本件コラムの内容が名誉毀損の違法なものであるか否かは、正しく上記訴訟の確定判決により最終的には決せられるべきものであり、現段階においては、本件監査請求における請求人らの立証方法、立証内容及び上記訴訟における弁論の全趣旨等を総合すれば、俄にその内容が違法であるとまでは即断することはできないと解される。

img461.jpg




【記事紹介】渋谷区長のホットタイムズ社に対する名誉毀損事件が判例時報の掲載される

渋谷区長・桑原敏武が渋谷区の広報紙である「しぶや区ニュース」の区長名義のコラム記事中で、区政に対する批判的な内容を記載したミニコミ紙を論難した行為は、名誉毀損に当たるとして、渋谷区に対して謝罪広告の掲載が命ぜられた事件が、判例時報(2141号)に掲載された。
判例時報は、法律家であれば必読書であるところの判例情報誌である。

判例時報では、判決文の内、以下の部分に傍線を引き、判決要旨として注目している。

本件記事は、原告紙特集号(ジャストタイムズ特集号)が被告桑原を「誹謗」するものであること、そのような誹謗行為を行う理由は「他の区長候補を有利に誘導するため」すなわち、他の区長候補の利益を図る意図に出たものであること、そして、原告が原告紙特集号(ジャストタイムズ特集号)を新聞折込で配布したのは「目的のためには手段を選ばぬ行動」すなわち、区長候補である被告桑原を貶めることだけが目的のアンフェアな選挙活動手法であるという事実を摘示又は意見の表明が、原告紙特集号(ジャストタイムズ特集号)の発行主体である原告の名誉を毀損することは明らかというべきである。
原告紙特集号(ジャストタイムズ特集号)の発行から本件記事に至る経緯及び本件記事の記載内容に照らすと、本件記事は、渋谷区長選挙が間近に迫る中で、渋谷区政を批判的に取り上げる原告紙特集号(ジャストタイムズ特集号)が広く配布されたことから、現職として立候補した被告桑原の立場では、これを放置すると自己に不利になると考えて、「しぶや区ニュース」の渋谷区長のコラムを利用して、原告紙特集号(ジャストタイムズ特集号)を論難したものと認めることができる。このような本件記事の目的が、専ら公益を図ることにあるなどと認めることはできない。

以上のように渋谷区長・桑原敏武は、公共のものを私する、愚かな老人である。

img461.jpg

【羽澤ガーデン】羽澤ガーデンの文化の記憶を残すために

渋谷区広尾3丁目の羽澤ガーデンのマンション開発計画は、平成19年秋に着工しようとしたものの、近隣住民原告団による開発許可差し止め訴訟、著名文化人らによる「羽澤ガーデンを守る会」の結成等によって、約4年間、開発が凍結されていた。しかし、判決を待たず、昨年(平成23年)10月、開発業者である三菱地所(株)は、羽澤ガーデンを解体して、開発に着手した。
「羽澤ガーデンを守る会」は、現在、羽澤ガーデンの文化の痕跡を後世に残すために、三菱地所(株)と交渉を重ねている。

hanezawa2

羽澤の門

【鶯谷環境訴訟】行政訴訟原告住民が人権救済申立を提出

渋谷区鶯谷町における住友不動産(株)の開発事業に反対して、開発許可取消及び建築確認取消を争っている住民らが、東京第二弁護士会に人権救済申立を提出したことがわかった。
以下、申立書である。


申  立  の  趣  旨

私たちは東京都渋谷区鶯谷町17-1に住み、ごく普通の市民生活を営んでいる者です。
日本国憲法の前文では、国民一人一人は恐怖と欠乏から逃れ、平和に生存する権利が明文化され、さらに13条では個人としての尊重、22条では生命・自由・幸福追求の権利、25条では健康で文化的な最低限度の生活の保障・生存権、さらに29条では財産権などとともに、環境権・人格権などともに保障されています。
渋谷区長は平成19年1月21日、住友不動産株式会社(以下住友不動産)の「(仮称)渋谷区鶯谷町計画」(所在地・渋谷区鶯谷町13)に開発許可を与えるに当っては、予見と予断を持って当たり、22年8月26日に開発完了公告を出しました。
この第2種低層住宅専用地域のど真ん中に出現した、マンション「ラ・トゥール代官山」は、地下2階・地上6階の鉄筋で、都市計画法・建築基準法に違反した建築物であり、近隣住民の環境を破壊と人権を侵害する建築物でありますが、とりわけ隣接地に住む私の日常生活は滅茶苦茶に破壊され、人権と人格権・環境権・健康・生命・財産の危険に曝され、毎日が耐え難い苦痛を強いられています。
以下にその事実を述べ、現場検証を含めた調査によって、住み慣れたこの地で安心・安全な生活ができるようお力を貸して頂きたく申立てます。


申  立  の  実  情

第1 渋谷区都市計画部職員さえ人権蹂躙を認識
渋谷区長は、住友不動産の「(仮称)渋谷区鶯谷町計画」に、平成19年1月21日開発許可を与え、2年7ケ月後の平成22年8月26日、この時点の現場は、開発工事が許可通りに行われたどうかを確認しようにも、既に地下2階・地上6階の鉄筋マンションが建ち上がり、開発完了現場は確認できないまま「開発工事完了公告」、そして7日後の9月1日には「建築工事完了公告」が出されました。しかし住友不動産は同月2日から再工事を開始し、工事が完了したのは同年10月17日です。
この再工事が完了した直後、私は先の完了工事検査を行った渋谷区都市整備部都市計画課土地利用審査係を訪ね、私の私的居住空間が世間に丸見えになった理由を質問したところ、職員は回答を拒否しながらも一方で、その是正を住友不動産に取り次ぐと申し出ましたが、私は恩恵的な対処については丁重に断りました。
その後、平成23年12月初旬渋谷区都市整備部築課調査係を訪ね、住友不動産が行った再開工事前・後の図書の公開を求めたところ、同書が不存在のため、同課職員2名は開発地の検証に立ち会に応じてくれました。目の前の巨大マンションと公開空地(歩道状空地)と区域内道路の接道位置と門扉、同建物の窓に反射して映る光害、公共空地の隠しカメラ、私の家と境界フエンスなどを確認するとともに、それをカメラに収めました。
そし同職員は環境の破壊が私ばかりか住民の人権・生命・財産・健康・人格権の侵害に及ぶことを目の当たりにして、応急処置としてマンション窓の目隠し、公共空間の隠しカメラの撤去を住友不動産に伝えるとの言でした。その際、私は本工事を担当した西松建設の責任者から、この再工事は設計ミスであることの証言を得ていることを伝えました。
また、渋谷区都市整備部長は、この開発計画の根幹をなす区道問題(後述)については、渋谷区の処置の誤りを認めて陳謝しています。
ところで、私の住居は開発以前は、開発地の北側に接続し境界は万年塀で区切られていましたが、マンション計画はこれを取り壊して、鋼鉄線の透け透けのフエンスと植栽に変更しました。こうして私の住居はマンションA棟の各層の北面から常時見下され、区画変更工事によって公開空地(歩道状空地)・区域内通路から、その距離は2.6メートルになり、リビングは掃き出し口から天井まですべて覗かれることになり、そして人工的に切り下げた提供公園からの吹き抜け風は、風力を加速させて家を揺るがすほどになりました。
私の小住宅は、建築基準法をクリアーした木造2階建、敷地南面は万年塀を境界にして西松建設株式会社(以下西松建設という)の、エバーグリーンパークホームズと接した自然環境に恵まれた静穏の地でした。
1万7千平方米の外国人向けの賃貸住宅と向かい合った、私の家の間取りは、北に玄関をとりながら南面にダイニングルームと左側に和室兼寝室が隣り合い、リビングルームはワイドの引き違いのガラス戸、寝室は標準仕様、双方ともに掃き出し形式で露地に降りることができ、そして2階はそっくりそのまま持ち上げたもので、掃き出し口からベランダに出られます。
世間一般の住宅設計では、玄関が通路に面している場合は、生活空間は腰高の壁とか不透明のガラス窓などで遮られるのが普通ですが、この開発計画は当初から私の生活空間を、マンションから見下し、公開空地から直接に覗ける設計であり、完了公告後の再開工事はそれを拡大しました。
こうして、私のリビングと寝室は日の出から日没まで、晴れの日も曇りの日も、毎日カーテンと雨戸は閉じたままの生活が強いられ、屈辱と悲しみ、恥ずかしさの毎日となりました。これは人間が人間として生きる権利を奪い、人間の尊厳、人が人と生きていくことの否定であり、誰が見ても客観的に人権の侵害は明白であります。
これが渋谷区長が住友不動産に許可した、「(仮称)渋谷区鶯谷町計画」の実態であり、渋谷区長は住民の福祉と生命の安全に配慮することを忘れた、一私企業への利益幇助の事実であります。区長はこの計画は敷地境界線から12メートルの距離があり、日照も確保され、道路も公園も提供し、掘り下げた地盤面は崩落の危険がないなど、「許容の範囲」などという言語を用いた言い分です。
それが如何に根拠のない、子供だましの理屈にならない出鱈目な論理であり、現実離れのした形式論であることを反駁しても気付こうとしません。
その後の渋谷区の職員の話によれば、渋谷区として住友不動産に対してマンションのガラス窓への植栽、隠しカメラの撤去を勧告したところ、同社は口頭ながら手直しには応ずる用意はないということと、変更工事は行っていないうえ、提出すべき書類も存在しないと言うことであります。

