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【国賠訴訟】旅行命令簿の非公開決定処分に対して国賠訴訟を提訴

渋谷区議会議員・堀切稔仁は、渋谷区職員等の旅行命令簿を情報公開請求したところ非公開決定処分となったので、決定処分取消訴訟を提訴したところ、実質勝訴し、該当文書は公開された。この事件は、マスコミで大きく取り上げられ、本ブログでも数回にわたり報じた。
この事件に関して、渋谷区の非公開決定処分は、法令を無視した不法行為である可能性が高く、昨日(23日)、堀切議員は、渋谷区を相手取って国賠訴訟を提訴した。
以下、訴状である。


請求の趣旨
1 被告は、原告に対し、220万円及びこれに対する平成22年12月16日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は仮に執行することができる。
との判決を求める。


請求の原因

第1 当事者
1 原告は、被告の住民であり、かつ、被告の違法不当な行政運営の監視是正を目的として設立された市民団体「渋谷オンブズマン」の事務局長を務める者である。そして、原告は、平成23年4月より渋谷区議を務めている。
2 被告は、東京都特別区のうちの一つである。近年、被告は、違法不当な行政運営を問題視され、区民より多数の行政訴訟(住民訴訟・情報公開訴訟・環境行政訴訟・国家賠償請求訴訟等)を提起されている。被告の平成21年度の係争事件は、合計25件、平成22年度の係争事件は、合計21件であり、いずれも東京23区の中で最多の件数である。

第2 本件提訴に至る経緯
1 原告の情報公開請求と渋谷区教育委員会の公文書非公開処分
(1)原告は、平成22年9月8日、渋谷区教育委員会に対し、渋谷区情報公開条例(甲1号証、以下、「本件条例」という。)5条1号に基づき、下記の文書(以下、特に断りのない限り、これらの文書を総称して「本件文書」という。)を情報公開請求した(甲2号証)。

ア 平成21年9月~12月までの全中学校の校長、副校長の旅行命令簿
イ 平成21年9月~12月までの笹塚中学校の来校者名簿
ウ 平成21年9月~12月までの渋谷区教育委員会職員が笹塚中学校に向か った旅行命令簿
エ 平成21年9月~12月までの渋谷区教育委員会へ笹塚中学校職員が向か った旅行命令簿
(2)平成22年12月16日、渋谷区教育委員会は、原告の上記情報公開請求に対し、公文書非公開決定処分(渋教庶収第160号、以下、「本件処分」という。)を行い、上記処分についての決定書は、同年12月17日、原告に交付された(甲2号証)。
上記決定書には、公開することができない理由として、以下のような理由が掲げられていた。

