スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【損害賠償請求】渋谷サービス公社の情報公開請求拒否事件

(株)渋谷サービス公社は、渋谷区が100%出資する株式会社であり、情報公開規程を有している。その(株)渋谷サービス公社に対して、渋谷区議会議員・堀切稔仁が情報公開請求をしたところ、議員であるという理由で拒否されたので、同公社の違法行為を是正させるために、民法709条に基づく損害賠償請求訴訟を提訴した。
以下は、原告側第一準備書面である。


平成25年6月10日

東京地方裁判所民事第5部合議B1係 御中

原告訴訟代理人弁護士 本  間  久  雄

第1 国家行為(ステイトアクション)の理論

1 国家行為(ステイトアクション)の理論とはアメリカの判例で採用されている法理論である。
この理論は、人権規定が公権力と国民との関係を規律するものであることを前提としつつ、①公権力が、私人の私的行為にきわめて重要な程度にまでかかわり合いになった場合、または、②私人が、国の行為に準ずるような高度に公的な機能を行使している場合に、当該私的行為を国家行為と同視して、憲法を直接適用するという理論である(国家同視説と呼ばれる。)。
①の例として、公共施設の内部で食堂を経営している私人が黒人差別を行った場合とか、また、国から多額な財政的援助を受け、そのかぎり国の広範な監督に服している私的団体が違憲的な行為を行った場合などが上げられる。また、一定の独占的な特許を受けた公共事業のような企業体が行った違憲的行為で、国の規制がそれを促進する意味を持った場合とか、私人間の違憲的行為で実効性を失ってしまったものを、裁判所の介入によって再び実効性あるものにした場合も、①の類型に属する行為となり、憲法の適用を受ける。②の例としては、会社が私有し運営する会社町が街頭の宗教的文書の頒布を禁止した行為を違憲とした事件が、著名である。このような理論構成によって、事実行為による人権侵害を違憲であると解し、たとえば民法709条の不法行為の違法性の裏付けを強化したり、国家賠償請求その他の行政訴訟を提起する救済手段につなげたりすることも考えられてよい(芦部信喜・高橋和之補訂「憲法第5版」(岩波書店)117ページ)

2 被告は、渋谷区が100パーセント出資した株式会社であり、毎年会計報告が渋谷区になされ、歴代の代表取締役は渋谷区の元職員が務め、被告に対して訴訟が提起されれば、その報告が渋谷区になされ(甲10号証)、渋谷区の法務担当職員が被告の訴訟を傍聴に来る(本件訴訟の第1回口頭弁論期日には、渋谷区の法務担当副参事(当時)である木下毅彦氏が傍聴に来ていた。)。そして、渋谷区情報公開条例15条の2の規程(甲9号証)に基づき、被告は、渋谷区情報公開条例とほぼ同内容の本件規程を設けている(甲1号証)。
このように、被告と渋谷区は、一蓮托生というべき関係にあり、本件は、上述の国家同視説の①の類型に該当する。
したがって、被告と渋谷区は、同一視すべき関係にある以上、本件不法行為責任の成否の判断にあたっては、国や地方公共団体が被告となった情報公開を巡る国家賠償事案と同様の枠組みで判断すべきである。

3 被告は、「行政機関の保有する公文書の公開について規程する渋谷区情報公開条例による法的義務と、同条例15条の2第1及び3項により渋谷区が情報公開を行うため必要な措置を講ずる努力義務を負うとされている趣旨を踏まえて被告が設けた情報公開規程の法的性格とを同一に論じることは適切ではない。」(答弁書3ページ)などとし、あたかも本件規程違反があったとしても、被告は不法行為責任を負わないかのような主張している。
しかしながら、前述のように、国家同視説の法理によれば、被告は、国や公共団体の情報公開を巡る国家賠償事案と同様の判断枠組みで違法性が判断される。そもそも、国家同視説など持ち出さなくとも、被告は、渋谷区情報公開条例15条の2の規程に基づき、渋谷区情報公開条例と同様の要件効果のはっきりした本件規程を設けており、本件規程に基づいて被告から情報開示を得られると信頼した本件規程利用者の期待権は法的に保護すべきであり、被告が本件規程に違背した情報公開事務を行った場合、被告は、本件規程利用者に対して不法行為責任を負わなければならない。