第2 静穏な住宅専用地域にある、私だけの聖域

私が創り上げた環境に、朝が訪れます。
私たちは起床し、窓をいっぱいに開け放ち、清浄な空気を部屋中に取り入れ、それを存分に吸い込み、吐き出し、一日の活力の源泉と吉凶を占います。
そして、寝室からダイニングへ移動すると、新聞を読み、食事の摂取・排泄・生殖までのさまざま営みはここが拠点になります。電話の受発信も、家事も読書も、欠伸も屈伸も、来客との歓談も、時としては諍いも、労働の後の夕餉や談笑、風呂上がりの裸姿も、私たちのありとあらゆることが中心になって営まれます。
そしてマンションと公開空地に待ち構える観察者たちは、私たちが今何をしているか、どう動こうとしているのかまで予測できるうえに、不在を容易に知り得る進入者は、玄関から堂々と上がり込むことさえできます。
私は何の罪科も犯していないのに、どうして世間の晒し者になる「刑罰」と同様な不利益、冤罪にも等しい「日陰者の生活」を強いられ、さらに住み慣れた土地から追い出されなければならないのでしょう。すでに同居していた息子は、工事開始とともに別居を余儀なくされています。
リビングからでも寝室からでも、降り立つことができる8坪余の露地は、庭園デザイナーの手を借りて作庭された和風小庭園です。そして万年塀を背にした石組みの中心に自然石の石灯籠を据え、その背後には梅を主木に、椿・木蓮・花蘇芳・南天の植栽があり、低木のまんりょう・千両・躑躅・さつき・枯れ死した楓・山椒・沈丁花や草花が植えられた自然空間は、日本の四季の変化が楽しめる空間です。
家内が米のとぎ汁を植木に散布すると、わずかな米滓に雀が群がるのを観察でき、冬眠から醒めた春の季節は、梅の木の開花からはじまり、鶯は自慢の美声を聞かせてくれ、この梅の木はこの年頃は、10キログラムほどの実の収穫があり、やがて梅酒になります。椿と木蓮や花蘇芳の咲き終った後には、木々は一斉に芽吹きながら新緑の光景へと変化しますが、成長から取り残されたひこばえの剪定や、毛虫類の大量発生に驚愕しながら、さらに軒先の花壇の手入れと水遣りを怠るとたちまち萎れ、休む暇もない多忙さに追わる時間は、日常を忘れることのできる至福の時でした。
梅雨の合間の梅の実もぎ、自家製梅酒造りと梅漬けに励み、また、土用を迎えると漬け込んだ梅は、3日3晩の炎天下の乾燥と夜露に晒した後に、わが家自慢の珍味となります     
日影の長い秋の到来とともに柿の実は色づき、ガラス戸越しに望む風景の中に、成熟した実を目掛けて目白や尾長の野鳥が競って啄み始め、かれらは丁寧に一つを食べ終えてから次へと移りますが、居ながらにしてバ-ドウオッチングと賞味を堪能できました。    
しかし、この甘柿の直下、露地の西南はゴミ箱・掃除用品や園芸道具など、およそ表に出せない雑物、他人から見られたくない、見せたくない秘密・秘匿したい最奥の部分です。ここが住友不動産の公開空地(歩道状空地)の裏側と何の障壁もなく一方的に繋げられてしまいました。
この私の大切にしている聖域に、自ら降り立つことができなくなりました! 
外からは知らない目が注がれ、威圧感・圧迫感・恐怖観・喪失感などの精神的・情緒的被害に苦しめられ、発狂するばかりです。人格権は,みだりに自分の私生活を公開されない権利,つまり「勝手に放っておかれる」権利です。各人の私生活はその人にとつてのサンクチユアリーであり,各人は「一人でいることに由来する幸福」を追求する権利を憲法でも保障され,第三者がこのサンクチユアリーに立入ることは許されるはずはありません。
プライバシー権とは,個人の私生活に関する事柄(私事)や、それが他から隠されて干渉されない状態を要求する権利、公共的空間から私的空間が見えないこと,覗かれないことであり,そのためには不透明さが要求され,私的な空間は保護されています。「不透明の空間」は他人から「私」が見透かされない空間であり,その不透明空間においては「私」はどのような行為をしようが第三者から干渉されない場です。この小空間は世間から「完全」に隔絶した「私の聖域」であります。私の意志を超えて公衆の面前に晒すはずもないし、他人が覗いてはならない「閾(しきい)」の内側にある「私のこころの擁壁」です。
私の選択した環境、その環境への介入が人権と人格権の侵害です。

第3 渋谷区と住友不動産が結託した、総合設計と言う誤魔化し

日本国憲法では国民の健康で文化的な生活を守り、国民が幸福を得る権利を保証しています。この権利は国民が一方的に国家に要求するものではなく、国民が憲法を基本にして整備された法秩序というルールを遵守するたゆまぬ努力によって実現するものであります。とりわけ都市に生活する人びとは、限られた土地に多数の人々が居住していますので、都市計画法及び建築基準法が作られ、市民のすべてがその規定に従うことによって憲法に規定された良好な環境を享受する権利が保障されることになっています。
そもそも、この地域には総合設計を導入しなければならない、道路の混雑とか建築物の混乱などの解決しなければならない、客観的理由がないにもかかわらず、区長の主観的判断によって決められたものです。
渋谷区長が、住友不動産の「(仮称)渋谷区鶯谷町計画」開発に対して、平成19年1月21日開発許可を与えたマンション・La Tour DAIKANYAMA For Rent(ラ・トゥール代官山)は、鉄筋コンクリート造りの139戸の高級マンションで、賃借料(100万円~600万円/1ケ月、保証金4ケ月、2年更新)、六本木ヒルズと並ぶ東京都内屈指の不動産商品で、一私業への莫大な利益幇助を、計画以前から予断と予見をもって約束を与えたものであります。
出来上がった建築物は、一棟の建築物であり、その一棟の建築物を10棟の建築物と見せかけ、確認申請をおこないました。それを都市計画法上の「一団地の住宅施設」の決定なしで建築基準法86条の規定(一団地の計画基準)を適用し、内部道路部分も敷地とみなし容積を違法に拡大し、それを再度、一建築物にしか適用できない「総合設計制度」を違法に適用し、容積と高さの緩和をしましたが、その結果作られた建築概要は以下のようなものです。
(A)9m道路側のアプローチ部分を除く開発
敷地街区の面積          12,094㎡
(B)街区を形成する幅員6mの新設道路   370㎡
(C)街区内敷地面積           11,724㎡
(D)全体建築面積(建築物水平投影面)  9,000㎡
(E)容積対象延べ面積       29,300㎡
(F)法定建ぺい率(40%) (D)÷(A)=   74.4%(違反の割合1.92倍)
(G)法定容積率(200%) (E÷(A)=   242.3%(違反の割合1.21倍)
(H)法定建築物高さ(12m)(地盤面操作)   20m(違反の割合1.6倍)
この敷地いっぱいに建設された巨大なマンションは、低層住宅街のど真ん中の軒先に居座った「建築違反建物」です。
さて、「10棟の建物である」といって建築されながら、その実態は構造耐力的、計画的、構造的、機能的にも、全体が不可分一体の「一つの建物」の不法建築です。住民への計画説明会においては、屋外からそれぞれの住戸に出入りできると説明され、建築確認を得て完成した建築物は、上層階を10棟に見せかけているだけで、地下部分では全体が結合されており、正面の入り口は1ケ所しか出入りできない1棟の建物で、周囲から隔離された違法建築物です。
この地下2階駐車場と、同地下1階の天井の高い広い通路は、中庭を見ながら構造上一体的に、独立した各住宅棟と不可分に結ばれていますが、これは建築確認申請時には計画されていない空間で、10棟がそれぞれ独立した建築物であるとする状態で建築工事完了申請がされ、 工事完了公告後の再工事によって、現在の1棟に改変工事に47日も費やして完成された、外部の人々の出入りを制限した「セキュリテイ」を売り物にした1棟のゲーテッドマンションです。
この変更工事は住友不動産だけでは実現できるものでなく 当初から渋谷区長の許可そのものがこの違法を許容したもので、それを日建設計、西松建設が共同謀議のうえに実行したところの都市計画法・建築基準法違反建築で、もっとも悪質な犯罪であると言わざるを得ません。しかし日建設計のデザイナーはこの共通通路について雑誌『新建築』の平成23年2月号のパブリシティ広告で違法を自慢気に語っています。
地域社会と隔離したゲーテッドマンションは、厳重な警備員の配置とともに、道路の各所に隠しカメラは70台(開発者パンフレットによる)が設置され、0住民を敵対的にする監視し続ける秘密のベールに包まれた軍事要塞です。