【旅行命令簿・来校者名簿】
・条例第4条違反
請求人所属団体のブログは、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており、さらにその状態が日々更新されている状況が続いている。
当該文書を公開することにより、その内容を利用して新たな中傷等が繰り返されるおそれがある。それにより当該個人の権利利益を侵害し、これらの中傷等により学校現場が混乱に陥り、生徒の教育を受ける権利を侵害するおそれがあり、公開情報の適正な使用を定めた条例第4条に違反するため。
【旅行命令簿】
・条例第6条第2号イただし書該当
一部メディアにおいて、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており、さらにその状態が日々更新されている状況が続いている。
当該文書を公開することにより、これらメディア上等で当該職員が不当な批判にさらされ、当該職員の権利利益を害するおそれがあるため。
・条例第6条第6号該当
一部メディアにおいて、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており、さらにその状態が日々更新されている状況が続いている。
当該文書を公開することにより、こうした状況が保護者、生徒の学校に対する不安や心配をあおり、地域社会における学校の信用を無用に低下させ、学校現場の混乱による生徒への権利利益の侵害につながり、正常な学校運営に支障を及ぼすおそれがあるため。
【来校者名簿】
・条例第6条第2号該当
一部メディアにおいて、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており、さらにその状態が日々更新されている状況が続いている。
当該文書を公開することにより、これらメディア上等で当該文書に氏名等が記載された個人が不当な批判にさらされ、当該個人の権利利益を害するおそれがあるため。
・条例第6条第3号ア該当
一部メディアにおいて、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており、さらにその状態が日々更新されている状況が続いている。
当該文書を公開することにより、これらメディア上等で当該文書に社名、社員等が記載された法人等が不当な批判にさらされ、当該法人等の権利利益を害するおそれがあるため。
・条例第6条第6号該当
一部メディアにおいて、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており、さらにその状態が日々更新されている状況が続いている。
当該文書を公開することにより、こうした状況が保護者、生徒の学校に対する不安や心配をあおり、地域社会における学校の信用を無用に低下させ、学校現場の混乱による生徒への権利利益の侵害につながり、正常な学校運営に支障を及ぼすおそれがあるため。
2 渋谷区教育委員会の非常識な公文書非公開処分についての一連の新聞報道及び原告の行政訴訟提訴
(1)前述のように、渋谷区教育委員会は、原告に対して、原告が、渋谷オンブズマンのメンバーであること及びメディアで後述の笹塚中学校の給食問題事件が報道されていることを理由として、公文書非公開処分を行った。
しかし、行政の保有する情報は公開されるのが原則である。そして、公開された情報を市民に伝達する「渋谷オンブズマン」の活動は、「国民が行政の諸活動を注視し、行政機関に説明を求め、又はその説明を聞いて行政に関する意見を形成し、行政が適切に行われることを促すために、その意見を適宜の形で表明する」(情報公開法要綱案(中間報告)平成8年4月24日行政改革委員会)ものであって、「国民の適格な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」(情報公開法1条)という情報公開制度の目的の純粋な実践である。
