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【ホライゾン学園】原告準備書面⑥

神宮前国際交流学級(ホライゾン学園)事件住民訴訟は、住民監査請求を提出して以来、実に4年8月の歳月が経て結審を迎えた。原告側、最終準備書面を数回に分けて紹介する。第6回目は、神宮前国際交流学級に対する使用許可処分の違法性に関してである。
以下、準備書面のその⑥である。

第3 本件許可処分の違法性
1 本件許可処分の名宛人は、ホライゾン学園であり、準備会であり、本件NPOである。
上記名宛人は、渋谷区教育委員会から提供を受けた公立小学校施設の一部において外国籍の子供たちを対象とした私塾「神宮前国際交流学級」を運営している。
被告らは、この私塾は所謂インターナショナルスクールであるとの原告らの指摘を否認するが、その被告らでさえ、この私塾と所謂インターナショナルスクールの相違点はただ一つ、日本国籍を有する子供は利用できないという点のみであることを認めている。
しかも、教育委員会は、本件許可処分に基づき、現時点までで6年間、無償提供を継続させている。
2 そもそも公立小学校施設の一部を私塾の施設として提供することは以下のとおり違法である。
地方自治法238条の4第7項は、「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可することができる。」と定める。すなわち、行政財産は、本来の用途又は目的のために適正に使用されるよう管理しなければならない。
公立小学校の「用途又は目的」とは、教育基本法1条(教育の目的)・同4条(教育の機会均等)、学校教育法21条(教育の目標)等教育法令に従ってなされる初等義務教育にあり、広く等しい教育環境を提供することにある。公立小学校は国及び地方公共団体のみがこれを設置することができるのであり(基本教育法2条)、授業料を徴収することは認められない(同5条第4項)。
とすれば、公立小学校施設の一部を、外国籍の子供たちのみを対象とした年間約200万円もの授業料を徴収する私塾の施設として民間団体に提供することは、授業料無料の義務教育課程の児童に対する教育的配慮に欠けるのみならず、広く等しい教育環境を提供すべき公立小学校の理念及び上記法令に著しく違反する。
従って、本件許可処分は、公立小学校本来の「用途又は目的」を妨げ、少なくとも「用途又は目的を妨げない限度」を超えており、地方自治法238条の4第7項に違反する。
3 被告らは、地方自治法238条の4第7項に違反しないことを前提として、本件許可処分は、渋谷区教育財産管理規則9条第1号「国、地方公共団体またはその他公共的団体が、公用または公共用に供するために必要と認められる場合」に準ずるものであり、同条第7号「前各号に掲げるもののほか、やむを得ないと認められる場合」に該当すると主張する。
しかし、同条第1号の「公共的団体」とは、国、地方公共団体に匹敵するものと考えるべきであり、学校法人もNPO法人もこれに匹敵するものではなく、公共的団体には該当しない。
しかも、外国籍の子供たちを対象として英国式のカリキュラムにて英語の授業を実施することにより年間約200万円もの授業料を徴収するのであるから、神宮前国際学級は、収益事業としての私塾運営にほかならず、「公用または公共用に供する」ものでないことは明白である。被告らも、ホライゾン学園による神宮前国際交流学級の運営が、私立学校法に定める「収益事業」に該たることは認めている。
従って、民間団体が運営する私塾が「公共的団体が公用または公共用に供するためのもの」に準ずるとは到底認められず、本件許可処分は同条第7号には該当しない。
4 被告らは、本件許可処分が同条第7号に該当し適法であるとの主張を維持するため、神宮前国際交流学級は、①トルコ共和国大使からの、「トルコ国籍保持者の子女への教育の機会を設けるために」(乙3)公共施設を提供してほしいとの正式な依頼に応えたものであり、②トルコ共和国ないしトルコ大使館が「実質的な運営主体ないし実施主体」であると主張し、③桑原証人に至っては、神宮前国際交流学級において何らかの問題が発生した場合には「トルコ大使館も当然に責任を負う立場にある」とまで証言している。
しかし、そもそも神宮前国際交流学級は、「トルコ国籍保持者の子女」を対象とした教育施設ではない。日本国籍を有する子供のみを対象外とした所謂インターナショナルスクールである。
しかも、神宮前国際交流学級の実質的な運営主体ないし実施主体がトルコ共和国ないしトルコ大使館であるとの主張は、以下の客観的事実から到底認められない。
(1)トルコ共和国大使が運営者として紹介し、本件許可処分の最初の名宛人となったホライゾン学園は、本件訴訟が係属して原告らがその違法性を指摘するまで、神宮前国際交流学級を「ホライゾンジャパン・インターナショナルスクール・渋谷キャンパス」と称し、神奈川県内にて自らが運営する「ホライゾンジャパン・インターナショナルスクール・横浜キャンパス」と運営主体も運営実態も同一のものと公言していた。
(2)準備会及び本件NPOは、その設立理由について「学校法人ホライゾン学園が運営から離れることになったため、神宮前国際交流学級の存続を強く望む保護者や教職員がNPO法人を設立して、その運営を自ら主体的に行うことにしたものである」と述べており(乙63)、トルコ共和国ないしトルコ大使館は、ホライゾン学園が神宮前国際交流学級の運営から離れることになっても、あらたに別の団体に運営を委ねることもせず、あらたな委託先を模索することもしていない。