第4 都市文化・住民福祉を忘れた、環境と景観の破壊
わが国の都市計画法・建築基準法は、「都市の健全なる発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする」とあるように、この法律はわが国の100年先を見据えた、都市の生活を豊かにするため、全体が有機的関係を保って計画されることが明文化されています。
景観法 第一章 総則 (目的) 第一条「この法律は,我が国の都市,農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため,景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り,もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。」とあります。
そして、最高裁判所第一小法廷においても「良好な景観に近接する地域内に居住し、その恩恵を日常的に享受している者が有する景観の恵沢を享受する利益(景観利益)は、法律上保護に値する」との判決(平成18年3月30日)があります。
私たちの住む渋谷区鶯谷町・鉢山町・猿楽町地域は、都市計画法において第2種低層住居専用地域に指定され、建築基準法でも高さ制限は12メートル、建ぺい率60パーセント、容積率200パーセントと決められた静穏な住宅専用地であり、住民はこれを守ることで街づくりに貢献してきました。
しかし、渋谷区長は自治体の責任者として法律を守る役目を放棄、区議会にも諮らずに平成19年3月23日に総合設計要綱を制定、翌年1月21日にはその第1号を住友不動産の本件計画に許可を与えましたが、この許可は都市計画法・建築基準法違反であるばかりか、行政権による個人の権利侵害、公共の福祉とは乖離したところの、一私企業への一方的な利益供与に過ぎないことは明瞭であり、私たち地域住民は自らの権利救済を実効化するために「開発許可処分無効確認取消訴訟」、「建築確認処分取消請求訴訟」を提起しました。
私たちが住む渋谷区鶯谷町・鉢山町・猿楽町界隈の環境と景観は、ここに住む人々の長年にわたる協力によって積み上げられてきました。この地には今から4千年前の縄文時代、2千年前の弥生時代の遺跡群が奇跡的に発見されましたが、「ここにはすでに湮滅されていたところ」に、竪穴住居跡の100余棟と各種土器類が良好な状態で発掘され、「渋谷区でも一度に発掘された、大きな遺跡」(渋谷区・住友不動産・西松建設・大成エンジニアリング)と発表された、歴史的・文化的・学術的にも貴重な複合遺跡であり、渋谷区民の誇りとする民族的遺産でありました。
住民はこの縄文・弥生時代から今日に連続する、良好な居住空間を守り育てながら、道路や塀や壁によって仕切り、プライバシーの保護という近代的な価値観に裏付けられ、また隣人同士の努力と理解、話し合い、市民自治によってかけがえのないコミュニティを築き上げてきました。ここは夫婦や家族、隣人、来訪者たちが、誰に憚ることもなく「くつろぎ」・「いやし」・「あそび」を得られる「場」であり、ここで生活する人々の人間性を回復させる源泉の地でありました。
われわれ都市生活者は日常の生活環境を風景として意識し,日々これとの対話を続け、別言すれば人間と環境との語らいが風景となり,それらは人間がつくり出した文化環境であり、だからこそ風景は人間性の再生をはかる力をもっています。環境と風景はここに住む人々の世代を超えた共有の財産であり、この居住空間は人間の生きる基盤として公共性の高い資産です。
この地域を愛し、ここに集まり、景観と街並みを形成してきた私たちのこれを守りたいという願いは、個々人の利益を超え、時代を超えた、地域全体の意志の結集です。昨日までの自由の空間は、マンション「ラ・トゥール代官山」の出現によって、鉄とセメントの堅固な建物に占拠され、低層住宅の住民は終始見下げられ、優者と劣者、要塞と廃屋のような不釣り合いな光景に変貌し、住民は不安と危険に脅かされ、そっと肩を抱き合い、萎縮した生活を強いられることになりました。
10棟の直線的な設計はどこから眺めても、各棟が均等の高さを保ち,均一のワイドな窓から、低層住宅を常時睥睨・監視しつづけています。さらにこの窓はワイドミラーに匹敵するもので、昨日までは知られなかった隣家の洗濯物はもちろん、他人に見せられない部分、見てはならない部分まで映し出し、その上太陽の反射光害と夜間照明の公害、得体の知れない物品の投下などの危険に曝されています。
開発工事初期の砂塵嵐から始まり、その後3年に亘る騒音や車両の排ガス被害などの後に、今日は拡幅された路上を自動車やバイクが、制限速度を超えて疾走し、除草機やチェーンソーの騒音、集中豪雨時の溢水の危険、ヒートアイランド現象、風害の発生などの都市公害などとともに、3・11などにつながる災害問題に対して全く無防備状態であり、犠牲だけが住民にのし掛かかる仕掛けになっています。
渋谷区長の住民との民主的合意に基づかない、規制緩和を優先した総合設計要綱は、開発業者と馴れ合い、企業の超過利潤を保障する空間へと変質させ、住民はこの脅迫空間で生命・健康・財産・人格権の侵害に怯えていますが、これは建築申請者と設計者、そして開発・建築許可権者の人間性無視、人権蹂躙思想の尋常でないことの証明です。住民の受容の限度を超えた優者の論理、勝者だけの論理、巨大資本への利益幇助の正当化、構造改革・市場原理に基づく禿鷹商法を公然と支援しています。
ヨーロッパの国々の都市計画が歴史と文化の保存・継承、人間性の尊重を第一義としていることと比較すれば、まさに国際法で禁じられているジェノサイド、大量殺戮にも等しい人類と文明への挑戦であるといえます。


