【シブヤ大学】再度、住民監査請求を提出

渋谷オンブズマンは、(株)渋谷サービス公社が神南分庁舎の一部をNPO法人シブヤ大学に無断で無償転貸していた事件に関して、住民訴訟を提訴して係争中である。
住民訴訟の前提である住民監査請求を、渋谷区監査委員は財務会計上の行為ではないとして却下したが、不当な却下であると判断して提訴したところ、裁判所は財務会計上の行為であると判断して本案審理に入った。
ところが被告・渋谷区は、本件住民訴訟は、渋谷区監査委員が住民監査請求を却下しているので、適法な住民監査請求を経ていないと主張したので、念のため、もう一度、今回の住民監査請求を提出したものである。
監査委員が住民監査請求を不当に却下した場合、その住民監査請求をもって、住民訴訟の適法な前置とするという判例は確立されてはいるものの、裁判長から「もう一度住民監査請求をすれば、この争点は無くなる」という指摘を受けて、今回、再度、住民監査請求を提出したものである。
以下、請求書である。


請求の趣旨
渋谷区監査委員は、渋谷区長桑原敏武に対して、肥後慶幸(株式会社渋谷サービス公社代表取締役)に対する責任追及の訴え(会社法847条1項、株主代表訴訟)を提起させるための必要な措置を講ぜよ。

請求の原因

第1 当事者等
1 請求人らは、いずれも渋谷区民である。
2 桑原敏武は、現在の渋谷区長である。
3 肥後慶幸は、後述の平成20年5月29日から、請求日現在に至るまで、株式会社渋谷サービス公社(以下、「渋谷サービス公社」という。)の代表取締役の地位にある者である(甲1号証)。

第2 本件監査請求に至る経緯
1 渋谷サービス公社は、渋谷区から、行政財産使用許可を取得して、東京都渋谷区宇田川町5番2号所在の渋谷神南分庁舎2階を使用していた(なお、本請求に係る行政財産使用許可番号は、平成20年3月19日付清掃リサイクル許可第2号、平成21年3月19日付清掃リサイクル許可第2号、平成22年3月17日付環境保全許可第2号)。
2 渋谷サービス公社が、渋谷区神南分庁舎2階を使用するにあたっての、許可条件の中に、転貸禁止(「使用者は、使用財産を他の者に転貸してはならない。」)の条件が盛り込まれていた(甲2号証。なお、甲2号証は、平成22年度の行政財産使用許可であるが、平成20年度、平成21年度の行政財産使用許可についても、同様に転貸禁止の条件が盛り込まれていた。)
3 しかるに、渋谷サービス公社は、転貸禁止の条件に違反し、平成20年5月29日以降、特定非営利活動法人シブヤ大学(以下、「シブヤ大学」という。)に対し、渋谷区神南分庁舎2階を事務所として、シブヤ大学に使用させた。そのため、渋谷サービス公社は、転貸禁止条件に違反したことにより、渋谷区に対し、平成22年12月8日、シブヤ大学使用部分に係る平成18年4月1日から平成22年3月17日付環境保全許可第2号の使用期間終了時である平成23年3月31日までの行政財産使用料相当額(合計847万4108円)並びにこれに対する平成22年12月8日までの間の年5分の割合による遅延損害金相当額(合計120万5887円)合計967万9995円の支払を行った。なお、後に、渋谷サービス公社は、渋谷区より、当該室の明渡完了日(平成23年1月末日)から平成23年3月31日までの2ヵ月分の行政財産使用料相当額(27万6336円)の還付を受けた(甲4号証)。

第3 株主代表訴訟を提起すべきこと
1 渋谷サービス公社が、転貸禁止の条件に反し、シブヤ大学に渋谷区神南分庁舎2階を貸し付けたことにより、渋谷サービス公社は、940万3659円(967万9995円-27万6336円)の損害を被った。
転貸禁止の条件は、行政財産使用許可書に明記されている(甲2号証)以上、それに違反して、転貸を行うことは、取締役の善管注意義務違反(会社法330条・民法644条)、忠実義務違反(会社法355条)となる。
2 渋谷区は、渋谷サービス公社の株主であり(甲3号証)、渋谷サービス公社代表取締役肥後慶幸の善管注意義務違反、忠実義務違反によって、渋谷区の有する渋谷サービス公社の株式価値が、940万3659円分毀損された。
3 渋谷区長は、渋谷区の財産管理について、善管注意義務を負っており(地方自治法138条の2「普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例、予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令、規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。」)、渋谷区の被った損害(940万3659円)を回復するために、肥後慶幸に対し、責任追及の訴え(会社法847条1項、株主代表訴訟)を提起しなければならない。

第4 結語
以上の次第であるから、請求の趣旨記載のとおりの監査を求める。

第5 上申事項
渋谷区は、本件と同様の問題が争点となった住民訴訟において、株式価値の維持保全のために株主代表訴訟を提起することは、財務会計上の行為であると認めている(甲5号証、甲6号証)ことから、本件監査請求を財務会計上の行為でないと却下することなく、本案に立ち入って審理をされたい。

事実証明書
甲1号証から甲4号証までは、監査請求人らが平成23年10月31日付で行った監査請求に添付した事実証明書を引用する。甲5号証は、本件と同様の問題が争点となった住民訴訟の渋谷区の答弁書、甲6号証は、同訴訟の渋谷区の準備書面(1)である。

以 上
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