【トルコ等国際交流】トルコ訪問事業参加者名の非公開取消訴訟

明日(18日)東京地裁522号法廷で、平成21年8月に実施されたトルコ訪問事業参加者名の非公開処分取消訴訟の口頭弁論が開かれる。
平成21年8月に実施されたトルコ訪問事業は、出発直前になっても、訪問事業の内容及び参加者名が明らかにされなかった。そこで情報公開請求をしたところ、区民参加者名が非公開となったため、その取消を求めている訴訟である。
区民参加者名は、帰国後に明らかになったが、処分は取り消されていない。
尚、区民参加者は御崎充、小澤三千代、鈴木登志、秋山綾子、田中黎山、花柳美千仍、花柳美仁華、山口美紀子の8人である。
以下は、原告第4準備書面である。


第1 本件非公開情報が本件条例第6条2号アに該当すること。

1.繰り返しになるが、そもそも本件トルコ訪問事業は参加人員の旅費等、その経費の全額が渋谷区の公金によって賄われている渋谷区の公式行事である。渋谷区は、本来なら出発前に、誰が参加してどのような事業を行うのかを区民に説明するべきであるし、出発前に区民に求められれば説明義務がある。
 一般区民にとって、誰が区民を代表して区民訪問団に参加したのかを知り得なければ、トルコ訪問事業の重要な部分が判らないこととなるから、説明義務を全うするためには、区民訪問団の氏名を公表する必要があることは自明のことである。
 すなわち、本件非公開情報は帰国後には必ず公開されなければならない情報であるから、本件条例第6条2号ア「法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」のうち、少なくとも「慣行として公にすることが予定されている情報」に該当する。

2.ここで「慣行として」とは、公にすることが慣習として行われていることを意味するが、慣習法としての法規範的な根拠を要するものではなく、事実上の慣習として公にされ、又は公にすることが予定されていることで足りるが、当該情報と同種の情報が公にされた事例があったとしても、それが個別的な事例にとどまる限り「慣行として」には当たらないものとされている。(岡山県公開審平14.2.26 情報公開実務指針(ぎょうせい)117ページ参照)
 他の自治体で、公金で海外訪問事業を行うにあたって、出発直前までその内容や参加者を秘密裏にして、こそこそ出国していくような例は皆無であろう。堂々と区民の見送りを受けて出国するのが社会的常識であり、いわゆる「慣行」である。
 従って、本件非公開情報は正に「公にすることが慣習として行われている情報」なのである。

3.又、「公にされ」とは、「当該情報が現に公衆が知り得る状態に置かれていれば足り、現に公知(周知)の事実である必要はない。過去に公にされたものであっても、時の経過により、開示請求の時点では公にされているとは見られない場合が有り得る」とされ、「公にすることが予定されている情報」とは、「将来的に公にする予定(具体的に公表が予定されている場合に限らず、求めがあれば何人にも提供することを予定するものも含む)の下に保有されている情報をいう。」とされている(総務省行政管理局編「詳解情報公開法」48頁~49頁)。
(1)本件非公開情報はトルコ共和国イスタンブール市で渋谷区主催の国際交流事業の中で公開されたものであり、現に日本においても知り得る状態に置かれていると解される。例えば、同交流事業に参加してパンフレットを受け取った方々はトルコ人だけではなく日本人もいた可能性は十分にあり、参加者がインターネットを使って瞬時に同パンフレットの写真を日本へ送信することもできるのである。従って、本件非公開情報は「公にされている情報」と解すことができる。
(2)もし仮に、本件非公開情報は「公にされている情報」と解すことができないとしても、上記1で述べた通り、本件非公開情報は帰国後には必ず公開されなければならない情報であるから、正に「公にすることが予定されている情報」に該当するのである。

  
第2 被告準備書面(3)に反論する。
 
1.被告準備書面(3)3頁9行目~13行目で、「本件条例6条2号アにより公開すべきと解される個人情報は①法令に基づいて現に公にされた情報、②法令に基づいて現に公にすることが予定されている情報、③慣行に基づいて現に公にされた情報、④慣行からすると公にすることが予定されている情報であって、かつ、保護の必要性の認められない情報に限られるのであり、これらのいずれかに該当するのであれば、非公開とすることによる保護を必要としない情報と評価され、情報公開請求に対して公開しても差し支えないであろうと解される。」と主張する。
 被告は、「かつ、保護の必要性の認められない情報に限られる」と主張するが、これは誤りである。
 公にされている情報及び将来公開される予定である情報については、開示により個人の権利利益を侵害するおそれがないと考えられることから開示すべき情報とされているのであって(情報公開・個人情報保護審査会答申例《第二東京弁護士会編》97頁13行目~15行目)、被告が主張するように①②③④に該当して、更に「保護の必要性の認められない情報」に該当する必要性があるという解釈は誤りなのである。①②③④に該当する情報は必然的に「保護の必要性の認められない情報」なのである。
 従って、本件非公開情報は、③に該当すると解され、少なくとも④に該当することは明白であるから、本件一部非公開決定処分は取り消されなければならない。