渋谷区教育委員会の非公開決定は、なにより、請求者が被告の行政運営に批判的な表現活動をしている団体のメンバーであることを理由に情報の公開を拒絶している点で、憲法21条の保障する表現の自由に対する深刻な侵害行為であるといわざるを得ない。また、渋谷区教育委員会は、そもそも情報公開条例上非公開理由とはならない請求者の適正利用の責務違反を非公開の理由とし、また、原告の区政に対する論評を不当な批判とするなど、前提となる事実を誤認し、旅行命令簿の公開による学校運営上の支障のおそれといった想定しがたい理由を挙げるなど、その非公開決定は、情報公開制度の趣旨目的を全く理解しない条例の解釈を誤った違法なものである。
このような渋谷区教育委員会の情報公開制度、ひいては民主主義の理念を没却しかねない非常識な対応は、マスメディアの注目するところとなり、平成22年12月28日、毎日新聞で大々的に報道された(甲3号証の1、2)。
(2)平成22年11月25日、渋谷オンブズマン代表者久保田正尚は、渋谷区教育委員会に対し、以下の文書を請求していた。

旅行命令簿(兼旅費請求内訳書)
平成21年10月分~同年12月分
庶務課、学務課全職員分
   
上記文書は、渋谷区教育委員会全職員の旅行命令簿であるから、当然、原告が請求していた旅行命令簿も含まれている。
平成23年1月21日、渋谷区教育委員会は、久保田に対し、上記請求に対して、公文書一部開示処分を行った(甲4号証の1。開示された旅行命令簿につき、甲4号証の2)。
情報公開請求の対象文書は同じなのに、原告には開示せず、別の請求者には開示を行った渋谷区教育委員会の対応は、新聞報道を受けてのことだと思われる。そして、かかる渋谷区教育委員会の奇異な対応は、毎日新聞で報道された(甲5号証)。
(3)平成23年2月15日、原告は、渋谷区教育委員会がなした上記公文書非公開処分の取消を求めて、東京地方裁判所に訴訟を提起した(甲6号証。以下、この訴訟のことを「別件訴訟」という。)。
そして、上記提訴は、毎日新聞をはじめ、読売新聞にも報道された(甲7号証)。
平成23年4月21日、別件訴訟の第一回口頭弁論が東京地方裁判所民事第2部で開かれた。同口頭弁論において、原告の請求の却下ないし棄却を求める旨の被告からの答弁書が提出されたが(甲8号証)。裁判長は、被告に対し、「非公開決定処分を取り消すつもりはないのか。」と強く促したところ、被告は、「5月の連休明けを目途に結論を出せるように検討する。」と回答した。
平成23年5月9日、渋谷区教育委員会は、原告に対し、本件文書のうち旅行命令簿(第2の1(1)記載の文書のうちアウエ。以下、これらの旅行命令簿を「本件旅行命令簿」という。)の公文書一部開示処分を行った(甲9号証)。
平成23年5月31日、別件訴訟の第二回口頭弁論が開かれ、訴訟費用の負担は被告とすることを求める旨の意見書(甲10号証)が原告から提出された上で、結審した。
平成23年7月12日、別件訴訟の判決が言い渡された(甲11号証)。公文書一部開示処分が行われたため、訴えは却下されたものの、「上記前提事実記載の事実経過等によれば、原告が本件訴えの提起を契機としてされたものと推認するのが相当である。」として、訴訟費用は、被告の負担とされた。
3 本件訴訟提訴
以上のように、原告は、最終的には、情報公開請求にかかる文書を入手することができたものの、渋谷区教育委員会が、本件条例の趣旨を無視し、本件条例について独自の解釈・運用を行ったため、原告は、自らの権利の実現のために、訴訟を提起せざるを得なくなり、時間的経済的精神的負担を負った。また、被告の違法不当な行政運営の監視是正を自らのライフワークとしている原告にとって、民主主義の根幹を支える情報公開制度を根底からないがしろにする渋谷区教育委員会の態度は絶対に看過することはできない。そのため、原告は、自らが被った精神的損害の賠償を求めて、本件訴訟を提起した。