4 被告のような地方公社は、①法的には地方公共団体と別人格であり、行政責任が不明確、②議会・住民のチェックが及びにくい、③地方公共団体の赤字隠蔽の手段として使われる可能性がある、④地方公共団体が損失補償をしている場合が多く、財政破綻が生じた場合には、地方公共団体に多大な財政負担が生じる可能性があるという問題点があり、住民も自らの自治体が出資する地方公社の状況を把握し、そのあり方を考えていく必要がある(甲11号証)。
地方公社の場合、国や地方公共団体の場合と異なり、行政訴訟(取消訴訟・義務付訴訟)によって直接的に情報を開示させる手段はなく、地方公社の情報公開事務を適正に行わせるためには、不法行為法理によって地方公社の情報公開事務を間接的にコントロールするしかない。
したがって、地方公社が、違法な情報公開事務を行った場合、当該地方公社に対し、不法行為責任を負わせる強い必要性がある。

第2 被告の主張に対する反論について

1 第3回口頭弁論期日において、被告の主張立証の補強が予定されていることから、原告は、本準備書面においては、被告の主張に対する反論を留保し、第4回口頭弁論において、被告の主張に対する反論をまとめて行う予定である。
なお、準備書面1の2ページ以下の経緯については、以下のとおり認否する。

2「1、被告が原告に対して情報を提供した経緯について」の(1)に対する認否
(1)冒頭部分について
原告が、議会の申し合わせに従って当該情報を前田議長から受領したとの箇所は否認し、残余は認める。
(2)アについて
認める。
(3)イについて
前半(「上記申出に先立つ…対応いただきたい。」)は認め、後半(「被告は、同年…依頼を受けていた。」)は不知。
(4)ウについて
不知。
(5)エについて
平成24年8月9日に被告が、原告に対して決定期間の延長をしたこと、平成24年8月14日に前田議長が原告と面談し、乙4号証を交付したことは認め、平成24年8月14日に被告が乙4号証を久保田事務局長に交付したこと、久保田事務局長より原告前田議長間の面談状況について報告を受けたことは不知、その余は否認する。原告が、前田議長に対して、本件公開申出について取り下げる旨返答した事実はない。
(6)オについて
被告久保田事務局長間のやりとりについては不知、残余は否認する。原告が、本件申合せに従って、本件公開申出に係る情報について、議会による調査の対象として取り扱うことに異議なく了解した事実はない。また、原告が、前田議長宛に電話をかけた事実はない。原告が、前田議長に電話で伝えたとされる発言内容(平成21年に被告から公開された情報がなぜ今回公開されないのか。)は、電話ではなく、原告と前田議長との面談の際に原告が発言したものである。
(7)カについて
不知。
(8)キについて
不知。
3「1、被告が原告に対して情報を提供した経緯について」の(2)に対する認否
(1)冒頭部分について
否認する。
(2)アについて
被告が、原告に対して、本件公開申出の取下書を提出するよう依頼したことは認め、残余は否認する。あくまで原告は、被告に対して、本件規程に基づき、情報公開を行うよう述べていたに過ぎず、直接資料を送付してもらいたいと述べたことはない。
(3)イについて
認めるが、原告の所属する市民団体「渋谷オンブズマン」のブログでは、平成24年9月27日以降、被告の対応に疑問を呈するブログ記事を掲載した(甲12号証の1、2)。
(4)ウについて
平成25年2月に原告が本件訴訟を提起したこと、被告が原告に乙8号証を送付してきたことは認める。

以 上   
スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

No title

渋谷区ってディスクロージャーの全く進んでいない企業だな、自治体も企業とすればだけど。

最近は「ガラス張りの区政」って言葉も聞かないな。
どぶ板選挙するけど、どぶ板の下に隠しているのでは?

誰にも見える清潔な区政、みんなで唱えてみたらいかがかな?

桑原はみんなに見えない、曇りガラスの区政だ!
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
ブログランキング
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
なかのひと
なかのひと
カウンター
情報提供求む

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。