(3)神宮前国際交流学級のHPにも、生徒募集のための募集要綱やインターネット上の紹介記事のいずれにも、トルコ共和国ないしトルコ大使館が実質的な運営主体ないし実施主体であることは一切記載されていない。
(4)トルコ共和国大使館は、御庁からの調査嘱託に対し、神宮前国際交流学級の運営ないし実施に対する関与を一切示さなかった。
5 さらに、被告らは、本件許可処分が同条第7号に該当し適法であるとの主張を維持するため、実質的な運営主体ないし実施主体がトルコ共和国ないしトルコ大使館であるとの虚偽主張に加えて、神宮前国際交流学級は、トルコ共和国における初等教育の場であるとか、被告渋谷区が推進する国際交流事業に資するなどと主張する。
しかし、神宮前国際交流学級においては、上記のとおり、トルコ共和国における初等教育は行われておらず、多くのインターナショナルスクールと同様に、英国式カリキュラムによる英語の授業が行われているにすぎない。しかも、神宮前国際交流学級は、国際交流事業の一環として創設されたものでもなければ、神宮前小学校児童に国際交流の機会を与えるために創設されたわけでもない。桑原区長が、トルコ共和国大使からの個人的な要請を受けてこれに応えるため、神宮前小学校施設の一部を提供することを決めたものであり、そこには、国際交流といった神宮前小学校児童の側に立った視点は一切存在しなかったことは、桑原証言からも明らかとなっている。
6 本件許可処分はいずれも地方自治法238条の4第7項に違反し、渋谷区教育財産管理規則9条第7号に該当しないが、平成19年3月29日付許可処分(以下「19年許可」という。)及び平成20年3月21日付許可処分(以下「20年許可」という。)は、私立学校法30条1項にも違反している。
19年許可及び20年許可はいずれもホライゾン学園を名宛人とするものであるが、ホライゾン学園による神宮前国際交流学級の運営は寄附行為に基づかない活動であり、所轄官庁である神奈川県の認可を得る必要があったにもかかわらず、これを得ないままは運営していたものであり、私立学校法30条1項に違反している。それゆえ、ホライゾン学園は、認可庁である神奈川県から、「速やかに活動を中止するか、学校法人ホライゾン学園から(神宮前国際交流学級を)切り離す等の手続を行ってください。」との行政指導を再三にわたり受けていた(甲27)。
従って、ホライゾン学園による神宮前国際交流学級の運営が違法である以上、違法行為を実施させる内容の19年許可及び20年許可はいずれも違法である。
この点につき、被告らは、ホライゾン学園による神宮前国際交流学級の運営が違法であっても、ホライゾン学園に対する許可処分は違法にはならないと主張する。
しかし、ホライゾン学園に対する許可処分は、単に公立小学校施設の一部を提供するだけのものではなく、使用目的及び使用方法を特定し、これを条件として公立小学校施設の一部を提供するものであり、その条件とされた使用目的及び使用方法をホライゾン学園が実施することが違法行為である以上、違法行為の実施を条件とする許可処分が違法であることは論を待たない。 
7 また、平成21年年3月16日付許可処分(以下「21年許可」という。)、平成22年3月18日付許可処分(以下「22年許可」という。)及び平成23年3月30日付許可処分(以下「23年許可」という。)は、憲法89条にも違反している。
21年許可は準備会を名宛人とするものであるが、準備会は「公の支配」に属していない。
この点につき、被告らは、準備会は本件NPO設立中の準備組織であり、設立後の本件NPOと同一人格を有することを理由として「公の支配」に属するものと主張する。
しかし、21年許可がなされた時点では、NPO法人として認証されておらず、その後に認証されたからといって遡ってNPO法人となるわけでもない。
従って、準備会は「公の支配」に属しておらず、準備会が運営する私塾のために公立小学校施設の一部を無償提供した21年許可は、公の支配に属しない教育事業に対し、公金を支出し、その他の公の財産をその利用に供することを禁じた憲法89条に違反する。
22年許可及び23年許可は本件NPOを名宛人とするものであるが、そもそもNPO法人は、学校法人とは異なり、書類上の要件のみで自動的に認証がなされるのであり、法律による規律や所轄庁による監督に服しておらず、「公の支配」に属するとは認められない。
しかも、本件NPOは、ホライゾン学園として神宮前国際交流学級を運営することが私立学校法30条違反となるためやむなく設立されたものであり、実質的にはホライゾン学園と同一の団体である。
本件NPOは、ホライゾン学園のために神宮前国際交流学級を運営しているのであり、「特定の個人又は法人その他の団体利益を目的として事業を行わない」とのNPO法人の要件(特定非営利活動促進法1条・同3条)に違反しており、その認証自体が違法である。
従って、本件NPOも「公の支配」に属しておらず、本件NPOが運営する私塾のために公立小学校施設の一部を無償提供した22年許可及び23年許可も憲法89条に違反する。

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