第5 私の家の軒先で行われた違法再工事の実際

渋谷区の開発工事完了公告が平成22年8月26日に出されると、住友不動産は同月31日には「道路沿い外構部分 改修工事実施のお知らせ」のチラシを配布し、9月1日には建築完了公告が出され、9月2日から開発地正面から南面区道463号、さらに西側の区道464号に面した歩道・建物をシートで覆い隠しながら、騒音や振動をともなう大規模な変更工事をおこないました。
また同時に、開発地西北の区道464号と465号に挟まれた、三角形の提供公園の底辺と465号の頂点は5メートルの段差がありますが、この左側法地部の坂を登り切った地点と、右側の開発地と境界擁壁の29段の階段を上がり切った地点で両者はつながります。この公開空地(歩道状空地)には完了公告時には約50センチの擁壁(幅約60センチ×高さ約180センチ)が突出していました。
渋谷区道路標は、この提供道路と区道465号は平行した、区道が左折する角地に埋め込まれています。私の敷地は開発地の北側に接続しており、計画発表時に配布された資料によれば、敷地線上の境界点は隣地を挟んで区道465号の道路標から455センチの位置にあり、開発完了時は、開発地のセットバックにより隣地との接続点は、道路標から375センチ、公開空地と区域内通路の接続点はこれを超えた80センチ、道路標から約455センチの位置に鉄製門扉が設置されました。
再開工事はこの公開空地に突き出た擁壁の除去とともに、公開空地・植栽帯を約40センチ区域内道路方向に接続点を伸延した結果、これは道路標からの距離は495センチとなり、隣地との境界点から約120センチとなりました。
さて、この私の家の軒先で行われた、住友不動産の提供道路・植栽帯と区域内通路の工事は、開発地の区画変更工事であるとともに、「(仮称)渋谷区鶯谷町計画」全体に関わる区画変更工事でありながら、渋谷区へは無届で行われたことはすでに述べたところで、計画時からの環境破壊に加えてさらに私の人権と人格権、生命・財産・景観権の侵害につながることになりました。
もともと、この1万7千平方の開発地は出入口が一カ所だけの旗竿型袋地で、開発地正面東側に接続する区道432号は、昭和10年代に東京市の市道として開削され、同30年代に渋谷区道になりましたが、開発地正面部分の幅員は9メートルと言いながら左右のガードレール柵を除けば実質5.4メートルに過ぎず、さらにこの区道の基点になる桜ヶ丘町地内は幅員8.05メートル、終点の猿楽町地内は8.32メートル、このすべてに亘ってガードレールが設置された典型的ボトルネック道路です。
住友不動産は渋谷区への開発申請にあたって、この接道名は正式には区道432号であるにもかかわらず、架空・偽作の「特別区道462号」として申請・許可を得たもので、原告によって平成21年5月14日の法廷で明確にされるまで、偽作の「区道462号」を用いて開発許可・建築許可を得ていました。
また、開発地を取り巻く道路は建築基準法の42条2項道路のうえ、自社敷地部を公開空地(歩道状空地)として拡幅しても、先端部は狭隘・湾曲し、通常時には交通渋滞や裏道・抜け道交通量の増大といった、都市機能の渋滞でやり繰りできますが、予想される東京直下型地震発生時には、交通の支障を来し災害被害を拡大させることは明白です。
緊急時の混乱で発生する事故により、消防車や救急車などの緊急車輌の通行が不能に陥り、生存者が避難できず、消防で守られる住宅が延焼にまかされるという危険にさらされることになります。
都市計画の目的は、平時の豊かな生活文化を享受できる環境と同時に、災害時に安全避難と財産の保全が図られなければなりません。
さらに敷地西北の提供公園は三角形の地形で、開発全面積の2.8パーセントの608平米、法地部分を差し引けば平担部はわずか388平米、この地点からのマンションの高さは20メートルを超えます。そして「渋谷区鶯谷緑地」の名前が付けられながら、法地の2辺はモルタルで支えられた谷底状の砂地状広場で、緊急時のマンション住民と近隣住民の避難場所にならない形ばかりの砂地状空地に過ぎません。
この開発計画は、地域のまちづくりに貢献する公益性はなく、私益を優先させた計画であり、この地に長年住み慣れた住民を追い出す計画です。
渋谷区長は、平成22年8月、住友不動産のなりふり構わぬ違法工事に対して行政処分を行わず、まさに「開発許可処分無効確認取消訴訟控訴審」第1回開廷日の直前の、同月26日に「開発工事完了公告」を、そして同年9月1日に「建築工事完了公告」を行いました。

第6 行政の無謬性だけを信じた東京高裁判決

折しも同年9月13日、東京高裁において、「開発許可処分無効確認取消訴訟控訴審」第1回開廷しましたが、私はこの日のために作成した、下記「陳述書」(付録資料添付)2通提出しました。
この陳述書は文章と写真を組み合わせた記録で、前者は完了公告直前の違法工事を、後者はその直後を具体的に記録した内容で、環境破壊が人権侵害につながることを実証しています。
当日、開廷と同時に同書を手にした渋谷区代理人は、裁判長の開廷の言葉も上の空で聞くほどの狼狽振り、最後に同代理人がようやく「すでに工事は完了し、訴えの利益はない」の発言は聞き取れないほどでした。
東京地裁の第一審では、条理を尽くした法理、具体的な法律違反を指摘し、区長の証人喚問と現場検証を申請しましたが、それは採用されることなく、裁判官は予想のごとくに行政の無謬性を優先し、私たちの正当な主張に耳を傾けてくれませんでしたので、さらに東京高裁へ控訴しました。  
この権利侵害の不法な開発工事について、憲法の番人である裁判所は違法であると認めず、「すでに建物は建ってしまっている」と、開発許可権者の言い分を正当化しています。裁判所は違反が存在すれば行政庁が違反是正命令を出せばよいと言いますが、その行政庁が違反を容認して、又は本件の場合は行政庁が共謀又は積極的に違反幇助をして違反建築物を実現させたわけですから、行政庁が是正に動くことは考えられません。
憲法の番人である裁判所は、この権利侵害の不法な開発工事について、違法であると認めようとせず、開発許可又は確認に関する訴えは、いずれも、完了公告、又は、工事完了検査がなされた段階で、その訴えの利益は消滅するといいます。
東京高等裁判所の判決は、憲法で定められた立法・行政・司法の原理を逸脱し、原告の訴える違反処分の事実を審理せず、処分は行政によって確定したので、裁判所はその審理自体をする必要はない、という馬鹿げたことをやっています。行政処分が確定したことは、違反の事実が確定しただけのことで、国民の訴えの利益は全く消滅していません。判決は行政の無謬性を追認するものであり、司法エリ-トたちが編み出したところの体制維持のための主観的判断でしかありません。

第7 都市の伝統と歴史の継承、100年後を見据えた都市計画

わが国の伝統文化は、この国の固有の文化に外来のものが加わり発展してきましたが、平城・平安の条理を整えた千年前の都市計画を引くまでもなく、景観について言えば他者の風景を借りて、新たな風景を創り出すと借景いう思想が生まれました。大航海時代に来日したヨーロッパの宣教師の残した記録には、破れ障子の中で欠け茶碗を大事に愛玩する姿が伝えられています。
平成22年秋竣工した区長自慢の渋谷区総合文化センター大和田を例にとれば、これは旧区立大和田小学校跡地約5千平米に、地下3階・地上12階・高さ68メートルの建物ですが、計画も予算も議会にも諮らないまま建設された箱物の見本であり、これを紹介するパンフレットのフロントページには、玄関正面を表現するためにCGを用いていますが、これは正面からも背面からも何処からも全体像を撮ろうにも、隣接する民間建物を借景しなければならない立地条件からです。
福笑いは日本の伝統的こどもの遊びで、目・鼻・口・耳などの部位が、顔全体の均整・調和・利害から遊離した、面白さや滑稽さを楽しむものですが、渋谷区長の都市計画はこの遊技からさえはみ出した、幼児性としか言いようのない出鱈目・無定見な発想の典型で、本来は地域住民や来街者のための防災拠点とすべきであったのに、この窮屈な敷地に建てられた箱物は、緊急災害時のホールの入館者と、従事者のための避難広場と周辺道路の不備から、万一の際は混乱に輪を掛けることになります。
また渋谷区が自慢する渋谷駅東口の広場に面して建設される、旧東急文化会館の建て替えのHIKARIEは、電鉄資本が地元と提携して開発を行うもので「公民(行政・事業者、地元事業者)」と言いながら事業者がリードしています。
それは、敷地面積9,600平方メートル、建築面積7,800平方メートル、地下4階、地上34階、高さ182メートル、延べ面積144,000平方メートルの高層ビルであり、商業施設・劇場・事務所などの入居が予定される複合ビルは、新しい都市の建設に匹敵するものであり、8階フロアー940平方メートルが区民防災センター、そして160平方―メートルが展示スペース、計1,101平方メートルが、企業の社会貢献として渋谷区に提供されることになっていますが、これは全体の延べ面積の0.8パーセント(開発業者の説明)に過ぎず、混雑する駅前の巨大施設のなかで、1,101平方メートルが公共広場の役割を果たすでしょうか。
さらに区内鉢山町の住宅専用地域での、NTTコミュニケーションの電話交換所建設の同意は、テロの攻撃対象となる建築物で近隣住民の不安を増幅させています。また広尾の夏目漱石の親友である中村是公の旧宅羽沢ガーデンは、優れた環境下にあった文化財でありながら、鶯谷遺跡と同様な都市の歴史文化への無理解によって、大資本のマンション計画の許可によって破壊されました。
渋谷区長の狙うことは、これらの住宅専用地域をなし崩しに商業地域に転換することであり、「聖域のない行政改革」と同義語であって、開発による土地の市場化によって、住民追い出しを計るものであります。

