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【国賠訴訟】情報公開審査会への諮問遅延行為に対する国賠訴訟

渋谷オンブズマンの情報公開異議申し立てに対して、渋谷区及び渋谷区教育委員会は、審査会への諮問を遅延している。この遅延行為を正すために、渋谷オンブズマンは国賠訴訟を提訴しているが、2月14日、第2回口頭弁論が開かれた。
原告は以下の準備書面を提出した。


平成23年(ワ)第30770号 損害賠償請求事件
原告 久保田正尚
被告 渋谷区

原告準備書面(2)

平成24年2月14日

東京地方裁判所民事第48部合議B係 御中

原告訴訟代理人弁護士 本  間  久  雄

被告の平成24年2月14日付準備書面(1)に対して以下のとおり反論する。

第1 原告の兼子仁に対する大いなる失望
1 兼子仁の意見書が乙6号証として提出された。意見書の内容は、法制的にも、手続的にも、取消訴訟は不服申立てに優先するというものであり、まるで情報公開審査会が、訴訟よりも劣位下等な存在であるかのような意見を述べている。
2(1)原告が、異議申立て1及び異議申立て2を行ったのは、兼子仁に情報公開審査会の素晴らしさを啓蒙され、兼子仁が会長を務める渋谷区個人情報の保護及び情報公開審査会ならば、原告の権利が適正に実現されるものと確信したからである。
(2)兼子仁は、過去に、岩波新書から、「新 地方自治法」(甲9号証)、「自治体・住民の法律入門」(甲10号証)という新書を出版している。それらの新書において、兼子仁は、情報公開審査会が如何に住民の知る権利に資する存在であるか、兼子仁が、如何に住民の知る権利のために努力を重ねているかについて、以下のとおり熱く語っている。

ア 「『実施機関』からの意見聴取は、非公開を条件に、非公開(・本人不開示)とされた当の公文書のコピーを眼のあたりにしながら(これをインカメラ審査という)、したがって、‘公開(・本人開示)の行政支障’の有無について‘迫真’の審査となりうる。」(甲9号証15ページ以下)。
イ 「判例で非公開が是とされても、個人情報秘などでないかぎり、同種情報の別ケースについて審査会答申で公開とすることは判例に反しないとかいされるので、情報公開を進めていくのには審査会答申の役割が永続すると言えよう。」(甲9号証16ページ)
ウ 「地方自治の情報公開は、住民の知る権利の主張と全国各地の審査会答申をめぐってダイナミックな展開がありうるとみてよい。」(甲9号証16ページ)
エ 「条例『実施機関』からの意見聴取は、非公開である審査会の限りで、非公開(・本人不開示)とされた当の公文書のコピーを眼のあたりにしながらの『インカメラ審理』というしくみが定められ、したがって‘公開(・本人開示)による行政支障’が果たしてどうかについてリアルな審査になりうる。非公開とされた会議録その他の詳しい公文書の中身に立ち入って、できるだけの部分公開・部外秘の‘線引き’をすることができるのも、裁判所の判決にない審査会答申の特色だと言える。」(甲10号証133ページ)
オ 指導要録の所見欄が従前の行政運用上は不開示の扱いとなっていた(そのことについて裁判例も追認していた)が、情報公開審査会の答申によって、開示の扱いにさせたことを、自身が会長を務めた川崎市個人情報保護審査会や目黒区審査会の例を出して熱く語っている(甲10号証135ページ以下)
(3)以上のように、原告は、兼子仁の書いた新書で情報公開審査会には、訴訟とは違う独自のメリットがあることを知り、また、兼子仁の住民の知る権利を実現させようとする情報公開審査会における真摯かつ熱意あふれる態度(「やはり自治体における環境・まちづくり・保健福祉・教育・住宅などにかかわる生活行政情報を公開請求していくことが、生活者住民にとってより重要であるに違いない。そしてその際に、公開請求を全部ないし一部拒否する非公開決定に対して住民が行政『不服申立て』をした場合に、公開条例に基づく『情報公開審査会』による第三者的な審査の展開されることが、十分に評価されてよいだろう。現に筆者は、学識経験委員である審査会長を務めることが多く、『口頭意見陳述』ということで住民の方がたが知る権利の主張を現実の紛争ケースにかかわって切々と訴えられるのに正面で相対していると、その印象はきわめて強い。」(甲10号証132ページ以下))を目の当たりにして、兼子仁が会長を務める渋谷区個人情報の保護及び情報公開審査会ならば原告の「知る権利」が適正に実現できるものと考え、異議申立てに及んだ。
3 訴訟とは異なる情報公開審査会の独自性・メリットを主張してきたのにもかかわらず、自らの意見を曲げ、情報公開審査会が、訴訟よりも劣った存在であるかのような意見を平然と述べる兼子仁のまるで御用学者のような姿勢に対して、原告は大いに失望している。