第3 被告の違法性
1 本件条例の解釈を明らかに誤った違法
(1)非公開理由
渋谷区教育委員会は、非公開理由として、原告の情報公開請求が、公開情報の適正な使用を定めた条例第4条に違反し、原告の情報公開請求にかかる文書に、本件条例第6条2号、第6条2号イただし書、第6条4号、第6条6号に規定されている情報が記載されているとして、本件処分を行った(甲2号証)。
しかしながら、以下に述べるとおり、原告の情報公開請求にかかる文書のうち、少なくとも本件旅行命令簿については、渋谷区教育委員会が主張する非公開理由に該当しないことが明らかであり、渋谷区教育委員会は、情報公開制度を恣意的に運用するものであって、公務員の職務上通常尽くすべき注意義務に反することは明らかであり、国家賠償法上も違法性がある。
(2)本件条例第4条非該当性
渋谷区教育委員会は、原告が、本件条例第4条の定める利用者の責務に反するので、非公開処分を行ったとしている(甲2号証)。
しかしながら、本件条例が「公開しないことができる情報」として定めているのは本件条例第6条に該当する場合だけであり、そもそも本件条例第4条(同規定は訓示規定にすぎない)を非公開処分の根拠とすることは許されない。 しかも、渋谷区教育委員会は、「請求人所属団体のブログは、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており」などとしているが、渋谷オンブズマンのブログに、笹塚中学校の教職員・PTA会長の個人名が一部挙げられた部分があるが、同人らを誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されたことはない。渋谷区教育委員会が、被告及び渋谷区教育委員会に批判的な記事が掲載されていることをもって、誹謗中傷されたとしているのであれば、同主張は憲法が保障する表現の自由(当然に行政を批判する自由を含む)を侵害するものであり、到底許されるべきものではない。
(3)本件条例第6条第2号イただし書き非該当性
渋谷区教育委員会は、「当該文書を公開することにより、これらメディア上等で当該職員が不当な批判にさらされ、当該職員の権利利益を害するおそれがある」ので、本件文書には、本件条例第6条第2号ただし書きに規定されている情報が含まれているとしている(甲2号証)。
しかしまず、教職員の公務で行った行き先及びその目的が記載されているに過ぎない旅行命令簿という情報それ自体が公開されることによって職員の権利利益が不当に害されるなどということはありえない。渋谷区教育委員会が非公開理由としているのは、当該情報をもとに請求者が行政を批判すると、それは「当該職員が不当な批判にさらされる」ということになる、という者の要であるが、非公開理由は、情報が公開されること自体による支障から判断されるものであって、公開された情報の使用方法による支障から判断されるものではない。しかも公開された情報をもとに行政に関する意見を形成し、その意見を表明することは、まさに情報公開制度の目的とするところであって、それを「不当な批判」などとして非公開理由とすることは許されない。渋谷区教育委員会の主張によれば、行政にとって不都合な文書は、全て「職員が不当な批判にさらされる」として、非公開とできることになり、情報公開制度を骨抜きにするに等しいものである。
なお、非公開理由中の「メディア」が何を指すのか明らかではないが、後述のとおり、渋谷オンブズマンのブログ及び週刊誌「週刊金曜日」には、本件情報公開請求の背景となる問題の記述があるが、渋谷区教育委員会の職員や学校教員を誹謗中傷した記事が掲載されたことはなく、渋谷区教育委員会の主張するような事態は起こるはずもない。正当な言論の行使を「不当な批判」などと決めつけることは、筋違いも甚だしい。
(4)本件条例第6条第6号非該当性
渋谷区教育委員会は、本件文書が公開されると、正常な学校運営に支障を及ぼすおそれがあるため、「当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」(本件条例第6条第6号)としている(甲2号証)。
しかしながら、教職員の公務で行った行き先及びその目的が記載されているに過ぎない旅行命令簿が公開されることで、「正常な学校運営に支障を及ぼす」事態が起こるはずもなく(なお、本件処分がなされるまで、渋谷区教育委員会の旅行命令簿は、情報公開請求があれば開示されており(甲12号証)、本件処分後も開示されている(甲4号証の1、甲4号証の2)、本件文書に、本件条例第6条第6号が規定している情報が含まれていないことは、明らかである。
(5)小括
以上のように、渋谷区教育委員会は、本件条例を捻じ曲げて、極めて恣意的に解釈しており、公務員が職務上通常尽くすべき注意義務に違反していることは明白である。
2 表現の自由・結社の自由(憲法21条)の侵害
渋谷区教育委員会は、非公開理由として、「条例第4条違反:請求人所属団体のブログは、笹塚中学校保護者、教職員など関係者の個人名を挙げて、誹謗中傷する記事及びコメントが掲載されており、さらにその状態が日々更新されている状況が続いている。」(甲2号証)ことを掲げ、原告のオンブズマン活動を理由に情報公開を行わないことを明言した。
前述のように、公開された情報を市民に伝達する原告の所属する市民団体「渋谷オンブズマン」の活動は、「国民が行政の諸活動を注視し、行政機関に説明を求め、又はその説明を聞いて行政に関する意見を形成し、行政が適切に行われることを促すために、その意見を適宜の形で表明する」(情報公開法要綱案(中間報告)平成8年4月24日行政改革委員会)ものであって、「国民の適格な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進」(情報公開法1条)という情報公開制度の目的の純粋な実践である。
渋谷区教育委員会の非公開決定は、請求者が被告の行政運営に批判的な表現活動をしている団体のメンバーであることを理由に情報の公開を拒絶している点で、憲法21条の保障する表現の自由に対する深刻な侵害行為であり、その違法性は明らかである。
行政に批判的であることをもって、情報公開請求を認めないということがまかり通るようになれば、情報公開制度というものは、その存在意義が根底から失われ、ひいては民主主義制度そのものの崩壊を招きかねない。
3 平等権(憲法14条)の侵害
憲法14条によって、国民は、行政から平等な取扱いを受ける権利を保障されている。
本件条例第1条は、区民の知る権利の保障と被告の区政の説明責任を全うさせ、公正で開かれた区政の進展を図ることを被告の情報公開制度の目的としている。区政の説明責任を全うさせ、公正で開かれた区政の進展を図るという目的からして、専修大学准教授山田健太氏が解説しているように(甲3号証の1、2)、どのような人に対しても、請求の目的を問わずに開示するのが情報公開制度の原則である。すなわち、情報公開では、ある人に対しては文書を開示するが、別の人に対しては文書を開示しないということは起こり得ないことである。
ところが、本件の場合、渋谷区教育委員会は、本件旅行命令簿を渋谷オンブズマン代表久保田正尚には開示した(甲4号証の1)ものの、原告には開示をしなかった(甲2号証)。このような渋谷区教育委員会の行為は、情報公開制度の趣旨に明らか反するばかりか、憲法で保障された平等権の侵害にあたる。