第8 渋谷区長の強権、コンプライアンス委員会のない住友不動産

渋谷区長は3・11以後しきりに防災を唱えていますが、開発優先思想は車のスピードを上げながら、アクセルを踏むのに似ています。
ヨーロッパの都市計画においては、それをモザイク画に例えるならば、「モザイクの石」は都市環境を担う重要な役割を果たしており、構成するそれぞれの石はルールに従っていなければ、モザイク画面が構成できないわけで、隣り合う石の周辺・位置ばかりでなく、全体と部位の関係が美的意識によって創造されるように、これらの部位を滅茶苦茶の置き替え、勝手な取捨は許されるはずはなく、有機的な結合こそ明日の都市文化の伝統と継承につながります。
さて、渋谷区長の開発を優先する専制的・独善的手法とともに、住友不動産の関係についていえば、同社の平成17年の渋谷区神宮前2丁目の高層ビル建築に際しては、区立千駄ヶ谷小学校の日照に悪影響を及ぼす許可を与え、さらに区内南平台ガーデンタワーの敷地取得では、暴力団企業の脱税が伝えられた事件では渋谷区が関与しています。
一方、これらと関連しながら住友不動産は、渋谷・新宿を中心にした巨大投資を発表し、国道246号沿いには巨大ビル建設の一環として、本件が発表されたもので、渋谷区は当初からこの計画について予断と予見をもって完成を同社に約束したものであります。
区長は、住友不動産の申請書類をフリ-パスで通過させ、前代未聞の開発地正面・区道462号という偽作問題を犯しながら公然と揉み消し、区指定林の損傷問題が発生すると、区長が率先して都市整備部参与2人を帯同し、開発現場視察中に私に発見される遁走した事件、完了公告前の違法と違反の強行工事などは、なり振り構わぬ住友不動産への援助であり、巨大企業に拝跪する人身御供にも等しい援助であると言えます。
全体の奉仕者として公正であるべき渋谷区都市整備部上級職員は、区長に隷属し、組織ぐるみで本計画のために活躍しましたが、その一端は私が平成19年5月、住友不動産の「(仮称)渋谷区鶯谷町計画」が発表されると同時に、都市整備部長を訪れて計画の縮小を求めましたが、部長は住民の陳情の話を聞くどころか、隣接地のうぐいす住宅の建て替え計画を促進する発言で、私たちの感情を逆撫でする応対ぶりでした。
私は20年2月、交替した新部長は、当時私たちが東京都都市開発審査会に審査請求を提出した直後、住友不動産の「渋谷区鶯谷遺跡」の保存を訴えたのに対して、最初から申請の取り下げを居丈高に強要しました。
昨年5月、現渋谷区都市整備部長と面会した際、開発許可処分無効確認控訴審において、渋谷区は「開発完了公告」が出され、「訴えの利益がない」と言う主張していることについて、区民を納得させる返答もできないしどろもどろの有様でした。
渋谷区長の強権は職員のモラルを低下させ、組織の退廃と弛緩につながっていますが、渋谷区の建築審査会は審査決定書に承認日を書き漏らして発送し、道路課職員は区道432号の計測に立ち会いながら、幅員の情報を教えない配慮のなさ、建築確認課と都市整備課の職員に条文の適用について、コピーを求めたところ、著作権法によってそれを拒否するほどです。
一方、住友不動産は、この計画についての説明会において、地域社会に貢献する計画であることなどは一切言及することなく、渋谷区の指導によって計画が進められていることを誇示し、貴重な遺跡の保存と文化の継承には全く顧慮することはなく地上から消し去り、提供公園には「鶯谷遺跡」の銘板を、掲げると約束しましたが、それも口先だけであって実現していません。
この会社には、コンプライアンス委員会がないことを誇らしげに語る企業で、それを説明会において自慢気に語り参加者の嘲笑を買いました。そして、同社は地域の祭事には寄付をすることを強調し、完成後は建物の公開を約束し、緊急時には中庭は住民に開放すると公言しながら、再工事による違法改造の発覚を恐れて公開の約束を破棄し、実行したのは祭事の寄付だけです。
その後、同社担当者社員との電話での応対の際には、公開空地からの覗き見については、「お互い様である」と言い放ち、我が家のリビングから公開空地と自社マンションを見上げたことは忘れていました。
しかし渋谷区都市整備部職員は、渋谷区長による都市計画法と建築基準法をねじ曲げ、一私企業である住友不動産に加担・幇助の実態を目の当たりにし、環境の破壊が住民の人権・生命・財産・健康・人格権の侵害の現実を教訓として今後の施策につなげかどうかは不明です。

第9 「公私」と基本的人権、環境権と人格権

鳥が自由に天空を飛翔するように、住民は人として生存を確保するために、蒼穹の雲の流れを楽しむ権利があります。たとえ土地が私人の所有地であっても地上空間は公のものです。
「公私」(おおやけわたし)は私たちの日常の社会生活に関わる重大事です。
もともと「公私」という漢字は、中国から入ってきたもので、漢字は表音文字でなく表意文字であるため、その意味をともなっていました。古代日本人はその意味のうち日本人に理解できる部分だけをとり、逆に理解できない部分は捨て、あるいは新たに日本語としての意味を加えそれを漢字化しました。
一人称の「私(わたし)」の概念は、律令制のもとで、「公」の下位に従属することを前提にして、ひそやか・個人的・内輪事の延長の先に、「私」の世界を持つに至りました。言い換えれば、わたし=私が一人称として用いられるようになり、わたし=私が領域用語として、無味乾燥であることによって、価値に冒されない自立的「自己世界」を持つことになりました。
家の閾(しきい)の内側の私とする以外、一歩戸外に出た世間の物事はすべて公・公共のこととされ、その世間の公は、最大の公として国家領域、最高の公として天皇にまで至っていた時代がありました。
わたしの世界は存在していないのか言えば、公の関係に参加し協力しそこでの役割を果たしていれば、閾の内側のわたしの領域は決して干渉されることはなく、逆に、人に知られたくない内輪事、表向きとは違ったホンネの世界、公になれば都合の悪いわたし事が、誰にでもあるというとは、実は全体の間で隠然と公認されているのであります。おおやけを公然の領域、わたしを隠然の領域とした、二重の領域制で棲み分けられています。
長い封建治下を通り過ぎた後の明治の新政府は、明治憲法の制定と同時に教育勅語によって、国民道徳の根源、国民教育の基本理念として、忠君愛国、滅私奉公が強制され、ファシズムの時代を経験しましたが、戦後の日本国憲法によって市民的自由とともに「個人の尊重」を基底とする、個人の権利が認められる時代が到来しました。
日本では「公共」と言えば「私の関与できない、あるいは私の権利が主張できない、私以外の領域をさす」ことでしたが、現在では「公共」とは「個人」と別個の全体ではなく、いわば個人の集積としての「公共」として捉えなければならなくなりました。「個人の尊重」を基底原理とする憲法の下では、政治の目的は個人すべてが人間らしく生活できる、と言うところから出発しなければならないのであって、そのことこそ「公共性」があります。
さて、基本的人権とは、人間が社会を構成する自律的な個人として自由と生存を確保し、その尊厳を維持するため、それに必要な一定の権利が当然に人間に固有するものであることが認められ、そのように憲法以前に成立していると考えられる権利を、憲法が実定的な法的権利として確認したものであります。
こうして、人権を承認する根拠に造物主や自然法を持ち出す必要はなく、国際人権規約(社会権規約と自由権規約前文)に述べられているように、「人間の固有の尊厳に由来する」と考えれば足りるのであります。
この人間尊厳の原理は「個人主義」とも言われ、日本国憲法はこの思想を「すべて国民は、個人として尊重される」という原理によって宣明にしています。 
環境すなわち四囲・外界の事情、人間を含むすべての生物を取り巻く、それが相互に影響を及ぼし合う外界には、自然環境と社会的環境がありますが、生物にとっては呼吸し生命を維持する空間です。そして、環境の悪化・破壊とはそれを変化させるものであり、その悪化が人権と人間の人格形成の侵害になります。
渋谷区長によって許可され、住友不動産が建築完成させた「(仮称)渋谷区鴬谷計画」マンションラ・トゥール代官山の、常軌を逸した人権侵害はとうてい言葉では言い表せません。 泥棒にも3分の理があると言いますが、本計画は人間の心を踏みにじるばかりか、生存権を否定するものです。

「尊者は理によって卑者を責め、長者は理によって幼者を責め、貴者は理によって賎者を責め、自分が間違っていても卑者、幼者、賎者が理を争えば、正しくとも間違いとされる。……上が理によって下を責め、下の罪とされる例は遑がない。人が法によって刑死するのはまだ憐れんでくれようが、理の名の下に殺されるとなれば、ああ誰が憐れんでくれるだろうか。」(清代中葉の戴震 1723-77『孟子字義疏証』巻上、理)    
  
