【監査請求】渋谷サービス公社に対する株主代表訴訟提起の請求はどうなった?

(株)渋谷サービス公社は、NPO法人シブヤ大学に対して、神南分庁舎を無断転貸していた。渋谷オンブズマンが住民監査請求を提起すると、(株)渋谷サービス公社はその事実を認め、使用料相当損害金940万3659円を渋谷区へ返還した。
しかしながら、(株)渋谷サービス公社の株式は渋谷区が100%所有しているので、渋谷区の有する渋谷サービス公社の株式価値が、940万3659円分毀損されたと考えられる。
そこで渋谷オンブズマンは、平成23年10月31日、以下の通りの住民監査請求を改めて提起したところ、渋谷区監査委員は11月22日になっても口頭意見陳述の日程調整の連絡をしてこない。
内部情報によれば、渋谷区監査委員は本件住民監査請求に相当困っているようで、60日以内に監査をしない方針を固めつつあるとのことである。
渋谷オンブズマンは常日頃より、「主戦場は東京地裁である」と覚悟を決めている。
以下、住民監査請求書を再掲する。


請求の趣旨

渋谷区監査委員は、渋谷区長桑原敏武に対して、肥後慶幸(株式会社渋谷サービス公社代表取締役)に対する責任追及の訴え(会社法847条1項、株主代表訴訟)を提起させ940万3659円を株式会社渋谷サービス公社に返還させるための必要な措置を講ぜよ。


請求の原因

第1 当事者等
1 請求人らは、いずれも渋谷区民である。
2 桑原敏武は、現在の渋谷区長である。
3 肥後慶幸は、後述の平成20年5月29日から、請求日現在に至るまで、株式会社渋谷サービス公社(以下、「渋谷サービス公社」という。)の代表取締役の地位にある者である(甲1号証)。

第2 本件監査請求に至る経緯
1 株式会社渋谷サービス公社(以下、「渋谷サービス公社」という。)は、渋谷区から、行政財産使用許可を取得して、東京都渋谷区宇田川町5番2号所在の渋谷神南分庁舎2階を使用していた(なお、本請求に係る行政財産使用許可番号は、平成20年3月19日付清掃リサイクル許可第2号、平成21年3月19日付清掃リサイクル許可第2号、平成22年3月17日付環境保全許可第2号)。
2 渋谷区サービス公社が、渋谷区神南分庁舎2階を使用するにあたっての、許可条件の中に、転貸禁止(「使用者は、使用財産を他の者に転貸してはならない。」)の条件が盛り込まれていた(甲2号証。なお、甲2号証は、平成22年度の行政財産使用許可であるが、平成20年度、平成21年度の行政財産使用許可についても、同様に転貸禁止の条件が盛り込まれていた。)
3 しかるに、渋谷サービス公社は、転貸禁止の条件に違反し、平成20年5月29日以降、特定非営利活動法人シブヤ大学(以下、「シブヤ大学」という。)に対し、渋谷区神南分庁舎2階を事務所として、シブヤ大学に使用させた。そのため、渋谷サービス公社は、転貸禁止条件に違反したことにより、渋谷区に対し、平成22年12月8日、シブヤ大学使用部分に係る平成18年4月1日から平成22年3月17日付環境保全許可第2号の使用期間終了時である平成23年3月31日までの行政財産使用料相当額(合計847万4108円)並びにこれに対する平成22年12月8日までの間の年5分の割合による遅延損害金相当額(合計120万5887円)合計967万9995円の支払を行った。なお、後に、渋谷サービス公社は、渋谷区より、当該室の明渡完了日(平成23年1月末日)から平成23年3月31日までの2ヵ月分の行政財産使用料相当額(27万6336円)の還付を受けた(甲4号証)。

第3 株主代表訴訟を提起すべきこと
1 渋谷サービス公社が、転貸禁止の条件に反し、シブヤ大学に渋谷区神南分庁舎2階を貸し付けたことにより、渋谷区サービス公社は、940万3659円(967万9995円-27万6336円)の損害を被った。
転貸禁止の条件は、行政財産使用許可書に明記されている(甲1号証)以上、それに違反して、転貸を行うことは、取締役の善管注意義務違反(会社法330条・民法644条)、忠実義務違反(会社法355条)となる。
2 渋谷区は、渋谷サービス公社の株主であり(甲3号証)、渋谷サービス公社代表取締役肥後慶幸の善管注意義務違反、忠実義務違反によって、渋谷区の有する渋谷サービス公社の株式価値が、940万3659円分毀損された。
3 渋谷区長は、渋谷区の財産管理について、善管注意義務を負っており(地方自治法138条の2「普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。」)、渋谷区の被った損害(940万3659円)を回復するために、肥後慶幸に対し、責任追及の訴え(会社法847条1項、株主代表訴訟)を提起しなければならない。

第4 結語
以上の次第であるから、請求の趣旨記載のとおりの監査を求める。

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