第4 原告の受けた損害
1 原告は、行政法の大原則である法律による行政の原理を全く無視し、条例の解釈を捻じ曲げる渋谷区教育委員会の余りに恣意的な行為に驚き落胆するとともに、このような行為がまかり通るようになると、情報公開請求によって被告から行政情報を得られなくなり、原告のライフワークであるオンブズマン活動の継続が不可能となるのではないかとの恐れを抱くようになった。特に、渋谷区教育委員会は、原告のオンブズマン活動を理由に原告の情報公開請求を拒否しており、原告は、被告が総力を挙げて原告のオンブズマン活動を抑圧してきているのではないかという大きな恐怖を抱いた。
さらに、原告は、渋谷区教育委員会の違法な非公開処分によって、取消訴訟の提起を余儀なくされ、時間的精神的経済的負担を負った。
2 原告は、情報公開請求に関して、以下のとおり、被告より再三に渡って違法な対応がなされてきた。

(1)原告が、渋谷区長に対し、公用車のガソリン代にかかる明細書等の情報公開請求を行ったところ、明細書等が存在するにもかかわらず、渋谷区長が、明細書等が不存在であるとの処分を行った。そのため、原告が、かかる渋谷区長の対応について国家賠償請求訴訟を提起したところ、15万円の損害賠償が認められた(東京地裁平成22年10月22日判決(甲13号証))。
(2)平成23年7月29日、原告が、渋谷区長に対し、2件の文書を情報公開請求したところ、渋谷区長は、原告が渋谷区議会議員であり、情報収集は議員の調査権を用いて行うべきだとの理由で、原告の情報公開請求に応じなかった。そのため、平成23年11月8日、原告が東京地方裁判所に不作為の違法確認の訴えを提起したところ、平成23年12月28日、渋谷区長は一転して原告の情報公開請求に応じた。なお、原告が提起した不作為の違法確認の訴えは、却下になったものの、「本件各決定は、原告の本件各訴えの提起及び追行を契機としてされたものと推認される」との理由で、訴訟費用は被告の負担とされた(東京地裁平成24年1月20日判決(甲14号証))。
なお、上記情報公開抑圧事件は、情報公開制度の意義を根底から没却しかねないものとして、新聞等メディアで大々的に報道された(甲15号証)。
3 本件条例の解釈を捻じ曲げてまで原告の情報公開請求に応じようとしないばかりか、非公開処分の理由として、原告のオンブズマン活動を挙げる渋谷区教育委員会の行為は、憲法上の権利である「知る権利」を根本的に没却する由々しき行為であり、また、原告の「表現の自由」を侵害するものであり、厳しく非難されるべきものである。また、被告は、前述のように再三に渡って原告に対し、情報公開請求に関して違法行為を繰り返している。
このような事情に鑑みれば、慰謝料額は、過去の情報公開請求に関する国家賠償請求認容事例よりも高額な慰謝料額とすべきである(原告が知り得る限り、情報公開請求に関する国家賠償請求における認容額の過去最高額は、40万円である(甲16号証))。
したがって、本件に関する慰謝料額としては、金200万円、弁護士費用としてその1割にあたる金20万円が相当である。