法の場合はどうせ人間がつくったもので誤りもあろうし、権力者が法にかこつけての意趣晴らしということもある。と、人は見なしてくれることもあるだろうが、理に背いたとなると人間の道を外した禽獣なみの外道として扱われてしまう。と言うことであります。
われわれの日常は、この国の共通言語を用いていますが、行政や司法が用い
る言語は異なります。こうして理が権力者・勢力家・有力者の恣意的な運用に委ねられた時、人間の悲劇・失望・混乱・憤り、理不尽に対する怒り、忍耐の頂点は何処に向けたらよいのでしょう!
これは納税の義務を果たした無辜な市民が、災害と放射能汚染の前面に曝されているのと同じ事であります。

結びの言葉

東京都23区において、渋谷区は平成23年2月末の争訟事件数は18件(特別区人事・厚生事務組合法務部調べ)、都内での最高を示していることは区民として恥ずかしい限りであり、渋谷区長の反憲法的かつ独善的行政手法を如実に証明するものであります。そして繰り返すならば、この中には区長の予断と予見に基づく「(仮称)渋谷区鶯谷町計画」事件も含まれています。
私たちの基本的人権と人格権・環境権・健康・生命・財産の侵害は、開発許可権者である渋谷区長と、開発業者である住友不動産が共謀して行った都市計画法と建機基準法違反から発生した人害であり、両者にすべての責任があります。
したがって、違法を承知で建築した両者の責任において、建築物の取り壊ししか解決の方途はありません。両者への厳正なる勧告によって、私たちの救済の道が開かれるよう伏してお願い申し上げます。
以上

【原宿団地】総合設計許可処分の取消訴訟で上告

渋谷区神宮前3丁目の原宿団地建て替え問題で、総合設計許可処分の取消を求める原告らは、控訴審判決を不服として上告した。
以下、上告受理申立理由書である。


平成24年(行ノ)第42号 総合設計許可処分取消上告受理申立事件
申立人 ●●●● 外5名
相手方 東京都

上告受理申立理由書

平成24年4月17日

最高裁判所 御中

上告受理申立人ら訴訟代理人弁護士 本  間  久  雄

●上告受理申立理由の要旨
本件は、東京都知事がなした総合設計許可処分の裁量の逸脱・濫用の有無が争われている事案である。
本件総合設計に際して設けられる広場状公開空地の大半が日照がゼロ時間というものである。このような広場状公開空地では、広場状公開空地に期待される公園としての機能を発揮し得ない。総合設計許可処分をなすにあたって、最も考慮すべき事情は、総合設計によって生み出される公開空地の質である。東京都知事は、総合設計許可処分にあたって最も考慮すべき事項である公開空地の質を全く考慮していない。これは、東京都知事に与えられた裁量の逸脱・濫用にあたる。
最高裁判所の行政庁の裁量処分審査においては、判断過程審査を取り、考慮要素を考慮したかについて、考慮要素をウェイト付けしながら審査をしているところ、原判決は、そのような考慮要素に着目した審査を行うことなく「総合的に考慮」したので「合理的裁量の逸脱があったと認めることができない」と何が「合理的裁量」なのか具体的に理由を述べることなく、極めて抽象的な判断を行った。
したがって、原判決には、判例違反があり、本件上告を受理し、上告受理申立人らの権利救済を速やかに図られたい。

第1 本件の争点
1 本件は、行政事件訴訟法30条(「行政庁の裁量処分については、裁量権の範囲をこえ又はその濫用があった場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」)の解釈、すなわち、行政庁の裁量処分の司法統制のあり方が争点となっている。

第2 本件訴訟の経過
1 東京都知事の総合設計許可処分及び上告受理申立人らの提訴
平成21年2月27日、東京都知事は、原宿団地管理組合に対し、原宿住宅団地管理組合らが東京都渋谷区神宮前3丁目37番地に建築予定の建物(以下、かかる建物を「本件建物」といい、本件建物が建築される土地のことを「本件土地」という。)について総合設計許可処分をした(以下、この処分のことを「本件許可処分」という。)。
平成21年3月16日、上告受理申立人らは、東京都建築審査会に対し、平成21年3月16日、本件許可処分の取消しを求めて審査請求をした・
平成21年9月28日、東京都建築審査会は、上告受理申立人らの審査請求につき、審査請求人15名のうち3名に係る部分を却下し、上告受理申立人ら全員を含む審査請求人12名に係る部分を棄却する旨の裁決をした。
平成22年1月22日、上告受理申立人らは、本件許可処分の取消しを求めて東京地方裁判所に訴訟を提起した。
2 上告受理申立人らの主張の概要
(1)はじめに
上告受理申立人らは、一審及び二審において、本件許可処分の違法性について、①総合設計許可要綱の合理性がないこと、②本件建物の総合設計許可要綱への適合性がないこと、③東京都知事が本件許可処分をなすにあたって裁量の逸脱・濫用があることを示す特段の事情があることについて主張立証をしてきた。
本件上告受理申立にあたっては、上告受理申立人らは、③東京都知事が本件許可処分をなすにあたって裁量の逸脱・濫用があることを示す特段の事情があることを重点的に主張していくので、以下では、③の事情のみを再度主張していく。
(2)東京都知事は、本件許可処分について考慮すべき事情を考慮していないこと
ア 総合設計制度とは
総合設計制度は、建築基準法59条の2の規定に基づき、一定規模以上の公開空地の確保等を条件に特定行政庁の建築許可により形態規制等を緩和(主として容積率割り増し)する制度である。この制度の基本は、単純にいえば、公開空地の提供と引き換えに、容積率を与えるというものであると言える(甲38号証332ページ)。
総合設計制度の趣旨は、もともと、市街地では建築物が密集し、公共的な空間に乏しいことから、建築物の周囲に一定の公開空地(一般の通行者が自由に利用できる空間)を確保するという点にある(甲2号証69ページ)。
イ 総合設計許可処分にあたっての重要な考慮要素
前述のように、総合設計制度は、公開空地の確保により市街地環境の整備改善に資する計画を評価しそのことによって市街地の環境の改善を図るという面と、それが確保されれば容積率、高さ制限、斜線制限などを緩和する(いわゆるボーナスを認める)面がある。
このように、総合設計制度は、公開空地の設置(外部経済)と引き換えに計画建物の容積率、高さ制限、斜線制限の緩和(=周辺環境の悪化。外部不経済)を認めるものであるから、総合設計制度によって設けられる公開空地は、容積率の緩和等による周辺環境へのマイナスの影響を補って余りある都市への貢献というプラスの影響が認められるものでなければならない。
それゆえ、総合設計許可処分をなすにあたって、最も考慮すべき事項は、総合設計によって発生する公開空地の質(容積率の緩和等による周辺環境へのマイナスの影響を補って余りある都市への貢献というプラスの影響が認められるものであるか否か)である。
ウ 本件建物の公開空地に重大な瑕疵があること
本件建物の公開空地(以下、「本件空地」という。)は、歩道上空地、広場状空地、ピロティの3つの部分に分かれているが、そのうち、広場状空地は、本件空地全体の約70パーセントの面積を占めている(甲7号証)。
ところが、本件広場状空地は、冬至の日においては、面積の約41パーセントに相当する部分が終日(午前8時から午後4時まで)日影となり、残余の部分においても、冬至の日の日照時間は、大半が4時間以下である(甲6号証の1)。
このような本件広場状空地の日影状況は、建築基準法56条、同法56条の2が規定する日影規制に照らしても不十分なものである(甲36号証。ちなみに、本件広場状空地所在地の用途地域は、第1種中高層住居専用地域である(甲6号証の1))。もし、本件広場状空地を原宿住宅団地地権者以外の者が所有していたとしたら、本件広場状空地は、本件建物建築によって、上記のような劣悪な日影状況で建築基準法の日影規制に照らして極めて長い日影時間となるため、日照権侵害として本件建物の建築差止や損害賠償が認容されるであろう。
本件広場状空地は、日照が不十分のみならず、袋小路状の形状のため、隣地に通り抜けもできず、極めて機能性が悪い(甲6号証の2)。
広場状空地は、公園として用いられることがその性質上予定されている。このことは、東京都作成の公開空地等のみどりづくり指針に関する手引が、広場状空地の機能として、ア歩行者動線との整合(人が溜まる空間と歩行空間を明確に分ける)、イ休養機能、ウ緑陰を掲げている(甲4号証12ページ)ことから明らかである。
公園の主な役割は、子どもの遊び場や近隣の人々の憩いの場である。それゆえ、子どもが楽しく遊んだり、近隣の人々が楽しく語らい、休息を取るためには、日照というものは欠かせない要素である。このことは、各種裁判例(控訴理由書18ページ以下参照。名古屋地裁昭和51年9月3日判決(判例時報832号9ページ)、東京地裁昭和52年2月28日判決(判例時報859号54ページ)、名古屋地裁昭和49年5月25日判決(判例時報756号92ページ))、公開空地や開発行為に伴う提供公園が終日日影となる場合には、公開空地とは認めない、若しくは、公開空地の評価を下げるとする横浜市・さいたま市・東京都の要綱(甲5号証、甲42号証の3、甲45号証)から明らかである。
本件広場状空地は、日照が極めて悪く(甲6号証の1)、通り抜けもできないような(甲6号証の2)空地であり、前述の公開空地等のみどりづくり指針に関する手引きや各種裁判例・要綱に照らして、広場状空地に期待される機能(=公園)が発揮できない状態となっており、極めて重大な瑕疵がある。
エ 東京都知事は、本件許可処分にあたって考慮すべき事項を考慮していないこと
ウで述べたような本件空地の劣悪さについては、総合設計適用の可否を巡る公聴会に際して、近隣住民から東京都知事に対して提出された意見書でも指摘され(甲30号証の1、2)、公聴会においても公述人から指摘されていた(甲31号証)ところである。
それにも関わらず、東京都知事は、本件空地の質の劣悪さについて何らの考慮もせず、本件建物の本件要綱の適合性の有無を形式的に審査しただけで、原宿住宅団地管理組合に対し、総合設計許可処分を出してしまった(調査意見(甲32号証)には、本件空地の質についての調査意見はなく、東京都建築審査会における総合設計許可処分に同意をなすか否かの審議(甲33号証)においても、本件空地の質について真摯に議論された形跡はなかった。)。そればかりか、東京都知事は、本件広場状空地に対し、漫然と係数1.2という通常の公開空地よりも高い評価を与えてしまったのである。
このように、東京都知事は、本件許可処分にあたって、公開空地の質という当然に考慮すべき事項を考慮しておらず、本件許可処分には、判断過程に瑕疵があり、裁量の逸脱・濫用にあたる。
3 上告受理申立人らの一審・二審での敗訴及び上告・上告受理申立て提起
(1)平成23年9月30日、一審である東京地方裁判所は、上告受理申立人ら敗訴の判決を下した。判決の内容は、原告の主張を列挙した後に、被告の主張を列挙し、「一定の合理性があるものというべきである。」、「未だ特定行政庁の合理的裁量の範囲内のものである。」、「直ちにその裁量権の範囲から逸脱した不合理なものとまでは言い難いものというべきである。」などと締めくくるだけであり、処分にあたって何が重要な考慮要素なのか、その考慮すべき重要な事項を考慮したか否かという点に着目したいわゆる判断過程審査を全く行っていなかった。
(2)平成24年3月28日、二審である東京高等裁判所は、上告受理申立人ら敗訴の判決を下した。判決の内容は、「(公開空地の日照が不十分である点なども含めて)総合的に考慮した上で本件許可処分がされたものと認められる。そして、その判断に合理的裁量の逸脱があったと認めることができないことは、上記引用に係る原判決の判示するとおりであり、その他、控訴人らがるる主張するところを考慮しても、本件許可処分が合理的裁量の範囲を逸脱した違法なものであると認めることはできない。」(二審判決13ページ)というものであり、一審判決と同様、処分にあたって何が重要な考慮要素なのか、その考慮すべき重要な事項を考慮したか否かという点に着目したいわゆる判断過程審査を全く行っていなかった。
(3)平成24年3月29日、上告受理申立人らは、二審判決を不服として、最高裁判所に上告及び上告受理申立を行った。