2.被告準備書面(3)4頁8行目~14行目で、 「8月15日にそれぞれ1度ずつ配布されたに過ぎない以上、これをもって慣行ということはできない」と主張するが、これは「慣行」の意味を取り違えた誤った解釈である。
 「慣行」とは、既に述べたように、公金で海外訪問事業を行うにあたっては、その内容や参加者を公にして堂々と出国することのが「慣行」であるということで、被告・渋谷区のように、出発直前までその内容や参加者を秘密裏にして、こそこそ出国していくような例は極めて珍しく、「慣行」とは言えないのである。
 従って、「慣行」に関する被告の主張は失当であり、本件非公開情報は公にすることが慣習として行われている情報でなのである。

3.被告準備書面(3)4頁15行目~22行目で、「プログラム(乙13)は、トルコ共和国の限定された一地域一会場において、観客すなわちトルコ人に対して、日本の伝統文化芸能をよりわかりやすく紹介する目的で配布したものであって、同配布時点ないし本件一部非公開決定時点において、区民訪問団員の氏名が、その他の場面で公にされることまで予定されていたとは必ずしもいえないものであるから、当該個人情報を非公開とすることによる保護の必要性は、なお存在していたというべきである。」と主張するが、これも失当である。
 原告第4準備書面、第1の3の(1)で主張している通り、本件非公開情報は、「公にされている情報」と解すことができるのである。

4.被告準備書面(3)4頁26行目~5頁16行目で、「パンフレット(乙8)及びプログラム(乙13)に芸名が記載された区民訪問団の本名が、本件一部非公開決定処分時点(8月26日)で公開されないと何故公金の使途の説明責任が果たされないことになるのか、そもそも、本件情報公開請求は、本件条例に基づきなされたものであるから、その公開非公開の判断も本件条例に従ってなされるべきところ、本件条例は、説明責任をもって直ちに個人情報を公開すべきものとはしていない・・・」と主張する。
 しかし原告が主張していることは、本件非公開情報に関して「公にすることが予定されている情報」であることの根拠は、公金の使途を説明するために、本件非公開情報は、将来、求めに応じて何人にも公開しなくてはならない情報であるということなのであって、それ故、本件一部非公開決定処分時点(8月26日)でも、公開されなければならないということなのである。被告の主張は、誤解によるもので失当である。
 本件情報公開条例第1条には、「この条例は、公文書の公開を請求する区民の権利を明らかにするとともに、公文書の公開等に関し必要な事項を定めることにより、区民の知る権利を保障するとともに、区が区政に関し区民に説明する責務を全うするようにし、もって公正で開かれた区政の進展を図ることを目的とする。」と定められており、行政の説明責任を全うさせることが、情報公開制度が制定された目的なのである。
以 上
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No title

そもそも、なぜ、そんなにトルコと国際親善が必要なのかいまだに理解出来ません。
税金で親善旅行に公費で参加する人は、公人に準じると思います。今年も参加者を募集していますが、何人応募しどのような基準で選考したのか・・・決定した参加者には、親善の具体的貢献を公にしていただきたいものです。それが、公金で親善旅行に参加するものの、区民への務めではないでしょうか?

No title

フィンランド共和国大使 講演会が6月1日にあるらしい。
共和国特命全権大使が日本との交流や、フィンランド共和国の生活、文化、教育、平和への取り組みを紹介するらしい。
情報化の時代は、簡単に大量の情報を得られる。敢えて区民として知りたいのは、「どんなことが、どれくらい区政に役に立つのか・・・」ということ。
限られた税収を振り分けるとき、これまでフィンランドに費やした税金がどれほど区民の役にたったのか、そこが問題。
区政に反映されない旅行は私費で。
公金で親善旅行をするなら、詳細に公開を。

No title

トルコについていく議員や行政の方も 目的や国際交流や国際貢献の予定と報告を。出来ないなら、自費で渡航を。
報告は旅行終了時だけでなく、その後の区政にどのように、どれだけ反映し、役に立ったかまで継続して報告して頂きたいものです。
そうすれば、どれだけ無駄なことか自身が思い知るでしょう。
よもや 踊って終わりではないでしょう?


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