第5 結語
以上の次第であるから、原告は、国家賠償法1条1項に基づき、請求の趣旨記載のとおりの判決を速やかに求める。

第6 関連事実~本件情報公開請求の背景~
1 はじめに
原告は、公文書である平成20年度及び21年度の区立笹塚中学校の「給食の記録」が大規模に組織的に改竄された事件に関し、「平成21年秋ころ、連日夜遅くまで笹塚中学に近隣の中学の管理職らが集められ、同記録の改竄作業にあたっていた」との情報を区民から得て、その事実の有無を確認しようとして、本件情報公開請求をした。
本件の背景となったいわゆる「笹塚中学の給食問題」と本件情報公開請求の関係は以下のとおりである。
2 笹塚中学校の給食問題と虚偽の「給食の記録」の存在
笹塚中学校では、保護者らが、給食内容が同じ給食費を負担している区立中学校に比して余りに貧弱であることに不審と不満を抱き、数年来、その原因を追及し、調査活動を行ってきた。特に平成20年度には、PTA役員が中心となって調査が行われ、給食内容が文科省の定める栄養基準を満たしていなかった可能性と私費会計となっていた給食費の管理の杜撰、流用の疑念などが指摘され、大きな問題となった。
このうち給食の内容に関しては、本来、毎日、校長、副校長、給食担当教諭、給食主事が点検して押印する給食の内容を記載した日報「給食の記録」が作成されているところ、原告らは、問題の調査の基本資料として情報公開制度等でこれを入手し検討していた。
ところが、公開された情報が、全く同一の期間の「給食の記録」が①日々作成されていたと思われる手書き記録(平成21年7月開示)、②手書き記録を訂正した記録(平成21年10月ないし11月頃、処分行政庁が、笹塚中学の保護者に対し、任意交付)、③パソコンで全面的に作成し直した記録(平成21年12月8日開示)、の少なくとも三種類あることが判明し、特に①と③の記録は、内容も異なり、③の記載には、1人あたり100グラムのパスタに53グラムのたらこが使用された「たらこスパゲティ」があったり、同一業者から同一価格で購入している冷凍細麺や豆腐、缶詰のミカンやパインのエネルギー量やタンパク量が日によって異なるなど、一見して明らかな虚偽の記載があった。
原告らは、かかる一連の不可解な「給食の記録」を見て、笹塚中学校において学校給食の食材の横流しや給食費の横領が行われており、それを糊塗するために、「給食の記録」が意図的に改竄されているのではないかとの疑いを抱くようになった。
3 処分行政庁主導の給食記録の書き換えの疑い及び本件情報公開請求
原告らは、一連の「給食の記録」の開示の過程で、笹塚中学校の校長が独断で1年分の給食の記録の全ての書き換えを決定して実行することは不可能であり、処分行政庁の教育長および次長も「給食の記録」の書き換えを主導したものと推測していたが、このことは、平成22年3月の区議会で、教育長自身が「記録の一部に不備が認められたり、栄養価の計算に不正確な点があったりしたことから、正確に保存させるために作成のし直しを命じ」(議事録)たと答弁していることからも裏付けられる。また、平成21年12月8日に、渋谷オンブズマンの代表である訴外久保田正尚が情報公開請求した前記③の「給食の記録」が開示されることになっていたが、原告らは、前記③の「給食の記録」開示期限前の1ヶ月、笹塚中学校には放課後、他の区立中学の副校長らの管理職が集まり作業に協力しているとの情報を入手した。そのため、かかる情報が真実であるか否かを調査するため、原告は、平成22年9月8日に、処分行政庁に対し、平成21年9月~12月までの笹塚中学校の来校者名簿及び処分行政庁職員・学校教員に関する旅行命令簿を情報公開請求したところ、処分行政庁は、平成22年12月16日、原告の請求に対し、公文書非公開処分を行った(甲2号証)。
なお、本項までに述べた経緯については、週刊金曜日825号ないし827号掲載の記事に詳述されているので、当該記事を書証として提出する(甲17号証の1ないし3)。

以 上


証 拠 方 法
1 甲1号証 渋谷区情報公開条例
2 甲2号証 可否決定通知書
3 甲3号証の1 新聞記事
4 甲3号証の2 渋谷オンブズマンブログ
5 甲4号証の1 可否決定通知書
6 甲4号証の2 旅行命令簿
7 甲5号証 渋谷オンブズマンブログ
8 甲6号証 訴状
9 甲7号証 新聞記事
10 甲8号証 答弁書
11 甲9号証 可否決定通知書
12 甲10号証 意見書
13 甲11号証 判決文
14 甲12号証 旅行命令簿
15 甲13号証 判決文
16 甲14号証 判決文
17 甲15号証 新聞記事
18 甲16号証 判決文
19 甲17号証の1 週刊金曜日記事
20 甲17号証の2 週刊金曜日記事
21 甲17号証の3 週刊金曜日記事
添 付 書 類
1 訴状副本 1通
2 甲号証写し 各2通
3 証拠説明書 2通
4 訴訟委任状 1通
       
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まとめteみた.【【国賠訴訟】旅行命令簿の非公開決定処分に対して国賠訴訟を提訴】

渋谷区議会議員・堀切稔仁は、渋谷区職員等の旅行命令簿を情報公開請求したところ非公開決定処分となったので、決定処分取消訴訟を提訴したところ、実質勝訴し、該当文書は公開された。この事件は、マスコミで大きく取り上げられ、本ブログでも数回にわたり報じた。この事...

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涅槃で待つ

まってました
地元のハゲ議員たちは何もしなかったけど
よいよ始動ですね
当時の子供達をバカにした
渋谷区教育委員会職員は許せません
保護者として嬉しいです

忘れて欲しかった

まさかこんな時期に提訴されると思いませんでした
上司は今日野球で休みだが
オンブズマンも訴訟休みは取らないんですね
しかも過去を忘れてくれないなんて
昔この部所に居た人間としては怖いものがあります
当時の担当者たちはまたまた緊張しますよね

歴史

桑原区長とオンブズマンの情報公開をめぐる攻防は「教科書に載せ」子どもにも教えたい「国民の知る権利」
である。ひと時の首長が自分の利害や保身のために情報公開請求の権利を侵すことは許されない。
オンブズマンの徹底抗戦の構えには敬意を表します。
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