第3 原判決は早急に破棄されなければならないこと~原判決には判例違反があること~
1 原判決に対する批判
本件においては、上告受理申立人らは、後述のように、最高裁平成18年2月7日判決(民集60・2・401)や最高裁平成18年12月11日判決(民集60・9・3249)が用いた判断過程審査の枠組みにのっとり、東京都知事のなした行政処分(総合設計許可処分)について、公開空地の質という最も重要な考慮事項を考慮しておらず違法であることを、十分に事実関係を掲げて主張立証したにも関わらず、原審は、「(公開空地の日照が悪いことも含めて)総合的に考慮した上で本件許可処分がされたものと認められる。そして、その判断に合理的裁量の逸脱があったと認めることができないことは、上記引用に係る原判決の判示するとおりであり、その他、控訴人らがるる主張するところを考慮しても、本件許可処分を考慮しても、本件許可処分が合理的裁量の範囲を逸脱した違法なものであると認めることはできない。」と判示し、上告人らの主張を「総合的に考慮」、「合理的裁量の範囲」という言葉で一蹴してしまっている。
そもそも、どのような判断を下す場合であったとしても(例えば、昼食にどのようなメニューを食べるのかという単純な判断であったとしても)、種々の事情が「総合的に考慮」されるのであり、上告人らの主張する重要な考慮事項の考慮の有無を審理することなく、「総合的な考慮」があるから「合理的裁量の逸脱」がなかったとする原審の判断は、国民が行政庁の裁量処分を訴訟によって争う途を実質的に閉ざすものである。行政決定は、「諸般の事情を総合考慮」する性質を有するものであるからこそ、最高裁は、その違法性の判断にあたって、判断要素の選択・判断過程の合理性欠如に着目した裁量統制手法、すなわち判断過程審査を用いているのである(「条解行政事件訴訟法(第3版補正版)」(弘文堂)535ページ参照)。
「総合的に考慮」、「合理的裁量の範囲」といった「マジックワード」の一言で東京都知事の裁量の逸脱・濫用はないとする原審の判断のあり方は、行政処分を訴訟によって争う途を実質的に閉ざすものであり、ひいては、国民の裁判を受ける権利(憲法32条)すら有名無実のものとしかねない。裁量不審理原則を取っていた戦前の行政裁判所に後戻りしたかのような原審の判断は、早急に是正されなければならない。
2 原判決に最高裁判所の相反する判断があること
(1)近年の裁量審査における最高裁判所の判例(南博方・高橋滋編集「条解行政事件訴訟法第3版補正版」(弘文堂)534ページ以下参照)
近時、判例法は、判断過程審査手法を用い、行政裁量に係る審査密度を高める傾向性を強めている。その嚆矢となったのが、公立学校施設の目的外使用不許可処分につき国家賠償法上の違法が争われた事例において、処分に係る考慮要素に着目した判断過程統制手法を用いた最高裁判決(最高裁平成18年2月7日判決民集60・2・401)である。同判決は、目的外使用不許可処分につき「学校教育上支障があれば使用を許可できない」が、「支障がないからといって当然に許可しなくてはならないものではなく、行政財産である学校施設の目的及び用途と目的外使用の目的、態様等との関係に配慮した合理的な裁量判断により使用を許可しないこともできる」と述べて行政裁量を肯定した上で、裁量権行使における「判断要素の選択や判断過程に合理性を欠くところがないかを検討し、その判断が、重要な事実の基礎を欠くか、又は社会通念に照らして著しく合理性を欠くものと認められる場合に限って」違法になるとし、当該処分は、「重視すべきでない考慮要素を重視するなど、考慮した事項に対する評価が明らかに合理性を欠いており、他方、当然考慮すべき事項を十分考慮しておらず、その結果、社会通念に照らし著しく妥当性を欠」き、裁量権を逸脱したとする。同判決では、「社会通念に照らし著しく妥当性を欠く」という裁量審査基準について、「判断要素の選択や判断過程の合理性を欠くところがないか検討する」という判断過程審査手法と結合させている。なお、上記平成18年判決は、行政決定につき「諸般の事情を総合考慮」する必要の存在を根拠に、判断要素の選択・判断過程の合理性欠如に着目した裁量統制手法を導いていることに注目される。このことは、審査密度向上に係る特別な根拠付けなしに、当該行政決定につき行政庁に求められる一般的な総合考慮義務のみを根拠に、考慮要素の「重み付け」を伴う判断過程統制手法が採用可能なことを示しており、判例法の展開上極めて重要である。
上記平成18年判決の後、最高裁が判断過程統制手法を用いた代表的事例として、以下のようなものがある。