第2 取消訴訟が不服申立てに優先することはないこと
1 被告は、法制的にも、手続行為的にも取消訴訟が不服申立てに優先するなどと主張している。
2 しかしながら、行政事件訴訟法8条1項が、自由選択主義を取っている以上、法制的に取消訴訟が不服申立てに優先するということはおよそ考えられない。原告は、念のため、行政法の主要な基本書(塩野宏「行政法Ⅱ」、宇賀克也「行政法概説Ⅱ」、阿部泰隆「行政法解釈学Ⅱ」)を参照したが、被告が主張するような解釈を取る基本書は一つも存在しなかった。そもそも、情報公開審査会には、訴訟にはないインカメラ審理(甲11号証。兼子仁は、インカメラ審理のメリットついて、「実施意見聴取はまさにインカメラ審理によって、公文書‘現物’を眼の当たりにしながらの‘迫真’の審査となるわけである。裁判と異なるその成果としては、全部非公開・不開示の公文書の内容に立ち入って、ぎりぎりのところまで部分公開・開示と部分秘との‘線引き’を答申して、それだけ住民の知る権利保障を増幅することができるのである。」(甲11号証13ページ)と述べている。)をすることが可能であり、取消訴訟だけでなく情報公開審査会で審理を受ける独自のメリットがある。そのため、被告が主張するような解釈を取ると、不服申立人の利益が著しく減殺されてしまう。
また、被告の主張する手続行為的理由についても、処分行政庁が、「理由説明書」や審査会が実施機関に対して行う口頭の意見聴取の要点が原告の書証とされ得ることに懸念を抱いた場合は、行政事件訴訟法8条3項に基づき、異議申立て決定があるまで、訴訟手続を中止するように求め、不服申立て手続を先行させるのが法の定めであり、取消訴訟が不服申立てに優先する理由になり得ない。
3 したがって、行政事件訴訟法8条1項が自由選択主義を定めている以上、取消訴訟が不服申立てに優先すると解釈することはおよそ考えられない。

第3 審査会への諮問について、処分行政庁に時期の裁量はないこと
1 被告は、「諮問は、当該処分の適否・当否の判断を第三者審査機関に委ねるものであることから、前述のとおり、その後に提出すべき理由説明書の内容を十分に検討し、関係資料を整えつつ行う必要がある。」などとし、処分行政庁が審査会に諮問するにあたって、その時期について広い裁量があると主張しているようである。
2 しかしながら、本件条例が処分行政庁に遅滞のない諮問を義務付けたのは、不服申立人の利益(意見書を審査会に提出するのを可能ならしめる。当該事案が処分行政庁に諮問されないまま長期間にわたって留め置かれることを防止する。口頭意見陳述の準備。不服申立人に不信感をもたせない。)のためである(甲7号証143ページ)。そのため、被告が主張するような理由で、本件のように諮問を1年前後にわたって大幅に遅らせることは許されない。
3 したがって、処分行政庁が審査会に諮問するにあたって、その時期について広い裁量はなく、処分行政庁は、書類を整え次第、審査会に対し、速やかに諮問を行わなければならない。

第4 高橋由紀の陳述書における原告の言動について
1 高橋由紀の陳述書(乙7号証)3ページで、原告が、高橋に対し、「異議申立てをたくさんしているので、西原小学校放課後クラブのおやつの記録の可否決定について、異議申立てをしたかどうか記憶が定かでない。教育委員会で受理しているか。」と発言したと述べられている。
そして、高橋の陳述書をもとに、被告は、原告が異議申立てをしたか否か忘れている以上、原告が懊悩することはおよそ考えられないなどと主張している。
2 しかしながら、2年半近く前のことなので、原告は、かかる発言を行ったか否か確かな記憶がないため、高橋由紀の陳述書に記載されている原告の発言については、否認する。
仮に原告が、そのような趣旨の発言をしたのであれば、処分行政庁よりいつまでたっても諮問をしたという通知がないので、もしかしたら異議申立てを出していなかったか、出していたとしても情報公開の窓口で何らかの事情(事故)で滞っているのではないかと懸念したための発言であろう。被告における異議申立ては、事件番号等が知らされるわけでもなく、受理されたことがわかる証拠物が発行されないので、異議申立人にしてみれば、あまりに時間がかかると、不安になるのは当然である。仮にそのような趣旨の発言をしたとすれば、かかる状況の中で、念のための確認であったと考えられる。すなわち、原告の発言(仮になされた場合であるが)は、諮問が一向になされなかったことによる不安感・不信感(甲7号証143ページ参照)に駆られての発言である。

以 上
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内閣府情報公開・個人情報保護審査会は

諮問の遅れを糾しています。

「異議申立人は,本件諮問が異議申立て後2年余り経過してなされたのは,違法,不当であると主張している。
本件諮問の経緯及び諮問庁の対応についてみると,諮問庁からは,平成15年7月に,本件を含む多数の諮問がなされ,それらの諮問の中には,本件と同様,法施行後間もない時期に開示決定等がなされ,不服申立てを受けてから上記の時期の諮問まで,長期間を経ているものが多いが,本件諮問の内容についてみると,不服申立てから諮問まで,これほどの長期間を要するものとは考え難く,開示決定等に対する不服申立てへの対応として,本件諮問は遅きに失したものと言わざるを得ない。長期間の調査,検討を必要とする案件もあることは理解するが,今後においては,迅速かつ的確な対応が望まれるところである。」
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h16-02/082.pdf

「本件諮問は,審査請求後,2年8か月余を経過してされている。本件対象文書の不開示理由からして,審査請求から諮問までにそれほど長期間を要するものとは到底考え難く,本件諮問は,遅きに失したと言わざるを得ない。諮問庁においては,今後,開示決定等に対する不服申立事件における諮問に当たって,迅速かつ的確に対応することが望まれる。」
http://www8.cao.go.jp/jyouhou/tousin/h21-01/011.pdf
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