①最高裁平成18年3月23日判決(判例時報1929・37)
服役者からの親書を発信不許可とした刑務所長の処分に係る国家賠償請求事案において、監獄法46条2項に規定された「特に必要があると認められる場合」につき、憲法21条の趣旨・目的を踏まえた解釈により具体的な解釈準則を抽出し、上記不許可処分は「障害が生ずる相当の蓋然性があるかどうかについて考慮しないで」され、本件において「障害が生ずる相当の蓋然性があるということができないことも明らか」として裁量権の逸脱・濫用を認めた。
②最高裁平成18年9月4日判決(判例時報1948・26)
都市計画事業認可の前提となる都市計画決定の裁量権逸脱・濫用が争われた事案において、裁量判断の合理性欠如につき判定する具体的な事実の確定がされていないとして、原審を破棄・差戻しとした。同判決は、判断過程統制手法を正面から使ってはいないが、行政決定の合理性を判断するための考慮要素を具体的に摘出し、その考慮要素に係る考慮不尽が合理性欠如でないことにつき具体的事実の基礎づけが必要とすることにより、考慮不尽に係る審査密度を上乗せする法理が示されたものと考えられる。
③最高裁平成18年12月11日判決(民集60・9・3249)
都市計画事業認可の前提となる都市計画変更決定の違法が争われた事例において、都市計画決定につき「行政庁の広範な裁量」を肯定しつつ、前掲最高裁平成18年2月7日の法理をほぼ踏襲するかたちで、計画裁量についても考慮要素に着目した判断過程統制手法を採用した。同判決では、都市計画変更決定における①環境への影響に対する考慮、②計画的条件・地理的条件・事業的条件に係る考慮が検討され、①では、環境影響評価書の内容への配慮、公害防止計画の適合等が、②では、地下式等の代替案との比較、事業費算定方法の合理性等がそれぞれ検討され、裁量権の逸脱・濫用なしという結論が導かれている。
④最高裁平成18年10月26日(判例時報1953・122)
村の発注する公共工事の指名競争入札における指名回避措置について、指名競争入札の運用実態・指名回避措置を受けた事業者の事情等を具体的に検討した上で、考慮要素に着目した判断過程審査を行い、考慮不尽・過大考慮により当該措置を違法とした。
⑤最高裁平成19年12月7日民集61・9・3290
一般公共海岸区域の占有許可につき裁量を肯定した上で、係争処分につき「考慮すべきでない事項を考慮しておらず、その結果、社会通念に照らし著しく妥当性を欠」くとした。同判決は、効果裁量を肯定した後、係争処分に係る事情をピックアップし、直截的に他事考慮・考慮不尽による社会観念審査に持ち込んでいる。
(2)本件で、判断過程審査が取られるべきであること
前述のように、最高裁判所の判例においては、政策実現の手法が高度の専門技術的判断や利害関係人の聴聞あるいは審議会の諮問手続を要する行政決定等の裁量審査において、判断過程審査を採用し、①行政の判断形成過程において、考慮すべき事項・価値を考慮し、考慮すべきでない事項・価値を考慮(他事考慮)していないか、②考慮要素のバランシングは適切になされているか、その際、行政庁の恣意・不正な動機・独断が働いていないか(実体的要素)、③基礎的事実と結論の間に合理性があるか、といった点が審査されてきた(大浜啓吉「行政法総論第三版行政法講義Ⅰ」(岩波書店)271ページ)。
本件総合設計許可処分の場合、「市街地の環境の整備改善に資する」(建築基準法59条の2)か否かという高度な専門技術的判断を要するものである上、処分をなすにあたって、公聴会を経る必要がある(甲26号証)、建築審査会の同意が必要である(建築基準法59条の2第2項、同法44条2項)、といった手続を要する。
したがって、本件では、判断過程審査によって裁量処分を審査すべきであり、処分にあたって何が重要な考慮要素であるかを一切吟味することなく、処分にあたって「総合的に考慮」したので、「合理的な裁量の逸脱があったと認めることができない」などと判示した原判決は、(1)で述べた最高裁判所の判例に明らかに相反しており、破棄を免れない。

第4 結語
近時の最高裁判決が行っている判断過程における考慮要素のウェイト付けに基づく吟味(判断過程審査)をすることなく、「総合的に考慮」したので、「合理的な裁量の逸脱があったと認めることができない」などと判示するような原判決がまかり通るようになると、総合設計許可処分の取消訴訟において、原告が勝訴することは、およそ不可能となってしまう(総合設計は、その名のとおり、許可処分にあたって、種々の事情(交通面、安全面、防火面及び衛生面等)を総合的に考慮するのは当然である。上告受理申立人らは、種々の考慮要素のうち、東京都知事は、一番重要な考慮要素(=公開空地の質)を考慮しておらず、裁量の逸脱・濫用となっていると主張しているのである。)。
このような原判決は、総合設計許可処分の取消訴訟において、近隣住民に原告適格を認めた最高裁平成14年1月22日判決(民集56・1・46)、最高裁平成14年3月28日判決(民集56・3・613)を画餅に帰すものであるばかりか、行政裁量の審査密度の向上を試みてきた学説・判例の傾向(塩野宏「行政法Ⅰ(第5版)行政法総論」(有斐閣)135ページ)に逆行し、日本の行政訴訟を裁量不審理原則を取っていた戦前の行政裁判所の時代に戻すものである。原判決が確定し、先例となることによる日本の行政訴訟に対する悪影響は計り知れない。
したがって、本件上告を受理し、原判決を破棄することで、上告受理申立人らの権利救済を図るとともに、日本の行政訴訟を真に実効的なものとされたい。

附属書類
上告受理申立理由書副本  7通

以 上

【笹塚中学】笹塚中学給食事件は代々木警察署で捜査中

昨日、フジテレビのスーパーニュースで、渋谷区立笹塚中学校の給食事件が報道された。さすがにテレビ報道の影響は大きく、本ブログのヒット数が急増した。

同中学校長室で給食記録の改竄指示書類を発見した保護者らが、証拠隠滅を恐れてその書類を代々木警察署へ届け出たところ、渋谷区教委はその行為を窃盗・不法侵入・不退去・威力業務妨害であるとして、刑事告訴した。
一方、保護者らも、渋谷区教育委員会教育長・池山世津子、同次長・大澤一雅、笹塚中学校長・島本環樹を虚偽公文書作成及び同行使(刑法156条)で刑事告発している。
現在、双方の告訴、告発が代々木警察で捜査中であるが、これまで保護者側は公の場で、自らの正当性を堂々と主張しているが、渋谷区教委側はマスコミの取材には一切応じず逃げ回っている。
保護者らは、送検後に起訴されて、法廷で自らの主張を堂々と主張することを望んでいるようである。

setukoi2.jpg
      渋谷区教育委員会教育長・池山世津子

oosawa1.jpg
         元教育委員会次長、現都市整備部長・大澤一雅


【笹塚中学】笹塚中学給食事件をフジテレビのスーパーニュースで放映

昨日(1日)17時15分頃、フジテレビのスーパーニュースで渋谷区立笹塚中学の給食事件が放映された。
この事件の発端は、同中学の複数の生徒が「給食がまずい。量が足りない。」と保護者に訴えたことに始まる。
当時のPTA役員らは、学校に説明を求めたものの十分に応じないため、情報公開請求によって給食記録等を取得して調査を始めた。ところが渋谷区教育委員会は、その給食記録を改竄して公開し、平成22年6月3日、同中学校長室において、給食問題を校長と話し合いに来ていた保護者らが、給食記録の改竄を指示した書類を発見した。
保護者らは渋谷オンブズマンと共に、改竄指示書類を警察へ届け出たが、渋谷区教委は、保護者及びオンブズマンを窃盗、威力業務妨害等で刑事告訴した。一方、保護者及びオンブズマンも、池山教育長、大澤教育委員会次長、島本校長を虚偽公文書作成、同行使(刑法156条)で刑事告発した。

ニュースでは、「学校及び渋谷区教委の説明不足が、事件をここまで大きくしてしまった」と報じていたが、その通りである。今回も池山世津子教育長は、フジテレビの取材から逃げ回っていたようである。

IMG_kouchixyou.jpg
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
ブログランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
なかのひと
なかのひと
カウンター
情報提供求む

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。